目次
居酒屋は好き勝手していい場所ではない
居酒屋は友達や同僚と楽しく交流する場所ですが、「無礼講」という言葉を勘違いして何でも許されると思ってはいけません。お酒が入る場だからこそ、守るべきルールがあります。
つい気が大きくなり、自分中心の振る舞いをすると、周囲に不快感を与えたり、人間関係にヒビが入る原因にもなります。居酒屋にも暗黙のルールがあり、それを守ることでみんなが気持ちよく過ごすことができるのです。
居酒屋でやってはいけない7つのNG行動
居酒屋でやってしまいがちなタブーを紹介します。どれもありがちな行動ですが、なぜ問題なのか詳しく解説していきますので、自分自身を振り返るきっかけにしてください。
① お酒を飲めない人に無理に飲ませる
お酒が苦手な人や体質的に飲めない人に、無理やりお酒を飲ませることは絶対に避けましょう。飲酒の強要はアルコール・ハラスメント(アルハラ)と呼ばれ、場合によっては傷害罪などの犯罪に問われる可能性があります。
お酒が飲めない人も楽しく参加できるよう、ノンアルコール飲料やソフトドリンクを積極的に勧め、誰もが居心地よく過ごせる配慮を心がけましょう。
② 大声で騒いだり暴れたりする
お酒を飲んで盛り上がるのは楽しいことですが、大声で騒いだり暴れたりする行動は絶対にやめましょう。周りのお客さんや店員さんに迷惑がかかるだけでなく、場合によっては器物を壊したりケガをさせたりする恐れもあります。
万が一、店の備品を壊してしまった場合はすぐに店員さんに報告して謝罪しましょう。節度を持って楽しく飲むことが、周囲への最低限のマナーです。
③ 店員さんに偉そうな態度をとる
お客だからといって、店員さんに横柄な態度を取るのはマナー違反です。「早くして」「サービスして」といった偉そうな態度や、メニューにない料理を強引に注文する行為は、店員さんに負担をかけるばかりでなく、周囲からの評価も下げてしまいます。
店員さんに対しても丁寧に接し、気持ちの良いコミュニケーションを心がけることで、自分自身の印象も良くなります。
④ 店員さんが指定した席を勝手に変更する
居酒屋では混雑状況や予約人数を考えて、店員さんが座席を指定している場合があります。この席の配置には、お店がスムーズに接客するための暗黙のルールが存在します。指定された席を無断で変えると、お店のオペレーションが混乱し、他のお客さんにも迷惑がかかります。
また、入り口から一番遠い席(上座)は、職場の上司や年上の方が座る席です。自分の都合だけで勝手に座らず、席を変更したい場合は必ず店員さんに一声かけてから動くようにしましょう。
⑤ 注文した料理を無駄に残したり、粗末に扱ったりする
居酒屋では、つい勢いで料理を注文しすぎてしまうことがあります。しかし、注文した料理を食べきれずに大量に残すのは、フードロスという社会問題にもつながります。また、料理を遊び感覚で扱ったり、投げたりこぼしたりすると、お店のスタッフの負担になり、周囲にも非常に不快感を与えます。
食べ物は大切に扱い、注文時には食べ切れる量を意識しましょう。残った料理がある場合は、少しでも片付けやすいよう配慮することがマナーです。
⑥ 無断で店内や他のお客さんを撮影する
SNSなどの影響で、居酒屋でも気軽に写真や動画を撮影する人が増えました。しかし、店内や他のお客さんを無断で撮影すると、肖像権やプライバシーの侵害となる可能性があります。
特に、許可を得ずにSNSに投稿すると法的トラブルに発展する恐れもあります。料理の写真を撮りたい場合でも、店員さんや同席者に事前にひと言許可を取るのがベストです。楽しい思い出を残すためにも、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
⑦ 強い香水や柔軟剤の匂いで周囲に迷惑をかける
居酒屋は食事を楽しむ場所であり、匂いがとても重要な役割を果たします。ところが、強すぎる香水や柔軟剤の匂いが原因で料理の風味が台無しになったり、周囲のお客さんが不快感を覚えることがあります。
このように、匂いで周囲に迷惑をかけることをスメル・ハラスメント(スメハラ)と呼び、近年社会問題にもなっています。お酒や料理を楽しむ場では、匂いは控えめにして周囲への配慮を心がけましょう。
居酒屋で気をつけたいマナーのポイント
居酒屋で楽しい時間を過ごすためには、避けるべき行動だけではなく、積極的に守りたいマナーもあります。小さな気遣いが周囲を心地よくし、自分自身の評価も高めます。ぜひ意識して行動してみてください。
席は上座に上司や目上の人に座ってもらう
席順は日本特有のマナーのひとつです。入り口から一番遠い席(上座)は、職場の上司や先輩、目上の人に座ってもらう席です。反対に入り口付近の席(下座)は、自分自身や若手が座ります。この席のマナーを自然に守れると、周囲からも気配りができる人として評価され、人間関係もスムーズになります。
注文は最初にドリンクをまとめて頼む
居酒屋では注文をまとめて行うのがマナーです。最初の注文は、まずドリンクから揃えて全員で「乾杯!」をします。みんなが揃う前にひとりだけ先に飲み始めるのは避けましょう。全員が揃って乾杯することで場の雰囲気が和やかになり、一体感も生まれます。
料理の取り分けは取り箸を使い、自分は最後に取る
居酒屋では大皿料理をみんなでシェアすることが多くあります。その際、自分の箸(直箸)で料理を取り分けるのはマナー違反です。必ず取り箸を使い、上司や先輩など目上の人に先に料理を取り分けてもらい、自分は最後に取るよう心がけましょう。この気遣いが周囲の人に好印象を与え、信頼も深まります。
喫煙は指定された場所で行う
最近は健康増進法や条例によって、多くの居酒屋で喫煙ルールが定められています。居酒屋内では基本的に指定された喫煙スペース以外での喫煙は禁止です。テーブルや席で勝手に喫煙すると、最大50万円の罰金が科される可能性もあります。喫煙者も非喫煙者も気持ちよく過ごすために、マナーを徹底しましょう。
お会計方法は入店前や注文時に事前に決めておく
お会計時のトラブルを避けるため、事前に支払い方法を決めておくことが重要です。まとめて代表者が支払う場合や割り勘にする場合などを最初に明確にしておけば、スムーズに会計が進みます。
最近ではスマホの割り勘アプリも人気です。支払い時にトラブルを起こさないよう、最初に明確に決めておきましょう。
退店時にはテーブルを簡単に片付け、店員さんに感謝を伝える
居酒屋を出る際は、テーブルや床に散らばったゴミを簡単に片付けておくと、店員さんにとても感謝されます。また、店を出るときに「ごちそうさまでした」や「ありがとうございました」と一言伝えると、店員さんにも良い印象を与えます。気持ちよく居酒屋を後にするための、最後の心遣いです。
まとめ
居酒屋でのマナーとは、単にルールを守ることだけではありません。そこには、相手への思いやりや配慮という「人としての大切な心」が込められています。
居酒屋での振る舞いは、普段のあなた自身の人間性を周囲に伝える良い機会でもあります。ほんの少しの気遣いを忘れず、相手も自分も心地よい時間を過ごすことを目指しましょう。