目次
いちごが腐るとどうなる?
いちごはとてもデリケートな食べ物で、ちょっとした衝撃や傷に弱いため、ほとんどの品種が傷みやすく腐るのが早くなります。
いちごに傷が付くとその部分が赤黒くなることがありますが、そのいちごは食べてもOK?それともNG?一見熟しているように見えて腐っていることもあります。
それではいちごは腐るとどのような状態になるのでしょうか?具体的な腐った状態を説明します。
腐ったいちごの見分け方
いちごに赤黒い部分がある
いちごの一部が赤黒い、または黒ずんでいたら傷んでいる可能性があります。いちごが衝撃を受けたり、傷がつくとその傷から細菌が入り込み繁殖すると赤黒く変色します。
ちょっと赤い色が濃くなったかな?という程度でしたら、まだ食べることができますので、その部分を大きく切り取って食べても問題はありませんが、赤黒い部分が大きい、黒ずんでいる場合は食べない方が良いでしょう。
いちごがぶよぶよする
いちごがくさると、実がぶよぶよした感触になります。ただしいちごは非常に繊細なので、ちょっとぶつけただけでもぶよぶよになってしまうことがあります。また、買ったばかりのいちごの一部分がやわらかいというのはよくあることですよね。
ぶよぶよの部分が腐っているかどうかの判断はとても難しいのですが、酸っぱいような臭いがあったり、白く変色していたら注意が必要です。このような状態であれば腐っていますので、口にせずに処分しましょう。
いちごにツヤが無い
新鮮ないちごはきれいな赤色でつやつやしていますが、収穫から時間がたち、傷み始めるとだんだんツヤがなくなります。
また、そのようなときはヘタも乾いており、枯草のようにしなびています。枯れたヘタから水分がどんどん抜けるので、実の部分のツヤもなくなるというわけです。
実のツヤだけでは本当に傷んでいるか分かりにくいので、赤黒い、ぶよぶよしているなど、傷んだ時に出る他の症状がないかを確認して判断しましょう。また購入時にはヘタの状態まで確認するのが、新鮮ないちごを選ぶポイントです。
いちごにカビが生えた
いちごの表面に白くフワフワしたものがついているのはカビです。たとえ一部だけでもカビが生えていたら、食べずに処分しましょう。
カビはいちごの奥まで目に見えない根を張っていますので注意しましょう。また、カビの生えたいちごをパックに入れっぱなにしていると、他のいちごにもカビの胞子が付着して繁殖している可能性があります。
もったいないと思うかもしれませんが、カビの生えたいちごと一緒だったいちごも口にせず処分しましょう。
いちごがカビ臭い
いちごが腐るとカビ臭くなります。また、腐っていることが分かる異臭がしますので、食べずに処分しましょう。
舌がピリピリする
いちごを食べた時に舌がピリピリすることがあります。それは熟したいちごがカビから自分を守るために、二酸化炭素を増やして甘みを感じなくしているからです。
いちごがピリピリする時は腐る合図ですのですぐに食べるか、ピリピリが気になる場合はジャムやシェイクなどを作りましょう。
さまざまないちごの状態をいくつか挙げましたが、いちごが腐るとこのような状態になります。腐ったいちごを食べてしまった場合にすぐに重度の食中毒になるといった事例は少ないようですが、小さな子供や高齢者は注意が必要です。いちごを食べて下痢や腹痛、吐き気がおさまらないときは、病院で診察してもらいましょう。
《 腐ったいちごの見分け方 》
- いちごに赤黒い部分がある。
- いちごがぶよぶよする。
- いちごにツヤが無い。
- いちごにカビが生えた。
- いちごがカビ臭い。
- いちごを食べて舌がピリピリするのはもうすぐ腐るサイン。
いちごを腐らせないための保存方法
いちごは数十個がパックになっていることが多いので、一度に食べきれないこともあります。また近年の物価上昇でいちごの相場も上がっているので、なるべく無駄にせずに消費したいものですね。
ここからは、いちごが腐るのを防ぐ方法をいくつかご紹介します。
パックから出して保存する
買ってきたばかりのいちごは、パックのまま冷蔵庫に入れず他の容器に移しましょう。パックの状態だといちごの下部分に負荷がかかるため、そこから傷んでしまうからです。また容器に移しかえたときは、最も強いヘタ部分を下にして保存するのがいいでしょう。
水気を除去して保存する
いちごは水気が残っているとカビが生えやすくなりますので、洗うのは食べる直前がベストです。食べきれなかったときなど洗ったいちごを保存する場合は、しっかり表面を乾かしてからにしましょう。基本的にしばらく食べない場合は、洗わない状態で保存するのがおすすめです。
ヘタは取らずに保存する
早々と取ってしまいがちないちごのヘタについてですが、ヘタ部分にはビタミンCなどの栄養素がたっぷり詰まっています。取ってしまうとその部分から水分や栄養素が流れ出てしまう可能性がありますので、ヘタごと保存するのをおすすめします。
重ならないように並べる
いちご同士が重なったまま保存すると、腐りやすくなります。重なった部分に余計な刺激が加わってしまうからです。また、傷んだいちごが一つでもあると、重なった部分を通してみるみる菌が繁殖していきます。いちごといちごが触れないよう、適度な距離を取って保存しましょう。
アルミホイルで包む
いちごをアルミホイルで包むと、空気を遮断して細菌から守る効果があるようです。それによって鮮度の持ちが良くなり腐るスピードを抑えることができます。
いちごを一つずつアルミホイルに包む方法と、まとめてアルミホイルに包む方法があります。少々面倒ですがいちごを一つ一つ包む方が保存力が高いのでおすすめです。
用意するもの
- アルミホイル(またはキッチンペーパー)
- いちごを平らに並べられる容器
いちごをまとめてアルミホイルで包む手順
- アルミホイルをいちごを平らに並べる3倍の長さに切り、容器に敷きます。
- いちごの水気を一つずつしっかり拭き取ります。
- いちごのヘタを下に向けて容器のアルミホイルにいちごが重ならないよう平らに並べます。
- 密封容器にいちごのヘタを下にして並べ、冷蔵庫で保存しましょう。
いちごを一つずつアルミホイルで包む手順
- いちごの水気を一つずつしっかり拭き取ります。
- いちごを一つずつアルミホイルに包みます。
- いちごのヘタを下に向けて容器に並べます。
- 冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
注意点
いちごを冷蔵庫に入れる場合は、野菜室に入れるのがおすすめです。野菜室は冷蔵庫内の中でもやや高温に設定されていることから、野菜の保存に適しているのです。ちなみに農林水産省の定義によると、いちごは果物ではなく野菜に分類されます。
いちごを冷蔵庫で保存した場合の賞味期限は夏場は3日程度、冬場は5日程度です。いちごの状態によって賞味期限は変更されますが、いちごは傷みやすいのでできるだけ早く食べましょう。
冷凍保存の方法
いちごは冷凍保存することができます。
用意するもの
- ボウル
- 冷凍保存用タッパー
- 砂糖
- アルミのトレイ(あればでOK)
手順
- 水をはったボウルにいちごを入れ、いちごが傷つかないよう優しく洗いましょう。
- いちごの水気をしっかりふき取ります。
- 冷凍保存用タッパーにいちごを並べます。
- いちごに砂糖をふりかけます。※いちご1パックに対して砂糖大さじ1.5杯
- タッパーの蓋を閉じてアルミトレイの上に乗せて冷凍庫で保存しましょう。
いちごに砂糖をふりかけるのは、いちごは冷凍すると甘みが落ちるのでそれを補うためです。また、砂糖がいちごの周りにつくことでいちご同士がくっつくのを防ぐことができます。
解凍方法
冷凍したいちごは半解凍で食べると冷たいデザートとして美味しく食べることができます。または、半解凍のままヨーグルトやスムージーに入れるのもいいですね。
《 いちごが腐るのを防ぐ保存方法 》
- いちごの水気をしっかり取り、ヘタを取らずにアルミホイルで包む。
- ヘタを下にし、いちごが重ならないよう容器に入れる。
- 冷凍する際は砂糖をまぶす。
いちごの賞味期限
いちごは他の野菜や果物と同じように、賞味期限が記載されていません。ですので、いちごの状態を随一確認しながら、食べられるかどうか自分で判断する必要があります。
いちごが腐るのを少しでも遅らせるために、基本的にはアルミホイルで包むことをおすすめします。ここで紹介する賞味期限は、アルミホイルで包んだ場合の賞味期限です。アルミホイルで包まない場合は、賞味期限が数日短くなります。
アルミホイルで包む方法はこの記事の「いちごが腐るのを防ぐ保存方法」を読んでください。
「常温保存」は1~3日
新鮮ないちごは15℃以下の涼しく風通しの冷暗所で1~2日程度保存することができます。冬なら2~3日程度保存することができます。
「冷蔵保存」は3~5日
いちごを冷蔵庫の野菜室で保存した場合の賞味期限は夏場は3日程度、冬場は5日程度です。
「冷凍保存」は1~2ヵ月
いちごを冷凍庫で保存した場合の賞味期限は約1~2ヵ月です。
あまおうの賞味期限はやや長め
いちごの品種のひとつ「あまおう」は、他の品種と比べて賞味期限がやや長い傾向があります。それは、あまおうはいちごの中でも珍しく「追熟」する品種だからです。追熟とは、保存中に成熟することを見越して、果物を完熟前に収穫することを指します。
収穫のタイミングが他品種よりも早いことから、あまおうだけは傷むのが遅いといえるのです。
腐りかけたいちごの活用法
いちごが腐ると処分することになりますが、傷みそうな場合は、完全に食べられなくなってしまう前に他の調理で活用しましょう。加熱で殺菌されるので、生のままではちゅうちょしてしまうときにもおすすめです。
いちごジャム・いちごのコンポート・いちごマフィン・いちごシェイク・いちごソース・いちごスムージーなど、いちごを使ったレシピはたくさんあります。人気アレンジの中からおすすめのいちごの活用法を紹介するので、ぜひ試してみてください。
いちごのジャム
材料
- いちご :2パック
- 砂糖(グラニュー糖):300g
- レモンの絞り汁:大さじ1
作り方
- いちごを洗い、ヘタを取ってペーパータオルで拭きます。
- 縦半分に切ります。
- ボウルに入れたいちごに、砂糖とレモンの絞り汁をかけます。
- ラップをして一晩おきます。
- 果肉と水分に分け、水分のみ加熱します。
- 煮立ったら果肉を加え、15分煮ます。
- とろみが出てきたら完成です。
砂糖をたっぷり使うことで、長期保存が可能になります。日持ちさせたいときは、傷みにくいジャムがおすすめです。
いちごのコンポート
材料
- いちご :2パック
- 砂糖(グラニュー糖):60g
- レモン汁:小さじ2杯
作り方
- いちごを洗い、ヘタを取って半分にカットします。
- 鍋にいちごとグラニュー糖とレモン汁を入れ、弱火にかけます。
- 水分が出てグツグツと泡がたったら火を止めます。
- 粗熱が取れたら、煮沸消毒した瓶などに入れて冷蔵庫で保管しましょう。
すぐに食べる場合は、ジャムより糖度が低いコンポートがおすすめです。ヨーグルトに入れたり、牛乳をかけて食べると美味しいですよ。
最後に
いちごが入ったお弁当をよく見かけますが、色鮮やかで美味しそうですよね。でもいちごは傷みやすいフルーツですので、暑い時期や湿気が多い時期にいちごをお弁当箱に入れると腐る原因になります。
どうしても持って行きたい場合は保冷剤でいちごの温度が上がらないようにしましょう。また、ヘタをとってよく洗い、水分をしっかり拭き取ってから入れましょう。