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雷ガードは気休め?
雷が直撃しなくとも、パソコンや家電に悪影響を及ぼす雷サージ。そんな雷サージを機器に達する前に吸収することで、機器を守ってくれるのが「雷ガード」です。
ところが、雷ガードは気休めで、雷ガードを使用しても雷の被害を完全に防ぐのは難しく、雷が鳴ったらコンセントを抜くという昔ながらの対策が一番安全だとも言われています。
雷ガードを設置するのは本当に気休めにすぎないのでしょうか?まずは、雷サージによってどのようなトラブルが起こりうるのか知っておきましょう。
雷サージとは
空中で放電される雷が地面や電柱などに落ちると、一時的に異常な過電圧・過電流が発生します。これが「雷サージ」です。
この雷サージが電線や電話線、テレビアンテナ線などの外部とつながっているケーブルを通して過剰な電流が流れ込み、家電機器や通信機器を破損させてしまいます。
パソコン内部にある基盤が焼けたり、ハードディスクが損傷してしまうなど、故障や機器の誤作動につながる恐れがあります。
雷サージは、電柱やアンテナから電線や電話線などを伝って屋内に入り込むパターンと、物や建物に落雷しなくても「大気」から侵入するパターンがありますので、雷が鳴っている間は警戒しなくてはいけません。
落雷から機器を守ってくれる雷ガード
雷サージからパソコンや家電製品、通信機器を守る対策のひとつ、雷ガード付きタップを使うと一部を除いたたいていの落雷から機器を守ることができます。
ただし、正しく接続されていないと高い効果は得られません。そして雷ガードが有効なのは1回きり。一度落雷から機器を守った雷ガードタップは内蔵素子が破壊しているので、新しいタップに交換する必要があります。
雷は夏に発生しやすい
毎年、夏になると雷が発生しやすく、中でも8月が多いとされています。ということは、落雷被害も夏が多くなるため特に注意が必要です。
落雷時には瞬間的に3,000~4,500Vもの高電圧が流れます。雷が直撃していなくても、雷の発生した周辺に大きな電圧が発生するため、パソコンや周辺機器の故障や、最悪の場合は火災が発生することもあるようです。
11〜2月の冬の時期は全国的に雷被害が減少しますが、日頃から雷への対策をしておくに越したことはありません。
落雷の種類
一概に雷と言っても、落ち方によって大きく分けて4つのタイプに分けられます。
直撃雷サージ
いわゆる「落雷」と言われるもので、建物や電柱、アンテナなどに雷が直撃することで侵入する雷サージです。
高い電圧・電流が発生し、最も被害が大きい雷サージなため、家電製品を守ることは非常に困難です。機器を保護しきれない可能性が高く、雷ガードを設置したとしても気休めにしかならないでしょう。
側撃雷サージ
物や人に落雷した電流が、周囲の別の物体に飛び移って再放電する雷サージです。屋外にある物や人が被害に遭うことはあっても、屋内の機器が故障することはないでしょう。
誘導雷サージ
近くに落雷した時の電磁誘導によって高電圧が発生します。電線や電話線などに発生した雷サージが、屋内の機器にモジュラージャックやコンセントなどを伝って入り込んできます。
また落雷しなくても雷雲と大気によって放電された高い電圧も誘導雷サージというようです。機器を故障させる雷サージのほとんどが、この誘導雷サージです。
侵入雷サージ
建物や樹木などに落ちた雷の電流が地面に浸透しきれずに、電線や電話線などを介して建物の中に侵入します。大気を伝って侵入するため屋内の機器が影響を受けてしまいます。
《 ポイント 》
- 雷サージが外部とつながっているケーブルを通して屋内に入り込む。
- 雷ガード付きタップはたいていの落雷から機器を守ることができる。
- 雷ガードはしく接続されていないと高い効果は得られない。
- 落雷には4つのタイプがある。
雷ガードの効果的な使い方
雷サージから機器を安全に守りるための対策や、雷ガードが気休めにならない効果的な使い方として以下の3つがあげられます。
機器の電源を切る
雷が発生したらすぐにパソコンのデータを保存して電源を切ります。電源を切った直後に、電源ケーブルをコンセントから外して、外部とつながっているLANケーブルやTVアンテナケーブル、アース線などを外すとより効果的です。
電源をオフにしてもケーブルがつながっている状態だと雷サージが侵入してしまうため、外からの進入経路を完全に断つようにしましょう。
雷ガードタップを活用する
機器の電源を切ってすべてのケーブルをコンセントから外す防御法は、雷が発生するたびに行うのはかなり難しいですよね。
ましてや速やかに作業しないと意味がありません。その対策として、「雷ガードタップ」を使用すれば気休めでは無く雷サージ対策として効果が期待できます。
普通の電源タップと同じ見た目ですが、雷ガードタップには機器とコンセントとの間に雷サージを減少させる吸収素子の装置が内蔵されています。
機器のプラグを直接コンセントに差し込まず、雷ガードタップを経由させればいいだけなので簡単。これにより、電線と電話線の双方から高電圧が機器に侵入しないように保護してくれるというわけです。
アースを接続しておく
雷サージを減少させる「雷ガード」を使ったとしても、雷サージによる被害を100%防ぎきれないとも言われています。
メーカーによると、「機器が故障する被害に遭うのは、アースを正しく接続していないケースが多い」のだとか。アースを接続しなければいけない機器にも関わらず、アースを取り付けていないことが多く、アースを正しく接続していれば大丈夫だとのこと。
雷サージが直撃した場合、雷ガードをしていても被害を防ぐことはできませんが、万が一に備えて、あらかじめ準備しておくと安心でよね。
《 ポイント 》
- 雷が発生したらすぐに電源を切り、電源ケーブルをコンセントから外す。
- 雷ガードタップを設置して高電圧が機器に侵入しないように保護する。
- アースを正しく接続する。
雷ガードの選び方
「雷ガード」と「高性能雷ガード」
雷ガードタップには「雷ガード」と「高性能雷ガード」の2つの種類があります。
どちらも雷サージ吸収素子を内蔵していますが、それにプラスして雷サージをバイパス回路からアースへ逃してくれるのが「高性能雷ガード」です。雷ガードが気休めになってしまわないよう雷ガードを選びましょう。
「誘導雷サージ」には「雷ガードタップ」がおすすめ
モジュラージャックやコンセントなどを伝って屋内の機器に侵入した雷サージを吸収し、外へ追い出します。
「誘導雷サージ」と「侵入雷サージ」には「高性能雷ガード」がおすすめ
「雷ガード」が「誘導雷サージ」のみ対応するのに対して、「高性能雷ガード」は「誘導雷サージ」と大気を伝って侵入する「侵入雷サージ」の両方を防御してくれます。
雷サージ吸収素子に加え、雷サージをバイパス回路からアースへ逃す方式を採用している高性能雷ガードは、誘導雷はもちろんのこと、大気を伝って侵入する侵入雷の被害も防げます。
作動ランプが搭載されている
雷ガードは一度でも雷サージを受けると、内蔵されている素子が破壊されます。正常に作動されているか一目でわかるように作動ランプがついているものを選ぶと良いでしょう。
サージ電圧を確認する
雷ガードは、商品によって耐えられる電圧が違います。「最大サージ電圧」として記載されているのは、「耐えられる電圧量」のことです。表示されている数字が大きいほど、強い雷サージに耐えられるということになります。
ネットユーザーには「ダブルガードタイプ」
雷ガードにはさまざまな種類があります。電源と電話回線の「ダブルガードタイプ」は、電線と電話線からの雷サージの進入を防いでくれるので、インターネットユーザーにとってありがたい雷ガードですね。
「個別スイッチ付きタイプ」
接続機器の電気をON・OFFできる「個別スイッチ付き雷ガード」などもあり、使用場所や接続機器に合わせて選ぶと重宝します。使用しない差込口はオフにできるので節電にもなるでしょう。
コンセントに直接差し込む「直付けタイプ」と、「延長コードタイプ」の2種類があります。
《 ポイント 》
- 「雷ガード」と「高性能雷ガード」の2種類がある。
- 正常に作動されているか一目でわかる「作動ランプ付き」
- 商品によって耐えられる電圧が違う。
- 電線と電話線からの進入を防ぐ「ダブルガードタイプ」
- ON・OFFできる「個別スイッチ付き雷ガード」
最後に
いかがでしたか。雷ガードは気休めにすぎないのか?そして雷対策に効果的な使い方についてご紹介しました。
雷がゴロゴロなり始めたときに、速やかに機器のスイッチをオフにしてコンセントプラグを外せたら良いのですが、外出中だとどうすることもできません。出先で、パソコンや家電製品が破損していないか心配になってしまいますよね。
雷ガードを使っても被害を完璧に防ぎきれない場合もありますが、普段から可能な限り雷対策をしておきましょう。夏は雷が発生しやすい季節です。天気予報を確認するだけでなく、事前に雷対策をしっかりと行っておきましょう!