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曲げわっぱ弁当箱のカビは落とせる?
曲げわっぱのお弁当箱は、杉やヒノキで作られているので吸水性が高く、ご飯の余分な水分を吸収してくれるので、ご飯がベタつかず、おいしく食べられます。
ですが、曲げわっぱのお弁当箱は水分を吸収しやすいので、カビが生えやすいというデメリットもあります。
曲げわっぱのお弁当箱の表面に少しついた程度の軽いカビであれば、中性洗剤で落とすことができますが、木の内部に入り込んで成長したカビは、ご家庭で落とすことは困難です。
通常、食器などのカビ取りには、「キッチンハイター」などの塩素系漂白剤が使われます。塩素系漂白剤には、カビを殺菌・漂白する効果があります。
曲げわっぱ弁当箱は、杉やヒノキなどの天然素材を使用しているため、塩素系漂白剤などの刺激の強い化学成分を使用すると、カビが抜けても色や塗装がはがれたり、塗装が剥がれたりして曲げわっぱ弁当箱を傷める可能性があります。
また、塗装されている曲げわっぱ弁当箱も、塗装されていないお弁当箱も、漂白剤の臭いが染み付くことがあります。一度染み付いた臭いは、簡単には落とせません。
白木の曲げわっぱ弁当箱のカビ
曲げわっぱ弁当箱は大きく分けて3つの種類があります。
- 白木(無塗装)
- ウレタン塗装
- 漆塗
カビが付きにくいのはウレタン塗装、漆塗の曲げわっぱ弁当箱で、白木(無塗装)の曲げわっぱ弁当箱はカビが発生しやすいです。
白木の曲げわっぱ弁当箱のあちこちにカビが生えていたら、処分することをおすすめします。
カビは根をはって繁殖しますので、木の繊維にも根が張っている可能性があります。カビの根は目に見えませんし、表面を洗ってカビを落とすだけでは完全に取り切れません。
あちこちカビが発生した曲げわっぱ弁当箱はあきらめた方がいいでしょう。
《 ポイント 》
- 曲げわっぱ弁当箱に生えたカビが表面についた程度の軽い物なら中性洗剤を使って落とすことができるが、曲げわっぱ弁当箱の奥まで染み込んだカビを落とすのは難しい。
曲げわっぱ弁当箱のカビ予防法
そもそも、曲げわっぱ弁当箱にカビが生える原因は何なのでしょうか?
それは、曲げわっぱ弁当箱が余分な水分を吸収してしまうからです。曲げわっぱ弁当箱が余分な水分を吸収してくれるので、ご飯がベタつかず美味しく食べられるのですが、吸収した水分やお弁当箱に付着した食べ残しのゴミからカビが生えてしまうことがあるのです。
曲げわっぱ弁当箱のカビを予防する方法をご紹介します。
- 余分な油分や水分を吸い取る
- キッチンペーパーの上に揚げ物などをのせて油をしっかり吸い取る。
おかずの汁や油、ソース、調味料などが曲げわっぱ弁当箱につくと、そこからカビが発生するので、なるべく余分な水分を取り除くようにしましょう。
おかずカップを使う
煮物など汁がでそうなものはおかずカップを使ったり、ホイルを敷くなどして、余分な汁が漏れないようにしましょう。汁が漏れてご飯に染み込むことも防げます。
クッキングシートを使う
洋風なおかずで油やソースを使ったものを入れる際はクッキングシートやワックスシートを敷いて直接木にふれないようにしましょう。
すぐ洗う
曲げわっぱ弁当箱は使った後すぐ洗いましょう。汚れたまま放置していると雑菌が繁殖しカビも生えてきますので、すぐ洗ってしっかり乾かすのが重要ポイントです。
無塗装の曲げわっぱ弁当箱の洗い方
無塗装の曲げわっぱ弁当箱の場合、木が洗剤の成分を吸収してしまうため、洗剤で洗うことはおすすめできません。
まずは、曲げわっぱ弁当箱が入る大きさのボウルにお湯を張り、弁当箱を5~10分ほど浸けます。汚れが浮いてきたら、やわらかいスポンジでこすり落とし、水で洗い流せばOKです。
長時間お湯に浸けたままにしておくと、曲げわっぱのお弁当箱がゆがむことがありますので、注意してください。
ウレタン塗装・塗装曲げわっぱ弁当箱の洗い方
塗装してある曲げわっぱ弁当箱は、食器洗い用の中性洗剤を使ってもOKです。スポンジでやさしくこすり落としましょう。
十分に乾燥させる
曲げわっぱ弁当箱を洗った後は、すぐにふきんかキッチンペーパーで水分を拭き取り、風通しのよい場所で開口部を上にして1日以上保管し、十分に乾かしてください。曲げわっぱ弁当箱を下向きに置いておくと、湿気がたまり、カビや黒ずみの原因になります。
早く乾燥させるコツ
洗い終わった曲げわっぱ弁当箱に40℃~60℃のお湯をかけておくと気化熱で蒸発して乾燥が早くなります。
2つ以上持つ
曲げわっぱお弁当箱は、完全に乾くまで1日以上かかります。完全に乾燥させずに使用するとカビが生えやすいので、毎日同じ曲げわっぱのお弁当箱を使うのではなく、2つ以上用意して1日おきに交互に使用することをおすすめします。
水で濡らしてから詰める
無塗装の曲げわっぱ弁当箱は、乾燥すると水分や油分を強力に吸収し、油分や臭いが木の奥まで浸透してしまいます。
お弁当を詰める前に、曲げわっぱ弁当箱を水でさっと濡らし、キッチンペーパーで水分を拭きとりましょう。あらかじめ木を濡らしておくことで、油やにおいを吸着しにくくする効果があります。
塗装された曲げわっぱ弁当箱の場合、塗膜があるので水で濡らす必要はないのです。
蓋を閉めずに収納する
曲げわっぱ弁当箱を食器棚などに収納する場合、蓋を少しずらして空気が入るようにしましょう。完全に蓋をすると湿気がこもる可能性があります。
《 ポイント 》
- 曲げわっぱ弁当箱がカビない方法として
おかずカップを使う、クッキングシートを使う、すぐ洗う、十分に乾燥させる、早く乾燥させる、2つ以上持つ、水で濡らしてから詰める、蓋を閉めずに収納するなどにきをつける。 - 無塗装の曲げわっぱ弁当箱は洗剤で洗うのはNG、お湯に浸けて汚れを浮かして落とす。
曲げわっぱ弁当箱のカビと黒ずみの違いと見分け方
カビと黒ずみの違い
曲げわっぱ弁当箱についたカビと黒ずみは全くの別物で、カビは有害、黒ずみは無害なのです。
黒ずみの原因は、木材に含まれる「タンニン」という成分と、米のデンプンや野菜などのアルカリ性食品との化学反応によるものです。長年使用すると、黒ずみが出てきますが、体に害はありません。
カビと黒ずみの見分け方
曲げわっぱ弁当箱に黒い部分が点々と広がっている場合は、カビが発生している可能性が高いです。カビが生えた弁当箱を使うと、ご飯やおかずにカビがついてしまいますので注意しましょう。
曲げわっぱ弁当箱の黒ずみの落とし方
曲げわっぱ弁当箱についた黒ずみを落とすには酢を使います。
- 酢水(酢と水が1:1)をボウルにつくり、曲げわっぱ弁当箱を30分ほど浸けます。
- お湯で洗い流し、黒ずみがとれたらOKです。
無塗装の曲げわっぱ弁当箱の黒ずみが取れなかった場合、研磨剤入りの磨き粉や目の細かいサンドペーパーで優しく削り落としましょう。
最後に
曲げわっぱ弁当箱をカビから守るポイントは、「使ったらすぐに洗う」「しっかり乾かす」の2点です。これを守ることで、カビだけでなく劣化も防ぐことができ、愛着のある曲げわっぱ弁当箱を長く使うことができるのです。
曲げわっぱのお弁当箱の寿命は使い方次第ですが、手入れをすれば10年以上使えますので、大切に使ってくださいね。