目次
じゃがいもの冷凍はまずいと感じる理由
野菜を冷凍する技術が発達したおかげで、最近は手軽に冷凍野菜を購入したり、ご家庭で冷凍してストッする機会が増えました。そんな中、「じゃがいもの冷凍はまずい!」と感じたことはありませんか?
「新鮮でホクホクして美味しかったじゃがいもが、冷凍したらパサパサになってまずい」という口コミがありました。ではなぜ冷凍したじゃがいもはまずいのでしょうか?
水分が抜けて細胞壁が壊れてしまうから
じゃがいもを冷凍することによって中の水分が凍り細胞壁が壊れます。そうなったじゃがいもを解凍することによって氷の結晶が溶け、一気に内部の水分だけが流出してしまいます。
その結果、パサパサ、ふにゃふにゃになってじゃがいも本来の風味や食感をそこねてしまうのです。
煮込み料理に使うと解凍後グチャっとした感じになる
例えばカレーや肉じゃがなど、じゃがいもが入っている料理をそのまま冷凍したとしましょう。それを解凍して食べると、驚くほど美味しくなくなって食が進まなくなってしまいます。
これは加熱したじゃがいもでも生のじゃがいもと同じことで、煮込み料理に含まれる水分が凍るとデンプン質を破壊するため、解凍後グチャっとした感じになってしまうというわけです。
《 ポイント 》
- 冷凍すると中の水分が凍り細胞壁が壊れてしまう。
- 解凍後、一気に氷の結晶が溶けて内部の水分だけが流出してしまう。
- じゃがいも入りの煮込み料理は解凍後グチャっとした感じになる。
まずいじゃがいもにならない冷凍方法のポイント
せっかく作った料理なのに、冷凍したじゃがいもがまずいせいで料理の味が落ちるのは本当にがっかりですよね。
では、どうすれば冷凍したじゃがいもの美味しさをキープできるのか、そのポイントを紹介しましょう。コツをつかめばおいしく保存することができますよ。
生のまま冷凍保存する場合
生のまま保存する場合は、小さくカットするか細切りにして水にさらし、キッチンペーパーなどで水気を拭き取ってから冷凍保存します。そうすることで食感をある程度保つことができるでしょう。
加熱してから冷凍保存する場合
加熱したじゃがいもを冷凍保存したい場合は、じゃがいもを茹でてからマッシュポテトにしてみましょう。茹でたじゃがいもをつぶしてから冷凍することで、美味しく保存することができます。
最初からマッシュポテトの状態にしておくと、意外に時間がかかるポテトサラダを作るときにとても重宝しますよ。
冷凍すると変色は進まない
ちなみに、じゃがいもは空気に長く触れていると変色してしまいます。その変色を避ける方法の1つが、冷凍保存です。酢水につける方法や、酸化させないように冷凍することで変色を防止することができるでしょう。
《 ポイント 》
- 生のじゃがいもは小さくカットして水気を拭き取ってから冷凍保存する。
- 茹でたじゃがいもはマッシュポテトにしてから冷凍する。
- 冷凍するとじゃがいもの変色防止にもなる。
じゃがいもの冷凍保存のやり方と保存期間
まずいじゃがいもにならないための冷凍保存方法をご紹介します。
生のじゃがいもを丸ごと冷凍
じゃがいもの皮は栄養素が豊富に含まれているので、皮も一緒に丸ごと冷凍保存してみてはいかがでしょうか。丸ごと冷凍した場合は約4ヶ月保存できます。
〈丸ごと冷凍保存する手順〉
- じゃがいもをきれいに洗って汚れを落とし、ペーパータオルで水気を拭き取る。
- ピーラーの側面についている突起、または包丁の角にあるあごを利用して芽をきれいに取り除く。
- じゃがいもを1つずつラップで包み、冷凍用保存袋へ入れて密閉する。ラップで包むときは水気をしっかりと拭き取り、空気が入らないようにぴったりと包む。
- 冷凍用保存袋に入れたら、比較的温度変化が少なく一定の温度で保存できる冷凍庫の奥の方へ入れる。
生のじゃがいもをカットして冷凍
使い道に応じてあらかじめカットしておくなど冷凍するコツさえつかめば、おいしく保存することができます。使う際にわざわざ解凍する必要がなく、ほかの食材と一緒に加熱調理できるので、時間と手間が大幅に短縮できますよ。
あまり長い期間冷凍保存してしまうと、水分が減り味に影響が出てくるので、約1ヶ月で使い切るのがおすすめです。
〈カットして冷凍保存する手順〉
- 通常通りじがいもの皮をむき、芽をていねいに取り除く。
- 煮込み用、味噌汁用、炒め物用など、調理に使いやすい形にカットする。
- ボウルに入れたたっぷりの水に5分〜10分さらし、アク抜きや変色を防止する。
- 水気をキッチンペーパーでしっかりと拭きとり、保存袋に重ならないように入れて密閉する。
完全に冷ましてから冷凍する
冷凍する前に完全に冷まして熱を取ることで、温度差による水滴やカビの発生を防ぐことができます。
また、熱いまま冷凍庫に入れてしまうと庫内の温度が上昇して、ほかの食材に影響を及ぼしてしまいます。そうならないためにも熱が取れたら使いやすい量を1回分ずつ小分けにしたものをラップで包み、ジッパー付きの冷凍保存袋に入れます。
上手に冷凍するには、ラップや保存袋の空気はできるだけ抜くようにしましょう。そして、急速に冷凍することで旨味をギュッと閉じ込めることができるので、金属製のバットなどに載せて急速冷凍がおすすめです。
じゃがいもをマッシュしてから冷凍する
加熱後につぶしたマッシュポテトなら、食感を損なわず保存できるのでおすすめです。コロッケやポテトサラダなど使い道はたくさんあるので、時間のある時にマッシュポテトを作って冷凍しておくと便利ですよ。
火が通りやすくなるように一口大にカットしたじゃがいもを鍋に入れて茹でるか、電子レンジで加熱します。竹串でスッと通るようになるまで加熱しましょう。
バターや牛乳、マヨネーズで和えてから冷凍する
茹でたじゃがいもが熱いうちにマッシャーでつぶしますが、このときにバターや牛乳を加えたり、マヨネーズで和えてから冷凍すると、解凍後に風味の良いなめらかなおいしさを味わえます。
また、柔らかめに茹でておくと、ポタージュにも使いやすいでしょう。
《 ポイント 》
- 皮も一緒に丸ごと冷凍すると約4か月間保存できる。
- 使い道に合わせてカットをして冷凍したものは約1ヶ月で使い切るようにする。
- 完全に冷まして熱を取ってから冷凍する。
- マッシュポテトにすると食感を損なわず保存できる。
- バターや牛乳、マヨネーズで和えてから冷凍すると使いやすい。
冷凍したじゃがいもの解凍方法
冷凍したじゃがいもをおいしく食べるには、冷凍方法だけでなく解凍の仕方も大切です。まずいじゃがいもにならないための解凍方法をご紹介します。
丸ごとじゃがいもの解凍方法
丸ごと冷凍したじゃがいもを解凍する場合は、自然解凍ではなくラップに包んだまま電子レンジを使うのがおすすめです。
- ラップに包んだ状態のまま電子レンジに入れて解凍キーをセットします。
- 1個あたりおよそ3分、熱したらひっくり返し、更に3分ほど加熱します。
- 丸ごと冷凍したじゃがいもをカットする際は、しっかり解凍してから切るようにしましょう。
カットしたじゃがいもは冷凍のまま使うとよい
生のままカットしたじゃがいもは加熱したときに形が崩れやすいので、こちらも自然解凍は避けて、できれば凍った状態で調理に使うようにしましょう。
冷凍する前に乱切りにしておけば、解凍せずに凍った状態でそのまま使用することができます。カレーやスープ、煮物に最適で、時短にもなりとても便利です。
マッシュしたじゃがいもの解凍方法
マッシュしたじゃがいもは自然解凍でも良いのですが、水分が出るのを防ぐために短時間で解凍する方法をおすすめします。
- 電子レンジの解凍モードを使うか、熱くならない程度に加熱します。
- 事前にマヨネーズと塩コショウで和えてから冷凍しておけば、あと一品欲しい時、あっという間にポテトサラダの出来上がりです。
ちなみに、マッシュしたじゃがいもを凍った状態で即、使えるのがポタージュです。鍋で牛乳を加熱したらコンソメや塩コショウで味をつけ、冷凍のまま鍋の中で溶かせば簡単に仕上がります。
《 ポイント 》
- 自然解凍ではなく電子レンジで加熱するのがおすすめ。
- 自然解凍は避けて、凍った状態で調理に使う。
- 水分が出るのを防ぐためには短時間で解凍する。
- マッシュしたじゃがいもを凍った状態で使えるのがポタージュ。
最後に
いかがでしたか?じゃがいもの冷凍はまずい!と思われていますが、工夫して冷凍すれば美味しく食べられるのですね。
ポイントは、生のまま小さくカットするか、加熱した場合はマッシュポテトのようにつぶしてから冷凍保存するのが美味しさ保つコツでしょう。
解凍する際は、水分が出るのを防ぐために自然解凍は避けて、電子レンジで加熱するか凍ったままの状態で調理に使うようにします。ちなみに、電子レンジを使って短時間で解凍すると、ホクホクなじゃがいもになりますよ。
切り方や保存方法を工夫すればいろいろな料理に活用できますので、栄養価の高いじゃがいもで美味しい料理をたくさん作ってくださいね!