目次
トイレが落ち着くのはパーソナルスペースだから?
トイレに入ると妙に落ち着く感じがするせいか、一人になりたいときや、考え事があって気持ちを整理したい時などに、狭い空間であるトイレにこもるという方は珍しくないようです。
周りから隔離された空間で、長い時間過ごしてしまうこともあるトイレですが、なぜこんなにもトイレは落ち着くのでしょうか?
それは、誰にも邪魔をされない自分だけのパーソナルスペースだからでしょう。
このパーソナルスペースとは、簡単に言うと心理的な縄張りのようなものです。本来私たち人間は、性別によっても異なりますが、一般的には前方2m程度、後ろ方向50cm程度、そして左右には腕を伸ばした距離くらいの空間が必要だとされていますので、この自分だけの縄張りの中に、他の人が入ってくると不快な気持ちになってしまうのです。
つまり、ちょうど手の届くくらいの壁で仕切られているトイレという個室こそが、パーソナルスペースとしてぴったりな空間なので、くつろげて落ち着くのではないでしょうか。
《 ポイント 》
- トイレが落ち着くのは誰にも邪魔されない自分だけの落ち着くパーソナルスペースだから。
トイレが落ち着くと考えられる理由
狭い空間にいる安心感
トイレが落ち着くのは、狭い空間なので、外敵から身を守れる場所という安心感や、自己防衛本能のストレスが薄れることで落ち着くようです。
閉所恐怖症の人以外は、四方が壁で囲まれているというだけで我が身を守りやすい=リラックスできる感覚になるという心理はある意味おもしろいですよね。
リラックスしてから用を足す習慣がある
人は緊張したままだと、なかなか用を足すことができません。つまり、人間は用を足そうと思えば一度身体を弛緩させなければ、こらえていたものを解放するのが難しいようです。
体の力を抜いて一旦落ち着かせ、心も一緒にリラックスさせてから用を足すようになるので、その結果、トイレに入った瞬間ホッとする習慣が身につき、トイレは落ち着く…と思えるのではないでしょうか。
下着やベルトに締め付けられている下半身を解放し、いっとき休ませてあげられる空間でもあるわけです。
誰にも邪魔されない自分だけの世界
トイレとは絶対に一人になれる空間なので、中に入ってしまえば誰の目も届かない完全な自分だけの世界です。
自分の身体の周りに空間が多くあると、恐怖を抱いてしまうのが人間の本能なのですが、その点、背後に誰かが立っていたり、覗かれたりする心配がないという確信が持てるので、落ち着く場所としては完璧な状況です。
誰にも邪魔されないという心理によって、他の場所では感じられない自分だけの世界だと思えることで落ち着く空間を得られるのでしょう。
《 ポイント 》
- トイレは外敵から身を守れる落ち着く場所という安心感。
- トイレは体の力を抜いてリラックスさせてから用を足す習慣が身についている。
- トイレは誰にも邪魔されない自分だけの落ち着く世界だと思える。
トイレの長居には注意点もある
肛門への負担が大きい
トイレに入ると落ち着くからと言って滞在時間が長くなると、いぼ痔になりやすくなります。
トイレに長時間座ることで、脱肛することもありますし、肛門の組織に細菌が入り込み炎症を起こし、痔ろうになるケースも珍しくありません。
リラックスできる空間であったとしても、トイレの滞在時間の長さや、使用頻度の高さが痔を引き起こす原因であることも頭に入れておいてください。
スマホを水没させる危険がある
いつものように用を足している最中に、ポケットからスマホが滑り落ちたり、リラックスしながらスマホを操作している時に手から滑り落ちて、便器の中にポチャンと落としてしまう危険性があります。
トイレにスマホを落としてしまったら、スマホを拾い上げるのに躊躇せず、できるだけ早くスマホを水中から引き上げないと大変なことになってしまいます。
そのような失敗がないように、トイレに行った時はトイレに来た目的だけを果たすようにしましょう
トイレでスマホに感染症の危険
トイレにこもってスマホを使い、メッセージに返信したり、SNSをチェックしたりする人は要注意です。
トイレには、糞便物質による細菌や病原菌、そして腸内細菌などが付着しています。一説によると、トイレを流す時に、糞便と尿の飛沫は、約1.8メートルも多方向に飛び散るとも言われていますので、トイレのドア、水を流すレバーや蛇口、床などかなり汚れているのが現状です。
つまり、飛沫が付着した場所にスマホを置いたり、細菌や糞便物質が付着したままの手でスマホを触ったりすると、ノロウィルス、サルモネラ菌、大腸菌などの感染症の原因になることがあります。
ましてや、家のトイレと違って公共のトイレの中で使用しているスマホには、大量の大腸菌が付着してしまうのは想像つきますよね。
《 ポイント 》
- トイレは滞在時間の長さと頻度の高さが痔を引き起こす原因。
- トイレの便器の中に落としてしまう危険性がある。
- トイレは細菌や糞便物質が付着してしまう。
トイレを落ち着く空間にするためには
常に清潔感を保つ
トイレに白い便器が置かれている家庭が殆んどですが、なぜあえて汚れが目立ちやすい「白」が一般的になっているのでしょうか?
かつて便器の色が多様だった時代もあったのですが、白が好まれるようになったのは、清潔さを求める時代のニーズが理由のようです。
暗くて臭い空間だった昔のトイレから、一目でキレイさが分かる清潔感いっぱいの落ち着く場所として認知されています。窓や換気扇などによってトイレに湿気がたまりにくくなることで快適な空間に保つことができます。
こまめにトイレ掃除をすることで常にトイレを清潔に保つように心がけます。トイレ掃除を怠ると、直ぐに臭いやカビを発生させてしまいます。
落ち着いたトーンに統一する
トイレの壁紙の色を工夫したり、統一感のあるインテリアを置くことで、トイレの空間がきれいにまとまります。
一人になって心安らぐ貴重な時間を過ごす為には、余計なものは出来るだけ置かずに、ホテルのようなトイレをイメージして、シンプルで落ち着く空間にしましょう。
また、間接照明の柔らかなあかりによる落ち着く静かな雰囲気のトイレは、リラックス効果抜群です。
収納スペースを確保する。
トイレに合わせた収納スペースを設けて、トイレ用品をきれいに収納できると使いやすくなります。
普段ストックしてあるトイレ用品の量を考えて、どれくらいの収納スペースが必要かを考えてみましょう。きちんと収納できるスペースを確保することで、清潔感や統一感のある快適な落ち着く、トイレになるでしょう。
香りで癒される
癒しの空間作りには、よい香りも重要なポイントです。癒しの空間に清潔感のある香りを漂わせておくためには、アロマを焚いたりチャームやアロマポットの芳香剤を置いたりしてみてはいかがでしょう。
アロマ配合のハンドウォッシュを常備しておけば、最後までトイレ中が落ち着く素敵な香りで満たされます。
植物で癒される
花や観葉植物には人を癒すパワーがあるのはもうご存知ですよね?
フレッシュな花や緑豊かな観葉植物はもちろんのこと、お気に入りの花をドライフラワーにして長く飾っておくのもいいですね。
本物の花のような美しさのアーティフィシャルフラワーなら、枯れる心配がないので、手入れをする必要がありません。
暖房器具を設置する。
居心地のいいトイレにするには、トイレの室温も重要です。冬場の冷えきったトイレの室温を快適な温度に保つために、ヒーターなどで寒さ対策をするのもおすすめです。
《 ポイント 》
- トイレは一目でキレイさが分かる清潔感を保つ。
- トイレは統一感のあるインテリアで落ち着いた雰囲気に。
- トイレに合わせた収納スペースを設ける。
- トイレは香りと植物で癒し効果を。
トイレに関するQ&A
A.風水では「水のある場所には水神様が宿る」と言われています。また、玄関が気の入口で、トイレが邪気の出口と考えられていて、玄関からよい気を入れるだけではなく、家の中の汚れた邪気をトイレから外に出すことも重要なことです。
そしてトイレの壁が白一色なら、パステルカラーや花、気持ちのよい風景の絵や写真を、フレームに入れて飾ってみましょう。これらは風水における「陽」の性質で「陰」が強く働きすぎる白一色の空間に飾ることで、バランスをとるのがコツです。
その一方で、トイレは「不浄な場」との風水での定義がありますので、トイレのスリッパは、清浄な居住空間と不浄なトイレを切り替える効果があるので、必要不可欠なアイテムです。
置いてもいいのはトイレマット、スリッパ、手洗い後に拭くタオル、消臭剤、盛り塩などですが、まずは何より掃除と換気をこまめに行って、清潔を第一に考えるようにしてくださいね。
A.トイレに家族の写真を飾ると真がトイレ内の厄を吸収して、家族にダメージが出ると言われています。
それと同じ理由から、カレンダーにも厄がつくので、厄のついたカレンダーでスケジュールを立てると予定変更が多くなったりとトラブルの原因になってしまうようです。
また、トイレットペーパーのパックをそのままトイレ内に置くことは避けます。ストックとしてトイレに置くは、必要最小限の1~2個にして、残りは他の場所に保管しておきましょう。
《 ポイント 》
- 玄関が気の入口でトイレが邪気の出口。
- トイレは「陽」の性質のものを飾り「陰」とのバランスをとる。
- トイレに置いてもいいのはトイレマット、スリッパ、タオル、消臭剤、盛り塩など。
- トイレに置かない方がよいものは家族写真、カレンダー、大量のストック。
最後に
トイレが落ち着く理由と、長居しすぎには注意点もあるということがおわかりいただけましたか?
あるアンケートによると、トイレでスマホを使っている人は4〜5人に1人という結果が出たそうです。今の時代、「どこでもスマホ」の習慣はトイレにも及んできているようですね。
パーソナルスペースとして安心して利用しやすいトイレですが、居心地がよく落ち着く反面、長居しすぎることで問題点も発生します。
持ち込んだスマホを便器の中に落とす危険性や、手についたにさまざまな菌が付着したりする他、健康面では痔になってしまうなど、いくつかの注意すべきことがあることがわかりました。
特に感染症が流行している昨今、感染者が使用する可能性もある公衆トイレに長居したり、スマホを持ち込むことは避けたほうが賢明でしょう。
これらの記事を参照しつつ、清潔で快適なトイレの使い方や落ち着く理由を考えてみてはいかがでしょうか。