目次
革靴にできたシワはどうすればいい?
革靴を履いているうちに自然とできてしまうシワ。綺麗に長く履き続けるためには、シワと上手くお付き合いしていかなければなりません。
シワが目立ってしまうと「履き方が悪かったのか」とか「直さないといけないのではないか」と不安になってしまいがちです。そんなときでも、正しい知識を持っておけば安心して履き続けられます。
まずは革靴にできるシワについて理解し、シワとお付き合いしていくための基本的な考え方や対処方法を紹介していきます。
歩けば当然シワができる
革靴にシワができるのはごく普通のことで、歩いていくうちに自然とシワができてしまいます。
このシワのことを「履きグセ」などともいいますが、これは靴の特性や歩く時の足の動きによって必ずできるものです。足の甲にできるシワは、足の屈折で寄っていってしまいます。
屈折を一切させずに履き続ければシワはできなくなるかもしれませんが、そんな歩き方は不自然ですし、体への負担も大きくなってしまいます。「革靴にシワはできるもの」と覚えておきましょう。
一度できたシワはプロでも消せない
革靴のシワを目立たなくしたり薄くしたりする方法はいくつかありますが、完全に消し去って元通りにすることはプロの靴修理屋でも不可能です。なので、シワができてしまったらそれ以降はシワとお付き合いをしながら履き続けることになります。
頑固に深く入りすぎてしまったシワが原因で履くのが難しくなってしまったら、買い換える時期が来たと思っていさぎよく諦めましょう。
シワができる=悪い革靴ではない
革靴にもランクがあることから、シワができてしまう靴を質の悪い靴と考える人もいます。ですが、それは間違った認識です。革靴のシワは、靴の構造と人間の足の構造との関係で、歩けばどうしてもできてしまうものです。
靴の良し悪しや、上質な革かどうかはシワができる原因とは関係ありません。元の形状に戻ろうとする力が働くような特殊な革で作ったりといった、技術的な方法である程度シワの発生を抑える革靴もありますが、天然革で作った靴の場合、シワはどうやってもつきます。
シワを放置するとどうなる?
革靴のシワを放置するのは避けましょう。靴の寿命を縮めたり、足にダメージを与えてしまったりする可能性がありますし、何より見た目もみすぼらしくなってしまいます。
シワを放置しすぎてしまうとどういった弊害があるのか、具体例を3つ紹介します。
見た目が悪い
革靴のシワは綺麗に手入れをしていくことで、シワがひとつのデザインのような効果をもたらすこともあります。
ですが、放置しただけのシワは見た目を悪くするだけです。手入れを怠ったシワはより深く目立つものになっていくので、早い段階で対処をすることが大切です。
見た目の印象が大切な営業職などでは革靴の綺麗さもチェックがあるように、明らかに手入れされていない靴のシワは、大人のマナー的にはよろしくありません。
型崩れが起きる
シワは本来の靴の形から異なった形状に変化した状態が続き、クセができてしまっている姿です。これを放置してより深刻になってしまうと、型崩れの原因になってしまいます。
ヨレヨレになった革靴は、見た目が悪いのはもちろんですが、履き心地も悪く靴ずれなどの原因にもなります。
型崩れが起きてしまうまで深刻化した革靴は、プロの修理屋でも簡単には直せません。買い換えの必要がでてきますので、長持ちさせるにはシワの放置は厳禁です。
歩く時に指が痛くなる
革靴のシワはできたばかりなら少し見た目に変化がある程度ですが、放置したまま履き続けて大きく深くなってくると、足にダメージを与えます。歩く度に靴の内側に入り込んだ革が足にあたって、痛みをもたらす原因になります。
一種の靴ずれとも言えますが、サイズ違いの靴であればともかく、シワの放置で足を痛めるのは自業自得です。履き続けるだけでリスクを伴うことになるので、日々のお手入れを心がけましょう。
革靴にできるシワの予防法
革靴にできるシワは、靴を履く前の準備や履いた後に欠かさずお手入れをすることである程度予防できます。
革靴を大事に長持ちさせるという意味でも大切なことですが、仕事で革靴が必要な人の場合は、自分の仕事道具をメンテナンスできるかどうかは自身の能力に直結します。
革靴にシワができるのは自然なことですが、日常的に革靴を履くのであればシワの予防策は必ず知っておきましょう。
靴をローテーションする
革靴のシワは履き続ければ自然にできてしまうもので、長時間履けばその分だけシワも深くなってしまいます。
これは靴の質や歩き方とは関係なく、革靴全てに共通するものです。物理的に「履く時間を短くする」というのは、最も単純ですが効果の高い予防方法です。
毎日仕事で履き続けるような場合には、3足以上革靴を用意してローテーションすることで、シワの発生を予防できるでしょう。
汚れやホコリはすぐに落とす
革靴の革はとてもデリケートなものです。汚れやホコリ、水濡れといった外部からの影響を受けてしまい革の状態は変化してしまいます
。履き終わったら丁寧にクリーニングするのはもちろん、汚れてしまったらすぐに処置ができるかどうかでも大きな違いがあります。
常に革靴の汚れに対処できる準備をしておくことと、革靴に適していない場所ではなるべく履かないようにすると、長持ちさせやすくなるでしょう。
シューキーパーを使う
革靴を大切に履き続けたいならば、シューキーパーはマストアイテムです。
シューキーパーはその名の通り靴を守ったり維持したりするために作られたもので、革靴を履きこなすための基本アイテムです。シューキーパーに入れておくことで、シワをある程度修正したり、靴の形状を元通りに近づけてシワの予防にもなります。
革靴が複数足ある場合には、その数の分だけ揃えておきましょう。この記事でもおすすめのシューキーパーを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
革靴にできたシワを目立たくする方法
革靴にシワができてしまっても、すぐに諦めて新しく買い替える必要はありません。シワを完全に取り除くことはプロでも不可能です。それでも、ある程度目立たないようにすることなら、自宅で行える対策もあります。
上手く隠しながら履き続けていくことで、使い込まれた革製品独特の味わいもでてきます。シワとのお付き合いが上手くなれば、革靴を一人前に履けるようになるということです。
クリームを馴染ませる
自宅で簡単にできる革靴のメンテナンスで最もポピュラーなのは、革靴用クリームを使うことです。革靴のクリームの成分は製品によって違いがありますが、どれも目的はほぼ同じで「靴の保湿」です。
革靴の革は乾燥してくると柔軟性が失われシワができやすくなり、最終的にはシワの部分からひび割れが発生してしまいます。クリームを塗って保湿すればシワの予防にもなりますし、軽度なシワなら目立ちにくくなります。
スチームアイロンでシワを伸ばす
スチームアイロンを使うことで、革靴のシワをある程度伸ばせます。ただしシワが深い場合には限度があり、完全にシワを直せるわけではありません。
見た目にもすぐに効果が出る方法ですが、長い目で見ると革へのダメージは無視できません。どうしてもすぐに直したい場合の奥の手と考えましょう。
ストレッチャーを使う
ストレッチャーを使って革靴のシワを目立たなくする方法もあります。ストレッチャーを取り付けたら丸1日ほどそのままにしておくことで、シワが物理的に伸ばされます。
力をかけすぎると逆に型崩れの原因となってしまいます。スチームアイロンと同じく、これも常用していると革に負担がかかることには注意しましょう。
お手入れの頻度は月1回を目安に
靴の手入れは日頃から行うシューキーパーを入れることを基本にして、ローテーションをして靴への負担を減らすことが重要です。これに加えて月に1度は靴をしっかりとメンテナンスするための時間を設けるようにしましょう。
クリームを塗ったり普段ではできないような靴磨きなどでしっかり手入れをすることで、綺麗に履き続けられる期間がぐっと長くなるでしょう。どれだけ手入れをしたかで革靴の寿命は変わってきます。
シューキーパーおすすめ3選
革靴のシワ予防や長持ちさせるためのメンテナンスとして最も基本的な道具であるシューキーパーですが、ハイヒール用やブーツ用などもあるため、初心者では選びにくいという声もあります。
質を考えなければ100円ショップでも購入可能ですが、しっかりとしたものを使いたいという人におすすめできるシューキーパーを3つ紹介します。
靴のサイズとタイプに合ったものを選ばないと効果が薄いので、よく確認してから購入しましょう。
Wellnice シューキーパー
Wellniceは日本だけでなく世界的にもポピュラーなシューキーパーメーカーです。こちらの商品は最もスタンダードなシューキーパーになります。
金具のおかげで靴に入れるのが簡単で、可動パーツもあり微調整も簡単にできます。天然のレッドシダーを無塗装で使っているため、防臭や芳香、防虫・殺菌に加えて抗菌や吸湿効果も備わっています。
機能性と質の両面から、迷ったらこれと考えるといいでしょう。
シューキーパー シューツリー SRIWATANA
SRIWATANAの高品質なシューキーパーは、1つずつハンドメイドで作成されています。消臭や防虫などの効果が高いレッドシダーを均一な木目で作り上げ、かかとには牛革の革紐がついているため、贈答品としても人気が高いです。
シンプルな見た目ですが、かかとが60度し、つま先も2cm可動するのでどんな靴でも扱いやすい商品です。パイプのスプリングと合わせてしっかりと靴の形状を保持してくれます。
コロニル アロマティックシダーシュートゥリー
Collonil(コロニル)は欧州各国を中心に世界で100カ国以上に愛用者がいる、1909年創業のドイツの老舗革製品ブランドです。ドイツ国内で開発・生産されていて、「人間だけではなく地球環境すべてに優しいこと」をコンセプトに作られています。
高品質なアロマティックシーダーによる高い機能性と、シンプルにまとめ上げられて熟成されたデザインは、使いやすく世界各地で高評価を得ています。「アロマティック」という商品名のとおり、とても良い香りで好評です。
プレゼントにおすすめ!一度は履きたい高級革靴ブランド3選
革靴はおしゃれアイテムとしても重要な位置づけと考える人が多く、ブランド選びは仕事やプライベートでも大事になってきます。世界的に人気と評価の高い革靴ブランドと、その魅力について詳しく紹介します。
男性なら一度は履きたいと願う高級ブランドですので、大切な人へのプレゼントにもおすすめです。
リーガル メンズ ビジネスシューズ 811R AL
革靴のブランドとして日本で最も有名で人気があるものと言えば、リーガルを外すことはできないでしょう。
日本初の製靴会社である伊勢勝造靴場とアメリカのブランド、リーガル・シュー・カンパニーが共同で設立したブランドで、日本革靴の歴史の主役を担ってきた存在です。
伝統に裏付けされたブランド力もあって常に第一線に立ち続けていますが、2万円台のロープライスシリーズがあることから、手が出しやすいところ魅力です。
スコッチグレイン SCOTCH GRAIN
スコッチグレインは昭和39年に東京で創業した革靴メーカーで、品質にこだわり抜く姿勢を続けてきたことで高い信頼を得ているブランドです。こだわり抜かれたデザインと機能性は、履き心地が抜群で値段以上の質があるとも言われるほどです。
ブランド品としての品格は維持しながら、一足3万円台前半という価格はコストパフォーマンスの面で群を抜いていると言われます。価格と品質のバランスを重視する人に特におすすめです。
サントーニ MGMS 16931
サントーニは1977年にイタリアのマルケ州で創業したばかりの新興勢力で、老舗の多い革靴メーカーの中ではかなり若い部類に入ります。
しかし、イタリアらしい高いデザイン性とブランドアピールセンスで、またたく間に人気が広がっている注目株の1つでもあります。
品質では老舗と肩を並べるほどのこだわりを持っているため、靴そのものの道具としての質はバッチリです。新しいもの好きな人におすすめのブランドです。
シワを伸ばしてピンとした革靴を履こう
革靴のシワはシューキーパーやクリームで予防できますが、革靴とシワは切っても切れない関係にあります。できてしまったシワはしっかりと伸ばしてあげることが大事です。
しっかりとお手入れをすることで、シワができてしまっても目立ちにくくできますし、そういった積み重ねで革靴も長く履き続けられます。靴選びと一緒にお手入れ用の用具も買い揃えて賢く革靴を履きこなしましょう。