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子供の頃のワクワク感が大人になると薄れるのはなぜ?
子供の頃、遠足の前日に楽しみで眠れなかった経験はありませんか?大人になると、そうした胸が高鳴る感覚が減っていくのは珍しいことではありません。その背景には、心理的、脳科学的、社会的な理由があります。
ここでは、その理由を分かりやすく解説していきます。
毎日の生活が決まりきったパターンになるから
大人になると仕事や家事、育児などやるべきことが増え、毎日が同じことの繰り返しになります。
そのため、子供の頃に味わっていた新鮮な刺激や発見が少なくなります。人間は、同じことを繰り返すと刺激に慣れ、ワクワク感が自然と薄れてしまうのです。
経験が増えて「新しいこと」が少なくなるから
ワクワク感は「初めての体験」と強く結びついています。子供の頃はあらゆることが新しく、見るものすべてが新鮮で驚きや喜びに満ちていました。
しかし大人になると、ほとんどの物事について経験が増え、「こうなるだろう」と予測できることが多くなります。その結果、経験が豊富になるほど、新しい驚きや発見が減り、ワクワクする機会も少なくなってしまいます。
責任や役割が増えて「自分のため」の時間が減るから
大人は、仕事の締め切りや家族の世話など、やるべきことに追われがちです。たとえ楽しそうなことが目の前にあっても、「仕事が気になる」「家のことをやらないと」といった現実的な考えが頭をよぎり、ワクワクする気持ちを十分に味わえなくなります。
自分自身が心から楽しむための時間が減ることも、ワクワクが減る大きな理由です。
大人になると「リスク」を考えるようになるから
子供の頃は、純粋に楽しそうなことに飛びつき、失敗や危険について深く考えることはありません。しかし大人になると、次のようなリスクを考えるようになります。
- ケガや事故のリスク
- お金がかかるリスク
- 周囲の目が気になるリスク
こうしたリスクを避けようとすると、自然と新しい挑戦をためらうようになり、ワクワク感も抑えられてしまいます。
脳内で「ワクワク」を生む物質が減ってしまうから
脳の中で「ドーパミン」という物質が分泌されると、私たちは楽しさや興奮を感じます。しかし、このドーパミンの分泌量は一般的に20代をピークに徐々に減っていくとされています。
そのため、同じことをしていても子供や若い頃ほどのワクワク感を感じにくくなってしまいます。
大人でもワクワク感を取り戻すための方法
ここまで、大人になるとワクワクしなくなる理由を紹介してきました。しかし、大人だからこそ工夫次第で再びワクワク感を味わうことができます。
ここでは、誰でも今日から試せる方法を具体的に紹介します。
日常に「小さな冒険」を取り入れる
ワクワクを感じるためには、新鮮な刺激が必要です。普段の生活の中で、小さな変化を作り出しましょう。
- いつもと違う道を通って帰る
- 食べたことのない料理に挑戦する
- 普段読まないジャンルの本を読む
- 行ったことがない店に入ってみる
こうした小さな変化は、脳に新鮮な刺激を与え、自然と心がワクワクするようになります。
感情を言葉に出してみる
自分の感情を意識的に言葉に出してみると、感情がはっきりと認識されやすくなります。「嬉しい」「ワクワクしてきた」といった気持ちを口にすることで、自分の感情に敏感になり、喜びをより強く感じられるようになります。
「やらなければいけないこと」から「やってみたいこと」に視点を変える
大人になると、どうしても義務的な行動が多くなります。しかし、義務ではなく好奇心から行動すると、心が再び躍動します。結果や効率ばかり考えず、純粋に「楽しそう」「やってみたい」と感じたことを意識的に選ぶようにしてみましょう。
睡眠と運動を見直して、体調を整える
ワクワク感は体調と深く結びついています。睡眠不足や運動不足が続くと、前向きな感情が湧きにくくなります。次のようなことを心がけると効果的です。
- 就寝と起床の時間を一定にする
- 寝る前のスマホやパソコンの使用を控える
- 短時間でもウォーキングやストレッチを取り入れる
健康な体はポジティブな感情を生み出す土台になります。
新しい趣味や活動に挑戦してみる
大人になってから新しい趣味を始めるのは少し勇気がいりますが、それこそがワクワク感を引き出します。子供の頃に好きだったことや以前から気になっていたことに挑戦してみましょう。
- 楽器の演奏を始める
- 絵を描いてみる
- 外国語を勉強する
- 簡単なDIYに挑戦する
新しい趣味は刺激と達成感をもたらし、日常に彩りを添えてくれます。
ワクワク感を維持するために習慣化したいこと
一時的にワクワク感を取り戻せても、継続することは簡単ではありません。そこで、ワクワク感を維持するために、日々の習慣に取り入れたいポイントを紹介します。
「ちょっと難しい」目標を持つ
人は簡単すぎることには飽きやすく、難しすぎることには疲れてしまいます。そこで、現在の自分の能力より少しだけ上の目標を設定してみましょう。たとえば、
- 2週間後までに1曲ピアノを弾けるようになる
- 1ヶ月後までに外国語で簡単な自己紹介ができるようになる
など、程よい緊張感がワクワク感を持続させてくれます。
感動や気づきを毎日メモする
毎日、小さな気づきや感動を日記やメモに書き留める習慣を作ると、日常の中に埋もれがちなポジティブな体験を意識できるようになります。次のような内容を短く書き留めるのがおすすめです。
- 今日できたこと
- 気づいたこと
- 嬉しかったこと
これを続けることで、自分自身の成長や変化を実感でき、ワクワクが途切れにくくなります。
人とのつながりを積極的に作る
新しい人との出会いは、新たな価値観や刺激をもたらしてくれます。趣味のサークルや地域のイベントなど、自分が気軽に参加できる場に定期的に顔を出してみましょう。そこで出会った人たちとの交流が、日常に活力を与えてくれます。
まとめ
大人になるとワクワク感が減るのは、自然なことです。しかしそれは決して「失った」わけではなく、大人としての感性や価値観が変わっただけです。
子供の頃とは異なる形であっても、自分なりのワクワクを意識的に探し、育てることができます。大切なのは、自分自身が「何に心が動くのか」を日々丁寧に見つめること。ワクワクする気持ちは、今からでも十分に取り戻せます。