荒川が氾濫するとどうなる?『日本一危険な川』とも言われる理由とは

皆さんは埼玉〜東京を流れる『荒川』が日本一危険な川と言われていることをご存知ですか。なぜ荒川が日本一危険な川に該当するのでしょう。今回は荒川が「日本一危険な川」と言われる理由や氾濫リスクについて解説します。

「日本一危険な川」と言われている『荒川』

台風や大雨によって、日本で最も危険な状況を生み出す危険性の高い川をご存知でしょうか。それは、埼玉から東京にかけて流れる『荒川』です。

特に江戸川区や江東区など下流域には、生活している人口が非常に多く、もしも氾濫してしまえば首都が水没するとも言われるほど危険性を孕んでいます。

荒川近辺に住んでいる人は、その危険性をもちろん熟知しておく必要があります。しかし、この近辺に住んでいない人でも、荒川が氾濫することで首都にインフラが集中している日本では、さまざまな被害が全国的に広がると危惧されているのです。

荒川が『日本一危険な川』と言われる理由

では、なぜ荒川が「日本一危険な川」と言われているのでしょうか。荒川が直面している問題点や危険性を確認していきましょう。

江戸〜明治にかけて氾濫による洪水被害が頻発していた

まずは過去の歴史から振り返っていきましょう。現在の荒川は、実は人口的に作られた川だと言うことをご存知ですか。

荒川は、元々江戸〜明治にかけて幾度も反乱を頻発していたため、「荒ぶる川」と言う意味で『荒川』と名付けられました。

しかし、明治43年に甚大な被害をもたらした大水害に遭ったため、放水路を作る大工事を開始、昭和5年に現在の荒川が完成されました。

荒川の下流沿いに人口密集地・東京が位置しているため

元々大氾濫を起こして周辺の住民を困らせていた荒川ですが、近年、未曾有の大雨被害や台風の影響により、以前にも増して荒川が氾濫するリスクが高まっています。

そんな荒川が「日本一危険な川」と言われる大きな理由の1つが、下流域に人口が密集していることです。

荒川の下流沿いは、東京の江戸川区や江東区、葛飾区、墨田区、足立区、北区、板橋区、そして埼玉県の川口市と戸田市が含まれます。多くの人々が生活している人口密集地帯のため、もしも氾濫してしまうと被害に遭う人口が非常に多くなると危惧されているのです。

水害によって亡くなる人、大怪我を負う人は多く、さらに住居も流されたり倒壊してしまう可能性もあるため、甚大な被害が想定されるという理由から「日本一危険な川」と言われています。

台風の影響で東京湾の高潮と満潮時が重なる可能性

近年、台風や大雨の影響が甚大な被害をもたらしています。台風の威力が増していることや、降水量が著しく増えていることなどが原因です。

この影響を考えて、荒川がつながっている東京湾の高潮と満潮時が重なってしまった場合を想定すると、より荒川の水位が上昇し、氾濫のリスクが高まると考えられています。

すべての川は海に行き着きますが、荒川の場合は東京湾までの距離が非常に短く、より氾濫のリスクが高いため、危険だと指摘されているのです。

もしも荒川が氾濫したらどのくらいの被害が出るの?

もしも荒川が氾濫した場合、具体的にどのような被害が想定されているのでしょうか。

  • 周辺の自治体で浸水の深さが最大で10m
  • 死者想定数は4000人超え
  • インフラなどの都市機能が壊滅
  • 場所によっては災害時から1ヶ月以上水が引かない可能性

いかがでしょう。この4つの想定される具体的な被害を確認しただけでも、周辺地域はもちろん、インフラなどの影響が全国的に広がる恐れが懸念されます。

荒川付近に住んでいる人はどのような事前対策を準備するべき?

荒川付近に住んでいる人は、今すぐ引っ越すという選択を取れない人も多いでしょう。もしも荒川が氾濫してしまった時に迅速な対応が取れるよう、事前準備が大切です。

  • 氾濫した際の避難所を確認しておく
  • 普段から防災グッズをリュックなどにまとめておく
  • 家族との連絡先や集まる避難場所を共有しておく
  • 岩淵水門が閉まったら洪水の危険が迫っていると把握しておく
  • 「川の防災情報」ホームページで水位を確認する

必ず荒川が氾濫した際に安全に過ごせる避難所を確認しておきましょう。場合によっては、最も近い避難場所でなく、県を跨いだ場所にある避難所も想定してください。

また、日頃から防災グッズを準備しておいたり、家族と情報を共有しておくことも重要です。また、大雨や台風の際は、川の防水情報ページを逐一チェックし、水位が危険レベルまで達していないか確認も怠らないようにしましょう。

荒川は氾濫リスクが高い危険な川…災害時のリスクに備えて

荒川は何年も前から氾濫リスクが高く、もしも氾濫した場合は首都が水没し機能しなくなるとも言われています。今から災害時のリスクに備えて、事前にできる準備はすべて取り組んでおきましょう。

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