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切り干し大根は茶色に変色しても大丈夫!
〈茶色に変色する切干大根は甘さの証拠!〉
糖分を多く含む切干大根は、時間の経過とともに、切干大根に含まれている糖分とアミノ酸が化 学反応をおこすため、茶色に変色します。この化学反応を「メイラード反応」といいます。
切り干し大根が茶色くなるメイラード反応は、その切り干し大根に甘さがある証拠です。
切り干し大根が茶色く変色することと合わせて、切り干し大根のにおいが強くなるのも、メイラード反応によるものです。この反応で甘さが増し、熟成するそうです。
ちなみに、玉ねぎをじっくり炒めていくと、あめ色になり、甘みがどんどん増してきますが、この現象もまた、メイラード反応によるものです。
《 ポイント 》
- 切り干し大根が茶色く変色するのは甘みがあるから。
- 切り干し大根が茶色く変色するのはメイラード反応。
切り干し大根が茶色に変色したときの対処法
茶色くなった切り干し大根は、水で戻す前にもみ洗いすると色やにおいが薄くなります。
ですが、この茶色くなった切り干し大根には、甘みや旨味成分が凝縮されていますので、しっかり洗ってしまうと、これらの成分が流れてしまいますのでおすすめしません。
どうしても、色やにおいが気になるようでしたら、煮物やおみそ汁など、しっかりした味付けのお料理に使うと、旨味が染みてお料理が美味しくなります。
また、切り干し大根を戻した際の漬け汁にも、切干大根の甘みや旨みが詰まっていますので、捨てずにお料理に使いましょう。
茶色く変色した切り干し大根を美味しく食べられる、切り干し大根のサラダをご紹介します。
【茶色く変色したから美味しい!切り干し大根のサラダ】
〈材料〉
- 切干大根 :1袋
- きゅうり :1本
- ツナ缶 :1缶
- 塩 :ひとつまみ程度
- 黒コショウ:少量
- マヨネーズ:適量
〈作り方〉
- 切り干し大根は流水で洗い、3分間水にさらす。
- きゅうりを千切りにする。
- 「①」の切り干し大根を固く絞って水気を切り、長すぎる場合はカットする。
- ボウルに「②」と「③」、ツナ缶を汁ごとすべて入れて、塩ひとつまみ、黒コショウを適量入れて木べらなどで、材料を合わせるように混ぜる。
- マヨネーズをお好みの適量を加えてよく混ぜ合わせる。
- 器に盛り付けて、お好みで白ごまをふって完成。
切り干し大根を茶色く変色させない保存方法
切り干し大根が茶色く変色するのは、熟成が進みメイラード反応のため、甘みや旨味が増した結果なので、腐ったりしているわけではないことが分かりました。
ですが、お料理の種類によっては、色やにおいは抑えたい場合もあるかと思います。
特に色どりの良いサラダ系のメニューでは、なるべく変色のない、においも強くない切り干し大根の方が合うこともありますので、こちらでは切り干し大根を茶色く変色させない保存方法についてご紹介いたします。
切り干し大根は、食物繊維やカリウム、カルシウムが大変豊富で、便秘予防にも効果的だと言われています。賞味期限が比較的長い食品ですので、家に常備しておくととても便利です。
切り干し大根が茶色に変色するのは温度と湿度が関係している?
切り干し大根が茶色に変色するメイラード反応は、温度や湿度が高いほど起こりやすくなるそうです。切り干し大根を保存している場所の温度が10℃以下であれば、このメイラード反応は起こりにくくなるそうです。
切り干し大根は、常温で保管している場合、梅雨時や夏季になると室内の温度や湿度が高くなるため、メイラード反応がおこりやすくまた進みやすくなります。
切干し大根は、梅雨時や夏季、室温が10℃を超える季節にはメイラード反応を抑えるために、冷蔵庫の野菜室に入れて保存するのがお勧めです。
開封した切り干し大根を冷蔵保存する
使い切れなかった切り干し大根は、開封したら冷蔵室で保存するようにしてください。ジップ付きの密閉保存用の袋に入れたら、しっかりと空気を抜いてから封をしっかり閉めて冷蔵庫に入れます。
このようにしっかり空気を抜いて密封して冷蔵庫で保存すれば、開封前と同じ賞味期限まで、日持ちさせることができるようです。
切り干し大根を冷凍保存する
切り干し大根は、水で戻すのに20分程度かかるので、水で戻した状態で冷凍しておくと便利です。
切り干し大根を水で戻したら、しっかりと水気を絞ってからラップで小分けに包み、冷凍用のジップ付き保存袋にいれて空気を抜いて冷凍庫で保存します。
金属トレイなやアルミホイルに乗せて冷凍庫に入れると急速冷凍できて、より美味しさをキープ出来るので、おすすめです。冷凍保存した切り干し大根の賞味期限は、1ヶ月程度になります。
なお、切り干し大根の戻し汁や絞り汁は、旨味が豊富に含まれています。捨てるのはもったいないので、お味噌汁やお料理の出汁として、その日に使ってしまうようにしましょう。
切り干し大根の賞味期限
切り干し大根は、乾物の食品になりますが、賞味期限はどれくらいになるのでしょうか。こちらでは賞味期限について調べてみました。
市販の切り干し大根の賞味期限はどれくらい?
開封前の切り干し大根の賞味期限は、一般的に6ヶ月〜1年になるようです。切り干し大根などの乾物は、水分がほとんど含まれていないので、常温での長期保存が可能です。
ただし、梅雨や夏季は、湿気や高温を避けるために、冷暗所や冷蔵庫での保存が良いでしょう。商品によって、賞味期限が異なるようですので、パッケージの賞味期限表示を確認しましょう。
手作りの切り干し大根、賞味期限はどれくらい?
手作りの切り干し大根は、どれだけしっかりと十分に乾燥させられるかと、保存方法によって賞味期限が異なってきます。
切り干し大根は乾物ですのでその特性上、湿気を吸収しやすく、梅雨の頃は一気に品質が落ちますので、切り干し大根を作るなら乾燥する秋~冬に作るのがおすすめです。
カラカラに乾いた切り干し大根は、小分けにしてラップで密封するように包んだ後、必ず保存用のジップ付きの袋に入れて、空気をしっかり抜いてから冷蔵庫か冷凍庫に入れて保存します。
しっかりと十分に乾燥させた(ここが重要です!)1週間程度、晴れた日に外で天日干しをして、カラカラに乾いた手作り切り干し大根であれば、このようにして小分けにしてから保存用のジップ付きの袋に入れて冷蔵庫で保管すれば、4ヶ月~半年保存が可能になりますし、冷凍庫で冷凍保存にした場合は、1年程度の保存が可能になるそうです。
腐った切り干し大根の見分け方
茶色く変色した切り干し大根は、メイラード反応によるもので劣化ではありませんが、こちらでは、腐ってしまった切り干し大根はどのように見分けたら良いのかご紹介いたします。
調理前の腐った切り干し大根の状態
切り干し大根が腐ったかどうか、食べることができるのかの判断基準は「色」と「臭い」です。
- 全体的に『濃い』黒に変色している
- 黒い斑点が出てきている
- 赤、オレンジ色に変色している
切り干し大根に、上記のような特徴が見られたらカビているのでご注意ください。
調理済みの腐った切り干し大根はどうなるの?
- 鼻をつくような異臭がする (アンモニア臭など)
- 味が変わっている。酸っぱくなっている
- 糸を引く
- カビが生えている
調理済みの切り干し大根は、保存容器に入れて冷蔵保存し2日以内に食べきるか、小分けにして冷凍用のジップ付きの袋に入れて空気を抜き封を閉めたら、アルミホイルに包んで冷凍保存しましょう。
冷凍保存した調理済みの切り干し大根は、風味が落ちる前、1週間以内には消費するようにしましょう。
最後に
切り干し大根は、和風料理、中華料理、サラダにと、どのようなスタイルのお料理にも合います。汎用性がとても高く、保存もしやすい便利な乾物の食品ですので、是非、ご家庭で常備していただければと思います。