梅酢の保存方法!NGな保存容器や賞味期限、活用法まで解説

梅酢を保存

梅干しの副産物である梅酢の保存方法について紹介します。古くから日本の重要な調味料としてご家庭に常備してあった梅酢ですが、長期保存するために最も大切なことは、適正な保存容器を選んできちんと消毒してから使うことです。梅干しの塩分濃度によっては賞味期限も違ってきますので、保存方法から梅酢の活用法まで順を追って解説します。

梅酢の保存で用意するもの

保存容器

金属製以外の蓋の付いた容器

梅酢を保存する際の最も重要なことは、食品用の蓋つき保存容器で、金属製以外のものを使うことです。

定番はガラス瓶

梅酢を保存する際は一般的には、ガラス瓶の保存容器を使う事が多いようですが、その理由は熱湯消毒やアルコール消毒がしやすいということがあげられます。

また、ガラス瓶は遮熱性が高く、発酵しにくいので、失敗が少なく、多くの人にとって扱いやすいアイテムでもあるようです。

ただし、容器が瓶でも蓋が金属製のものだと錆びるので気を付けなければいけません。初心者の方には、スーパーなどで見かける赤い蓋の梅酢や梅酒専用のガラス製保存瓶をおすすめします。

陶器やペットボトルはOK?

保存容器が食品用で密閉タイプのものであれば、陶器やペットボトルでも使用することが出来ます。ただし、乾燥や雑菌の侵入などを防ぐために、確実に密閉出来るものにしてください。

保存期間中に中身に変化が無いかどうかを、時々確認することも必要なので、口が広くて中を確認出来る見やすい容器を選ぶこともポイントです。

梅酢を保存する際にペットボトルを使う場合は、一見酸で変質したりしないか心配になりますが、何年にも渡って保存しない限りは使用しても問題ないでしょう。

保存容器の煮沸消毒の仕方

先に述べたどの容器を使うとしても、梅酢を上手に保存するためには、「洗浄」「消毒」「乾燥」の三つを確実に行ってください。

長期保存をしている過程で、雑菌やカビが繁殖しないために行う消毒方法には「煮沸消毒」と「アルコール消毒」の2種類があります。

煮沸消毒

ガラス瓶や陶器製の保存容器の場合には、煮沸消毒がよいでしょう。ガラスが割れてしまう危険があるので、沸騰した熱湯の中に保存容器をいきなり入れるのは避けます。

保存容器がすっぽり入るサイズの鍋に、水と保存容器を入れてから火にかけ沸騰 させ、そのまま15分程度過熱し続けます。あとは鍋から出してしっかり乾燥させてください。

アルコール消毒

より手軽にできるのは「アルコール消毒」です。保存容器が入る大きさの鍋が無い場合や、プラスチック、ペットボトルの場合には、キッチンペーパーなどに、度数が35度以上のお酒を浸して、保存瓶の内側を隅々まで丁寧に拭きます。

《 ポイント 》

  • 梅酢の保存は食品用の蓋つき保存容器で、金属製以外のものを使う。
  • 梅酢の保存で消毒しやすく失敗しにくいのは、ガラス瓶の保存容器。
  • 梅酢の保存は食品用で密閉タイプであれば、陶器製やペットボトルでも使うことができる。
  • 梅酢の保存をする際は「洗浄」「消毒」「乾燥」の三つの工程を確実に行う。

梅酢の保存方法

コーヒーフィルター等を使って梅酢を漉す(こす)

梅酢を保存する前に、まずは梅酢を漉してきれいな状態にしましょう。一見透明に見えても、梅酢の中には梅の繊維や赤紫蘇の葉のかけらが入っているので、梅酢をコーヒーフィルターやキッチンペーパー、さらしなどで濾して沈殿物を取り除きます。

特に紫蘇の葉を使った場合には、紫蘇の葉っぱのかけらが残っていると色が悪くなるので濾したほうが無難なようです。

塩分濃度により常温保存できないこともある

梅酢は常温保存できるものですが、梅干しの塩分濃度によっては冷蔵庫に入れた方がいい場合もあります。

干しを作る時の塩分濃度が15%以上なら、日光が当たらない常温の場所で保存できますが、15%以下の梅干しからできた梅酢は、冷蔵庫に入れて保存した方が安全です。

細菌のほとんどは、塩分濃度が10%以上になると繁殖できなくなり、25%だとほぼ死滅しますので15%を目安に「冷蔵庫に入れるか」それとも「常温に置くか」を判断してくださいね。

《 ポイント 》

  • 梅酢を保存する前に、梅酢を漉して沈殿物を取り除く。
  • 梅酢を保存する際は、15%を目安に冷蔵庫に入れるか常温に置くかを判断する。

梅酢の保存期間

梅酢の保存期間は、正しい消毒と塩分濃度でおおよそ決まるので、塩分濃度が高ければ何年でも保存できるでしょう。

塩分濃度が20%前後で余計なものが混入していない梅酢であれば、長期間の保存が可能ですが、減塩やハチミツなどを加えた梅酢なら、冷蔵保存でも半年から1年以内に消費するようにしなければいけません。

通常の梅酢でカビや発酵が無い状態の良いものであれば、5~6年保存できる事が多いのですが、自家製だと賞味期限を正確に把握することができません。なので、定期的に、梅酢が濁っていないか、臭いや味が変わっていないかをチェックして、異常があるかどうかを確認する必要があります。

特に塩分濃度が15%以下の梅酢は変質しやすいですので、出来るだけ早く消費するように心がけましょう。

《 ポイント 》

  • 梅酢の保存期間は、正しい消毒と塩分濃度で決まる。
  • 梅酢は状態の良いものであれば、5~6年保存可能。
  • 梅酢に減塩やハチミツなどを加えたものは冷蔵保存でも半年から1年以内。

保存した梅酢の使い方

紅しょうが

梅酢でうがい

梅酢を保存してできるだけ自然なものを使いたいと考えているご家庭では、梅酢の高い殺菌効果を活かして、10倍程度に薄めた梅酢をうがいに使ってみましょう。

誤って飲み込んだとしても害がないので、小さなお子さんや妊婦さんも安心して使えます。

喉に梅酢スプレー

梅酢を薄めた液を入れたスプレーを作って持ち歩くと、外出先でも使うことができます。風邪をひかないように気をつけたい時や、喉がイガイガするときなどに試してみて下さい。

水で薄めた梅酢は傷みやすくなっていますので、数日で使い切るように小さめの容器に入れて、できるだけ早く使い切ってください。

まな板の消毒

まな板に魚や肉などのニオイがついてしまったときにも梅酢が活躍します。まな板に原液の梅酢をかけ、しばらく置いてから熱湯で洗い流すとニオイも取れ、スッキリします。

ただし、木製のまな板に赤梅酢を使うと、まな板が染まってしまう可能性がありますので注意しましょう。

水垢の掃除

梅酢に含まれるクエン酸は、水垢をきれいにする作用があります。シンクの気になる部分にキッチンペーパーを敷き、そこに梅酢を垂らして数時間放置してからこすると、汚れをきれいに取り除けます。

おにぎりの手水

おにぎりを握るときの手水に梅酢を使うと、殺菌効果でおにぎりが傷みにくくなるうえに、同時に塩分もつきます。紫蘇の葉を入れた赤梅酢なら、かすかにシソの香りもついて食欲をそそります。

活用レシピ

梅酢でらっきょう漬け

下処理したらっきょうが浸かるくらいの梅酢を注いで、10日ほど冷暗所に置きます。

梅酢ごはん

といだお米に梅酢と水を入れて通常の水加減にします。20分ほど浸水させてから炊き上げ、お好みで白ごまやしらす、赤シソなどを混ぜ込んでみてはいかがでしょうか?普通に炊いたご飯に、酢飯のように混ぜても爽やかでおいしいです。

玉ねぎの梅酢漬け

生の玉ねぎをスライスしてから梅酢に10分ほど漬けておくと、甘みが増して辛味がほとんどなくなります。梅酢が多すぎると、しょっぱさや酸っぱさが強くなりすぎるので注意してください。

お寿司のすし酢に加える

いなり寿司やちらし寿司を作る時に加えるすし酢に、適量の梅酢を追加します。いなり寿司は油揚げが甘いので梅酢を多少多めでもいいですが、ちらし寿司はしょっぱくなり過ぎないように調節しましょう。

パスタの隠し味

きのこパスタやツナパスタ、そしてパスタサラダなどに少量を加えると、酸味が加わって味が引き締まります。

梅酢でスポーツドリンク

水1Lに対して梅酢を大さじ1杯程度混ぜると、ちょうどよいスポーツドリンクになります

梅酢のドレッシング

作り方はとても簡単です。梅酢1:醤油1:オリーブオイル2の割合で容器に入れてよく混ぜ合わせるだけの簡単さ。玉ねぎサラダ、大根サラダ、豆腐サラダなどの和風サラダとの相性はバッチリです。

赤梅酢で紅生姜

下処理した新生姜を、梅干しと赤紫蘇を一緒に漬け込んだ赤梅酢で1日ほど漬けこめば、紅生姜が完成します。

赤梅酢で柴漬け

小さめに切ったきゅうり、なす、大根などを好みの量の赤梅酢で揉み込むだけのスピーディーさは、即席の一品になります。

《 ポイント 》

  • 梅酢はうがい、まな板の消毒、水垢の掃除などに活用できる。
  • 梅酢は、らっきょう漬け、梅酢ごはん、玉ねぎの梅酢漬け、すし酢、パスタの隠し味、スポーツドリンク、ドレッシング、紅生姜、柴漬けなどの料理に活用できる。

梅酢の効能

梅酢を保存

梅酢の保存方法や賞味期限や活用方法以外に梅酢の効果と効能を説明します。

防腐・食中毒予防効果

作った梅干しから自然と浸み出てくる梅酢には、梅のエキスがたっぷりと含まれています。

一般的な梅酢には約20%の塩分、約4%のクエン酸などが含まれていますので、強力な殺菌効果があり、食べ物が傷むのを防いだり、食中毒予防に効果的です

高血圧抑制効果

梅肉エキスには血液の流れを改善する効果があると報告されていますので、梅酢でも血液の流れが改善され、高血圧が抑制されるのではと考えられています。

抗肥満効果

「梅酢ダイエット」を試している方も多いようですが、梅酢に含まれるポリフェノールには、体重、皮下脂肪、内臓脂肪、体脂肪率などの増加を抑制する効果があると報告されています。一方で、梅酢には多くの塩分も含まれるため、摂りすぎにはくれぐれも注意してください。

抗ウイルス効果

梅酢から抽出したポリフェノールには、ウイルスの増殖抑制や消毒効果があることが報告されています。

抗炎症・生活習慣病予防効果

体の中で慢性炎症が起こると、生活習慣病を悪化させてしまいますが、梅酢に含まれているポリフェノールが強い抗炎症作用を発揮すると期待されています。

抗酸化効果

リオニレシノールと言われる梅リグナンには抗酸化作用があり、活性酸素による老化やDNAの突然変異を抑制し、がんの発生などを防ぐ効果が期待できると言われています。

《 ポイント 》

  • 梅のエキスがたっぷりと滲み出した梅酢には、梅干しと同じような健康効果が期待できる。

最後に

梅と塩

梅酢の保存方法や賞味期限、活用法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

梅酢は、梅干しを作った時に徐々に滲み出してくるエキスのことで、梅干しの副産物!です。本来梅が持っている様々な効果がぎゅっと詰まった梅酢は、体に良いのはもちろんのこと、調味料としていろんな料理に使うことができる便利な一品です。

料理の味加減を指す「塩梅」は、塩と梅酢を合わせることで、ちょうどよい味加減になるという言葉が語源であるように、梅酢が古くから重要な調味料だったことが、おわかりいただけたでしょう。

だからこそ、保存する時には、適正な容器を選び、しっかりと消毒してから塩分濃度に応じて保存する場所を判断して、大事に保存して下さいね。

健康維持のためにも、効果万能な梅酢をご家庭に常備してみてはいかがでしょうか?

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る