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シリコン素材に色移りする原因
シリコンは耐久性に優れ、柔らかくて丈夫で、使い勝手がいいのが特徴です。
スマホケースにお弁当のカップにお菓子の焼き型など、さまざまなものに使われています。ですが、使用していると思わぬ問題がでてきます。それは、シリコンについてしまった色移りです。
なぜ、シリコンには色移りがおきてしまうのでしょうか。まずはその原因を解説します。
汚れを吸着させやすい素材である
原因の1つ目は「汚れを吸着させやすい素材」であるからです。
シリコンの素材は『シリコンゴム』で、主な原料は石油です。油分が含まれたシリコン素材は滑りにくく、独特な手触りです。ただ、その手触りが原因でホコリや皮脂がつきやすくなってしまいます。
また、シリコン素材は使用していると、『加水分解』という化学変化を起こしてしまいます。加水分解は、シリコンに含まれる物質が水分に反応しておこるため、防ぐことができません。
色が濃いものとの接触
2つ目の原因は「色が濃いものとの接触」したことによるものです。これもシリコンが原因で石油由来のシリコンはホコリなどを吸着しやすい素材だからです。
よくある事例として、スマホケースをデニムのポケットに入れていたら、デニムの濃い色がスマホケースに色移りしてしまったということがあります。
また、汗や湿気にも反応することでシリコン素材は化学反応をおこしてしまい、溶け出してしまうため汚れの原因となってしまいます。
シリコンの色移りを漂白剤で落とす方法
シリコンは汚れやすい、色移りしやすい素材です。では、シリコンについてしまった汚れや色移りは落とせるのでしょうか?
結論から言うと、落とせます。
一番簡単な方法としては、シリコンの色移りには漂白剤が有効です。ただし、使う漂白剤には注意が必要です。
塩素系漂白剤の場合は色柄ものに使用すると色落ちに原因になってしまいます。正しい漂白剤を使った汚れの落とし方を解説します。
酸素系漂白剤につけて3日ほど紫外線に当てる
酸素系漂白剤を使った落とし方は、まず、洗面器や桶、酸素系漂白剤、ぬるま湯か水を用意してください。熱すぎるとお湯だと変形してしまう可能性があるので注意が必要です。
洗面器に水と漂白剤を1:1の割合で入れ、割り箸などでよくかき混ぜます。その中にシリコンを入れて、つけ置きします。紫外線に当てて、約1週間ほど様子をみましょう。
ポイントはよく太陽が当たる場所に置くことです。最後に取り出し、よく水洗いし、自然乾燥させます。
漂白剤をつけた綿棒で汚れを浮かせる
少しの汚れなら、綿棒と漂白剤で落とせます。「一部分だけ色移りがしてしまった」「漂白剤で変色したらどうしよう」などの場合には、綿棒を使って落としていきます。
落とし方は漂白剤を含ませた綿棒で、汚れた部分をトントンするだけです。変色が気になるようであれば、目立たないところで試していきましょう。
根気よく、トントンしていけば汚れが浮いてくるので、そのまま洗い流します。布等で拭いてしまうと繊維がつくのでやめましょう。
その他のシリコンへの色移りの簡単な落とし方4つ
シリコンの色移りや汚れには漂白剤を使う以外にも落とす方法があります。
ここからは漂白剤を使わない、汚れや色移りの落とし方を4つ紹介します。「漂白剤では色落ちが心配」や「シリコンの劣化が心配」という方は、次の4つの落とし方を参考にしてください。
革製品専用の消しゴムを使った落とし方
最初に紹介するのは「革製品専用の消しゴム」を使った落とし方です。普通の消しゴムではなく、革製品専用の消しゴムを使います。
方法はいたってシンプルで、濃い色移りの部分や広範囲の色移りが目立つ場合に消しゴムで落としていきます。力を入れず、そっと優しくこすりましょう。力を込めてしまうと素材が傷んでしまうので、優しく擦ってください。
石鹸を使った落とし方
次に紹介するのは「石鹸」を使った落とし方です。薄い色移りであれば石鹸で落とすことができます。
用意するものは石鹸と歯ブラシと水です。落とし方は、歯ブラシに石鹸をつけてシリコンに水をつけながら、優しく擦ります。ある程度、色移りが落ちたら水で洗い流します。色移りが落ちるまでこの工程を繰り返します。
ただし、力を入れすぎるとシリコンに傷をつけてしまうこともあるので気をつけてください。
歯みがき粉を使った落とし方
次に紹介するのは「歯磨き粉」を使った落とし方です。歯磨きの研磨剤で色移りを落としていきます。
用意するものは歯磨き粉(※ジェルタイプは研磨剤が入っていない場合があるので注意)、綿棒or歯ブラシ、ティッシュorコットンです。
歯磨き粉を歯ブラシに少量つけて、色移りした部分を優しく擦ります。ゴシゴシ擦ると傷がつく場合があるので要注意です。汚れが落ちたらティッシュで汚れを拭き取ればOKです。
中性洗剤を使った落とし方
最後に紹介するのは「中性洗剤」を使った落とし方です。色移りが軽い場合なら、中性洗剤できれいに落とすことができます。
用意するものは、中性洗剤とスポンジor歯ブラシ、水です。食器を洗うようにスポンジや歯ブラシに中性洗剤を馴染ませ、シリコンを優しく擦ります。
後は水で丁寧に洗い流し、自然乾燥させます。これで軽い色移りなら落とせますが、落ちない場合は他の方法を試してください。
シリコンの色移りの防止法4つ
色移りを落とす方法を紹介しましたが、できるなら色移りしない方法をとっておくことで、色移りを落とす手間が省けるのではないでしょうか。
そこで、ここからはシリコンに色移りさせない予防法を4つ紹介します。
あくまで予防策で絶対色移りしない、というわけではありませんが、少なくとも色移りを最小限にとどめる対策にはなるので、ぜひ試してください。
色物と強い接触を避ける
防止策の1つ目は「色物と強い接触を避ける」ことです。
例えば、スマホケースでは色の濃いデニムのポケットに入れていたことで、デニムの色が移ってしまったということがよくあります。対策方法としては、デニムなどの色の濃いものを着用するときは、ポケットに入れないようにすることです。
また色移りしないようなポーチや小物入れに入れておくようにするだけでも、色移りを防ぐことができます。
早めにアルコールで拭き取る
防止策の2つ目は「アルコールで拭き取る」ことです。
もし、色移りしてしまったならば、すぐにアルコールで拭き取ればある程度はきれいにできます。ただし、何日も放置していた色移りはアルコールでは落ちません。あくまでも当日中の色移りに対して有効です。
アルコールであれば、ウェットタイプでもスプレータイプでも大丈夫です。スプレータイプなら直接吹きかけず、ティッシュなどに吹きかけてから使ってください。
防水スプレーをかけておく
防止策の3つ目は「防水スプレー」をかけておくことです。
防水スプレーには「撥水効果」があります。薄い膜ができるようなものです。防水スプレーをしておけば、色移りを防ぐことができます。防水スプレーは靴用の防水スプレーでも代用可能です。
ただし、防水スプレーの効果はそれほど長持ちしません。防水スプレーを利用するときは、換気のいい場所で、週に1回を目安としてかけるといいでしょう。
色移りへの防止法4:黄ばみに気をつける
防止策の4つ目は「黄ばみ」に気をつけておくことです。シリコン素材の黄ばみの原因は素材自体の『劣化』と太陽の紫外線による『化学反応』です。残念ながらこれらを防ぐ方法はありません。特に劣化の場合は手の施しようがありません。どうしても気になる場合は買い替えをおすすめします。
化学反応の場合は、この記事でも消化した漂白剤を使った落とし方が有効なので、一度試してみてください。
シリコンの色移りを落とそう!
シリコン素材は正しい対処法を知っていれば、色移りも汚れも落とせます。普段から気をつけておくだけで、色移りを事前に防ぐことができます。
柔らかくて丈夫で使い勝手のいいシリコンは、今後も私たちの生活に欠かせないものです。環境にあわせて上手にシリコンを利用していきましょう。