目次
和室のNG作法3つ
1.敷居を踏んではいけない
敷居はもともと、家の中央にあり精神的にも一家の象徴ともいえる大黒柱とつながっていると言われていました。このことから、敷居を踏むことは主を踏みつけることを連想させるためNGとされているそうです。
また、敷居は部屋の中と外の境目で「結界」とも考えられていることから、結界を重んじて踏んではいけないという考えもあるようです。あとは、建物の構造上、敷居を踏むと家の建付けがゆがむ原因になるという理由もあります。
2.畳のヘリを踏んではいけない
昔の畳みのヘリには金糸や銀糸で織られた豪華なものや家紋を入れる風習がありました。このことから畳のへりを踏むことは、布地が傷んだり、家紋を踏むことになるためNGとされているという伝えがあります。
また、理にかなっている理由としては、豪華な糸で織られたヘリは畳と段差があるためつまずきやすくなっています。幼い子供たちがヘリにつまずき転ばないためにも、躾としてへりを踏まないよう注意するようになったと言われています。
3.座布団を踏んではいけない
敷居と畳のヘリと同じく、座布団も大切なものとされています。昔は高貴な人が座るためのものであり、現代の和室には座布団が用意されていますが、招待した側のおもてなしの象徴です。
そのおもてなしの心を踏みにじることが無いよう、座るときであっても決して踏みつけてはいけません。正しいマナーは、いったん横に正座をして、膝から座布団に上がるのが正しい座り方です。
『畳』でやってはいけないNG行為4つ
1.畳にカーペット・絨毯を敷かないほうがいい
カビやダニの原因となる
畳を汚したくないという理由や洋室風に和室を使いたい理由などで、畳にカーペット・絨毯を敷くことがあるかもしれません。しかし、畳の上にカーペットなどを敷くことはカビやダニの原因となってしまいます。カビもダニも湿度を好みます。
畳の上にカーペットを敷くと通気性が悪くなり湿度が上がります。特に梅雨の時期は高温多湿になりより気を付けたほうが良いでしょう。できるだけ部屋の換気を行うことをお勧めします。ダニはホコリや髪の毛やフケ、食べ物のカスなどを餌にして一気に繁殖を拡大していきます。
湿度が高い畳と併せて使うことで、さらに繁殖します。ダニの繁殖が増えたりカビの発生は、アレルギー症状を引き起こす原因となるので注意してください。
滑って危ない
畳みには目があるため、目に沿って足を滑らせると上に置いてあるカーペットも滑りやすくなります。走り回る子供や足腰の弱いお年寄りには、転倒したりする危険性があります。
滑り止め付きのカーペットは滑りにくくする点においては有効ですが、滑り止めに使われているゴム製と畳はより通気性が悪くなります。滑り止めの効果は得られても、カビやダニの原因となってしまいます。
どうしても畳にカーペット・絨毯を敷きたい場合は、防カビ防ダニシートを活用するのが良いでしょう。そして定期的にカーペットなどを外し空気を通し掃除をすることを忘れないようにしてください。
2.水拭きは水分がしみ込むためNG
畳みは水分がしみ込みやすいため雑巾がけする時、ぬれ雑巾を使うのはNGです。水拭きをしてしまうと、水分が畳にしみ込み、ダニやカビが好む環境になりやすくなります。掃除機などでホコリを吸い取った後は乾拭きをするようにしましょう。
3.お掃除ロボットはNG
畳は目があるため、掃除機をかけるときは目に沿った方向でゆっくり優しくかけるのが正しいやり方です。目に沿わずに掃除機をかけると、畳やヘリが傷ついてしまいます。そのため、四方八方に動くお掃除ロボットなどは畳の掃除には不向きです。
4.黒ずみの原因になる重曹は使わない
重曹は家庭の掃除でよく使われるナチュラルの掃除アイテムとしても人気です。しかし、畳の掃除に使ってしまうとい草と反応して黒ずみの原因となることがあります。
また、汚れが気になり洗剤を使ったり、強くこすってしまいがちですが、この行為も畳がいたむ原因となります。もし飲み物をこぼしてしまった場合は、乾いた布で水分を吸収します。その後、乾拭きでしっかりとふき取ります。
さいごに
畳には作法もお手入れ方法もフローリングとは違う点がいくつもあります。昔のように和室のある住居も減ってきています。そのため、畳のお手入れの方法などもあまり身近でなく、絨毯を敷かないほうが良い理由や水拭きがNGな理由など知らないことも多いかもしれません。
また、作法についても訪問先などで間違った行為をしないよう最低限のマナーは覚えておくと良いでしょう。