目次
ムクゲ(木槿)の花言葉と由来
ムクゲの花言葉は
- 尊敬
- 信念
- 説得
- 慈しみ
- 美しい花
- 繊細な美
- デリケートな愛
ムクゲの古い学名は「Althaea frutex」で低木のタチアオイという意味です。現在の学名は「Hibiscus syriacus」でシリアから来たアオイ科の植物です。
ムクゲの花言葉の由来
「信念」「尊敬」「説得」の由来
タチアオイは、十字軍よってシリアから運ばれてきました。十字軍は12世紀にカトリック教会の聖地のエルサレムをイスラム教諸国から奪還するために送られた軍隊です。この十字軍に由来してつけられた花言葉が「信念」「尊敬」「説得」です。
また、タチアオイは「聖なる花」「聖地の葵」という異名もあります。
「新しい美」の由来
ムクゲの花は夏から秋にかけて次々と新しい花が咲き続けることにちなんでつけられました。
「繊細な美」「デリケートな愛」の由来
ムクゲの花は朝に咲いて夕方にはしぼんでしまう一日花です。また短命であることからつけられました。
「慈しみ」の由来
ムクゲの花は短命ですが、新たな花が次から次へと誕生する姿が母の愛にイメージされつけられました。
ムクゲの花の特徴
ムクゲは夏の花
ムクゲは夏の暑い時季に涼やかな花をたくさん咲かせ続けるアオイ科の落葉低木です。
早朝に花が開いて夕方にしぼんでしまうという一日花なので、個々の花は短命ですが、新たな花が次々と咲き続けます。非常に強い植物なので刈り込みにも耐えるので道路脇にある街路樹としても利用されることがあります。
見た目はハイビスカスに似ているため南国を思わせてくれる花ですが、耐寒性も非常に強いので北海道でも地植えにすることができるほどです。
ムクゲは「冬の椿、夏の木槿」と言われる代表的な夏の茶花です。次から次へと咲くため夏の時季の間、庭や茶室を彩ってくれます。
ムクゲのことわざ
ことわざの中に「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」や「槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)」といったムクゲ(槿花)を冠したものがありますが、これはムクゲの花が朝咲いて夜にはしぼんでしまうことを栄華のはかなさに掛けて表現した言葉になります。
ムクゲは韓国の国花?
また、ムクゲは韓国の国花とされていると紹介しているサイトもありますが、国花に指定された経緯などの正確な資料は残っていないようです。
しかし、昔からムクゲは朝鮮列島全域で咲いていたため、長きに渡り韓国の人々に愛されてきた花ということは間違いありません。国を象徴する花と捉えて国歌、国章にも入れられてます。
韓国ではホテルのランクを示すときに星ではなくムクゲが使われているそうです。
「ムクゲ」と「ハイビスカス」の違い
ムクゲはハイビスカスと同じフヨウ属に分類花の形が似ているだけではなく、開花する時期も同じ時期になるので間違えてしまうことが良くあります。特徴として違う点は花の中心にある柱頭で見分けましょう。
ムクゲは、柱頭の下におしべが付き、めしべの先がまっすぐになっています。ハイビスカスは、おしべが柱頭の先端に付き、花の中心部がピンクや赤になっています。
学名 | Hibiscus syriacus |
科属名 | アオイ科フヨウ属 |
英名 | Rose of sharon |
原産地 | 中国、東南アジア、インド |
開花期 | 6~10月 |
花の色 | 白、赤、ピンク、紫、複色 |
≪ポイント≫
- ムクゲは夏の花。寒い地域でも育つ強い植物。
- ムクゲは短命な花。「栄華のはかなさ」を表すことわざにも使われている。
- ムクゲは韓国でも愛される花。
- ハイビスカスと似ているが「柱頭」の違いで見分ける事が出来る
ムクゲの種類
ムクゲは江戸時代から園芸用の品種が作られているので、花の種類が多く名前の付けられていない品種も多くあります。花色は桃色、藤色、白色など多彩です。
花の形によって
- 一重咲き
- 半八重咲き
- 八重咲き
と大きく3つに分けられます。
一重咲き
一重咲きの中でも花びらの長さや幅から、
- 細弁
- 中弁
- 広弁
の3種に分けられています。
白い花を咲かせる「大徳寺白」や、白い花の中心が赤い「日の丸」が代表的な品種となります。日の丸は、茶人の千宗旦が茶花として非常に愛したことから宗旦ムクゲとも呼ばれています。
半八重咲き
内側になる花びらの大きさと、外側になる花びらの枚数によって、
- 祇園守
- 花笠
- バラ咲き
と分別されています。淡い桃色が美しい「鳥取花笠」がよく栽培されています。
八重咲き
花びらの付き方の違いによって
- 乱れ咲き
- 菊咲き
- ポンポン咲き
の3つに分かれます。
菊のように咲く「ビコロル」や、「ピンクデライト」など、花びらは品種ごとに個性があります。
≪ポイント≫
- 一重咲きの品種・・・「大徳寺白」「日の丸」
- 半八重咲きの品種・・・「鳥取花笠」
- 八重咲きの品種・・・「ビコロル」「ピンクデライト」
ムクゲの花に関するQ&A
A.「consumed by love」(恋のとりこ)と「persuasion」(信念、信仰)です。
A.2月22日、3月22日、8月26日、9月11日となります。
A.ムクゲは6月の終わり頃から10月くらいまで花を咲かせます。
ムクゲの花を育ててみよう
ムクゲは強い植物なので初心者向けの花木になります。場所に気をつかわずに植えられるので庭の寂しい部分を埋めるように植えても育てることができます。
種まき
ムクゲは開花後、実が割れたら種を採取する時期になります。そのまま蒔いても良いですが、砂の中に種を混ぜ冷蔵庫で保管して、翌年の春に蒔くと良いとされています。
小粒の赤玉土に種が重ならないように蒔いて覆土し、水枯れを起こさないように注意してください。本葉が5枚ほど展開したら間引いて良い苗のみを育て、20cmくらいの大きさに成長したら定植します。
苗の選び方
節に近い部分の葉が黄色く変色していたり落葉せずに幹がしっかりしたものを選ぶのが良いとされています。枝の先端の芽の部分にアブラムシがつきやすいので、病害虫がいない事を確認しましょう。
植えつけ
20cmくらいに成長した苗を育てていた鉢よりもひと回り大きく穴を掘って、元肥を良く混ぜ合わせ植えつけます。しっかりと水極めをしながら苗がぐらつかないよう植えます。植えつけから1ヶ月くらいの間は土が乾きはじめた段階で水やりをしてください。
置き場所と水やり
ムクゲは強い植物なので特にこのような場所でなければ育たないということがありませんが、花を咲かせるためには日当たりの良い場所に植えつけましょう。
生育旺盛なのですぐに大きくなるため、鉢植えでは栽培しません。ムクゲはしっかりと根付いたら、水を与える必要もありませんが、水やりは土が乾いたら与えてください。
用土と肥料
水はけが良いのならば特に土質は選びません。保水力のある土の方が旺盛に育ちます。砂地のような土に地植えをする場合は腐葉土を混ぜるか市販の花木用培養土を使用しましょう。
開花前の6月の終わり頃に緩効性肥料を少量与えると花つきが良くなり、開花の時期にも一度緩効性肥料を少量与えてください。
剪定
剪定の適期は葉が落ちた後の11月~3月の期間で、高さを抑えたい場合は短く刈り込み、それ以外は枝が込み合った部分の枝を抜いて枝数を抑えておきます。ムクゲは春から伸びた枝に花を咲かせるので、開花が近い6月以降は剪定しないようにします。
病害虫
ムクゲで発生しやすい病害虫はアブラムシ、ハダニです。いずれもムクゲを枯らしてしまうことはありませんが、花数が減ってしまうので見つけ次第駆除しましょう。
病気もあまりないのですが、アブラムシによってすす病になることがあります。
増やし方
ムクゲは強い植物なので、こぼれ種からも発芽しますが、挿し木をしても簡単に増やせます。
春の時期に挿し木をする場合は前年度に伸びた枝を使い、夏や秋の時期に挿し木をする場合はその年に成長した枝を使います。
15cmくらいの長さに切って下になる側の枝を斜めに鋭利な刃でスパッと切り、挿す部分の葉を落とし土に挿します。土に挿さっていない部分の葉は3枚ほどに抑えてください。
水枯れをしないように注意していれば根が伸びて増やすことができます。
最後に
今回はムクゲの花言葉や名前の由来、花の特徴から種類、育て方までムクゲに関することを紹介しました。
ムクゲは古くから日本国内のみならず親しまれている植物できれいで大きな花を咲かせます。大変強い植物で育てるのも比較的簡単な初心者向きの植物でもあるので、夏の時期のお庭を華やかにしてはいかがですか?