みかんの旬と美味しいみかんの選び方と保存の方法

木に実ったみかん

みかんの旬といえば冬を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?実は、みかんの旬は品種によって異なります。一般的にみかんといえば温州みかんですが、温州みかんは大きく分けて4つの品種あり、それぞれの収穫時期が旬になります。今回はみかんの旬や産地別の収穫時期、みかんの品種別の特徴や美味しいみかんの見分け方などをご紹介します。

みかんの旬と特徴

ビニール袋に入ったみかん

みかんの旬は、みかんの種類ごとに旬が異なります。日本で食べられているみかんは一般的に温州(うんしゅう)みかんです。温州みかんは日本が原産とされていて品種は115種類もあります。

分類ごとの収穫時期と旬

温州みかんは種類によって4つのタイプに分類されています。

  • 極早生(ごくわせ)温州
  • 早生(わせ)温州
  • 中生(なかて)温州
  • 晩生(おくて)温州

4つのタイプで収穫時期がことなり、旬は収穫時期と同じ時期となります。

極早生(ごくわせ)温州の旬は「9月〜10月下旬」

9月〜10月下旬にかけて収穫されるもので、果皮に青み(緑色)が残り、酸味が強いので甘酢っぱいのが特徴になります。極早生温州はこの時期が旬になります。

早生(わせ)温州の旬は「10月下旬〜12月上旬」

10月下旬〜12月上旬にかけて収穫れるもので、果皮は程好いオレンジ色と控えめの甘さと酸味が特徴です。この時期が旬になります。

中生(なかて)温州の旬は「11月下旬〜12月下旬」

11月下旬〜12月下旬にかけて収穫されるもので、甘さがより増して早生に較べると皮が厚くなり、この時期が旬になります。

晩生(おくて)温州の旬は「12月下旬〜3月上旬」

12月下旬〜3月上旬にかけて収穫されるもので、コタツの上に並ぶのはほとんどがこの品種です。普通(ふつう)温州とも呼ばれている種類です。この時期が旬になります。

≪ポイント≫

  • 日本で流通しているのは「温州(うんしゅう)みかん」
  • 温州みかんには「4つの種類」があり収穫時期を表す名前になっている
  • それぞれの旬は「収穫時期と一緒」

みかんの産地

木に実ったみかん

【主な産地】

  • 和歌山県
  • 愛媛県
  • 静岡県
  • 熊本
  • 長崎
  • 佐賀 …など

全国のみかん生産地を見ると和歌山県、愛媛県、静岡県の3県で全国で生産されるみかんの50%を生産しています。その3県に次いで、熊本、長崎、佐賀の九州地方が名を連ねます。

極早生や早生の早い時期に出回るみかんだけを見ると暖かい九州地方が強く、晩生の普通温州と言われるみかんは静岡が特に生産地をブランド化して生産量を上げています。

旬の美味しいみかんの選び方

半分にカットしたみかん

みかんは種類ごとに収穫時期・旬が異なり、旬の時期によって味も違いますが、美味しいみかんの選び方とそのコツは共通です。どんなみかんを選べばいいかを確認してみましょう。

色が濃く皮のきめが細かい

旬の美味しいみかんを選ぶにはまず、色ツヤが良くハリのあるみかんを選びましょう。

ちょっと難しい話をしますと、生物学的に色が濃いものが良いとされています。果物は木に身を付けて動かないものなので、子孫繁栄のためには動物に発見しやすくなるように進化してきました。

動物がその身を食べることによって種を別の場所へ運んでもらえます。そして新たな土地で発芽して木の子孫を増やします。よって美味しく良い実は動物にも発見されやすいように色が濃くなります。

また、みかんの表面の外皮をよく見るとオレンジ色が一段と濃いツブツブがあるのがあるのがわかりますか?この濃い色のツブツブは「油胞」といいます。油胞が多いほどきめ細かい外皮と言えます。

外皮がきめが細かいみかんが美味しいとされるのは、きめが細かいみかんは、枝の先に付いた実の証拠になるからです。枝の先にぶら下がった旬のみかんには糖分が溜まりやすく養分を良く含んでいます。よって美味しいみかんとなっていることが多いとされています。

ヘタ(軸)が小さい(細い)

ヘタの大きさから美味しい旬のみかんを選別することもできます。ヘタが小さいということは軸が細いということになります。その軸を通って水分と栄養が実に送られます。

軸が太いと多くの水分と共に栄養が送られてきます。軸が細い場合は水分の通る道が減り、栄養分は太いものと変わらない量が送られてくるので味も濃くなるとされています。

重量感がある

見た目の大きさよりも重量感があるみかんは、果汁がしっかり詰まっている証拠になります。糖度が多い水分は重くなるので、持ったときにずっしりとくる実は美味しいと言えます。

形に関して一般的に扁平な実が美味しいと言われていますが、実の形は品種からくる形の違いになるので、丸いみかんだから美味しくないということではありません。

皮が薄く実の房が多い

旬の美味しいみかんを選ぶには、「皮が薄くしっかり張りついている」「実の房が多い」ほど美味しいとされています。

一般的に旬のみかんはひとつの実の中に10房程度のものが多いのですが、中には12~13個の房がある実もあります。

品種改良によって種がほとんど無いみかんが多いのですが、本来は房ごとに種が入っていました。房が多いということは種も多いということになり、これも生物学的に考えると、子孫繁栄=美味しい証拠になるようです。

でも…中の実を確認するには皮を剥がなければ分かりませんので、スーパーでは確認できませんね。八百屋さんなら試食させてくれるかもしれませんが。

≪美味しいみかんのポイント≫

  • 皮の色が濃い
  • 皮のきめが細かい
  • ヘタが小さい
  • 手に取った時に重さがある
  • 皮が薄い
  • 実の房が多い

旬のみかんの保存方法

ザルに乗ってるみかん

旬のみかんを箱入りで購入すると、気がつけばカビが生えてしまっていた…という経験はありませんか?

旬のみかんを美味しく食べるためには、傷んでしまわないように正しい保存の方法も覚えておくと便利です。また、どのくらい日持ちするものかおぼえて置きましょう。

冬の季節なら「常温で3週間」の保存が可能

冬の寒い季節は、暖房が効いていない部屋での保存は常温で3週間保存が可能です。

ただし、暖かい部屋に置いてから寒い場所に移動して保存しておくとみかんに結露ができてしまうので傷みやすくなりますので注意しましょう。

【保存におすすめの場所】
・暖房が効いていない場所(玄関の近くや廊下など)
・風通しの良い場所
【保存の方法】
通気性が良いカゴなどに、ペーパータオルを敷いてみかんを並べます。1段で置ききれずに2段目と重ねる場合には、段ごとにペーパータオルを敷きましょう。
【保存のコツ】
旬のみかんのヘタは上に向けておくと水分が抜けていきます。ヘタを下に向けて保存しておくことで乾燥を防ぐことができます。3段目まで増やしてしまうと重量で実が傷んでしまうことがあるので、重ねるのは2段目までにしておきましょう。

みかんは野菜室で2週間保存が可能

旬のみかんは冷蔵庫の野菜室でも2週間保存が可能です。冬以外の季節や低温になる場所がない場合の保存の方法になります。冷蔵庫の野菜室は乾燥しやすい場所になるので、保湿のケアが必要になります。

【保存の方法】
みかんをひとつひとつキッチンペーパーで包んで、ポリ袋に何個かごとにまとめて入れます。ここでもヘタが下になるように入れるのが保存のコツとなります。
≪保存期間の目安≫

  • みかんを「常温」で保存する場合・・・3週間
  • みかんを「野菜室」で保存する場合・・・2週間

箱入りで購入したみかんを美味しく保存する方法

旬のみかんを箱に入ったまま涼しい場所で保存すれば、約3週間保存することが可能ですが、購入したままの状態では傷みやすくなってしまいます。

箱みかんの保存方法

  1. 箱からみかんを出す
    少し手間が掛かってしまいますが、まずは箱の中の旬のみかんを全て1度外に出します。
  2. 痛んでいるみかんを取り除く
    みかんを箱から出したら外皮の一部が柔らかくなってしまっているものや、カビが生えてしまっているものを取り除きます。
  3. 箱に穴を開ける
    空になった箱の底や側面に穴を開けて通気性を良くしておきます。
  4. 新聞紙やペーパータオルを敷く
    穴を開けたら箱の底に新聞紙やペーパータオルを敷きます。
  5. みかんを並べる(1段目)
    ヘタが下になるように、箱の底にみかんを並べていきます。(1段目)
  6. 再度新聞紙やペーパータオルを敷く(2段目)
    1段目を並べ終えたら、再度新聞紙やペーパータオルを敷き1段目と同じ要領でみかんを並べます。3段目まで並べてしまうと、重さで1段目のみかんが傷んでしまう原因になるので、2段目までで止めておきましょう。
  7. ふたを開けておく
    ふたをあけたままにしておきましょう。1週間して1段食べきれない場合は、1段目と2段目のみかんを傷んでいないか確認しながら入れ替えることでみかんを日持ちさせることが可能です。

旬のみかんの冷凍保存の方法

みかんは常温、冷蔵の他に冷凍でも保存することが可能です。

  1. 金属トレイに並べる
    みかんを金属トレイの上に並べ、冷凍庫に入れて凍らせます。
  2. 凍ったみかんを水にくぐらせる
    凍ったみかんを冷凍庫から取り出して、ひとつずつ水にくぐらせます。
  3. 再度冷凍する
    水にくぐらせた冷凍みかんを再度金属トレイに並べてもう一度冷凍します。
    凍ったみかんを水にくぐらせて再度冷凍することで、みかんの外皮に氷の膜ができるので、乾燥を防ぐことができます。
  4. 保存袋に入れる
    しっかり凍ったことを確認したら、冷凍用の保存袋にまとめて入れて冷凍庫に入れておきます。

このように1度水にくぐらせて膜を作って保存することで、乾燥を防ぐことができるので2~4ヵ月の間保存することができます。

食べるときは自然解凍させてから食べても美味しく食べれますが、凍った状態のまま冷凍みかんとしても美味しく食べることができます。

みかんに関するQ&A

みかんの白い筋

Q.みかんの白い筋は取ったほうが良いのでしょうか?

A.みかんの白い筋には、ヘスペリジンという成分がたっぷり含まれています。強い抗酸化作用、血中コレステロールの低下や血圧上昇の抑制、ヒスタミンの分泌を抑える効果で花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状に良いとされています。食物繊維のペクチンも豊富に含まれているので消化促進作用もあるので、できれば取らずに食べることをおすすめします。

Q.旬のみかんの美味しい食べ方を教えてください。

A.揉んでから食べると、みかん自身が修復しようとして酸っぱさの原因となるクエン酸の成分を修復に使用するため甘く感じます。みかんを焼いてから食べることで甘味も引き立つので美味しさがアップします。みかんに切れ目を入れて電子レンジで30秒加熱して冷ましてから食べると甘くなります。などの方法でみかんをより甘くしてから食べてみてください。

Q.旬のみかんの果汁を搾る方法はどのようなやり方でしょうか?

A.みかんの果汁を搾るときはみかんの皮を剥いて、半分にカットしてから搾りましょう。仕上げにザルとボウルで濾しましょう。

みかんの栄養と効能

みかんジュース

みかんはビタミンCを豊富に含んでいます。旬のみかんを2個食べることで1日に必要とされるビタミンCを摂ることができます。

みかんに含まれるシネフィリンという成分と共に風邪予防に効果があります。また、みかんの白い筋にはペクチンが多く含まれているので、整腸作用があり、便秘の改善に効果があります。そのほかにも、骨粗鬆症を予防できるとされているβ-クリプトキサンチンが含まれています。

みかんをたくさん食べる人は生活習慣病の発症リスクが低くなるという研究結果もあるので、積極的に食べることをおすすめします。

最後に

皮を剥いたみかん

みかんの旬は、ハウス物を入れたらほぼ1年中ということになりますね。冷凍みかんというとキヨスクで販売されていますが、みかんは冷凍して食べる果物の元祖ではないでしょうか。

昔はみかんの旬というと冬から春頃でしたので、夏も食べることができる方法としてみかんを冷凍にするアイディアが生まれたそうです。冷凍みかんはご自宅で簡単に作ることができますので、ぜひおやつに作ってみてください。

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