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ガーベラってどんな花?
南アフリカ原産の熱帯で育つ花
ガーベラは南アフリカ原産の花で、キク科の植物です。アフリカセンボンヤリをガーベラと称することもあります。温帯な場所に生息する植物で、南アジアなどにも広く分布しています。
花の色は赤・ピンク・オレンジ・黄色・白などたいへん華やかでカラフルな色合いが多いため、フラワーアレンジメントなどにも多く用いられています。
比較的安価で花の持ちがよいので、花屋だけでなくスーパーなどでも気軽に購入できお花です。
ガーベラの特徴・語源
ガーベラはまっすぐに伸びた茎の上で5から10センチほどのきれいなぱっちりとした花を咲かせることが特徴で、語源は発見者であるドイツの博物学者ゲルベル(Traugott Gerber)です。
ベルリンで生まれたゲルベルはポーランドの高校教師となり、重力の伝達速度と水星の近日点移動に関する議論を呼んだ理論を提唱した人物として有名です。
ヨーロッパで品種改良されたガーベラは切り花や鉢植えとして生産されています。
ガーベラの魅力
ガーベラは育て方が比較的簡単なことと、色鮮やかで大きな美しい花を咲かせる魅力あふれるお花です。
大輪を咲かせるガーベラは、部屋の中をぱあっと明るくさせる魅力的な植物です。暖かいアフリカが原産なので育て方もらくで、切り花で管理しても手間がかかりません。
スーパーなどでも気軽に買えるお値段で日持ちするので、コスパ的にもよろこばれるお花です。プレゼントやお見舞い、お祝いの花束として重宝されています。
栽培は簡単!
ガーベラの育て方は簡単です。ポイントは水はけ・日当たり・風通しです。
このポイントは鉢植えも地植えも変わりありません。原産国の南アフリカの環境に即した状態の育て方が、ガーベラにとっていちばんよい状況だといえます。
ガーベラはこのポイントを押さえて基本通りに育てれば、毎年花を咲かせてくれる栽培しやすいお花です。冬場は地上部分が枯れて休眠状態になりますが、春がくれば新芽が育ち、また花を咲かせてくれます。
ガーベラの栽培に必要なもの
ガーベラの栽培に必要なものをご紹介していきます。
ガーベラは種・苗どちらからも育てることができます。冬は枯れてしまいますが、春になると芽が出て、美しい花弁を開いてくれます。
ガーベラは植木鉢やプランター・花壇などで地植えしてもよいですが、東北や北海道などの寒い地域では冬を越せない可能性があるので、部屋の中で育てることが推奨されています。
それでは、ガーベラを育てるためのアイテムを詳しく見ていきましょう。
ガーベラの種(もしくは苗)
ガーベラの種か苗を用意してください。ガーベラの種や苗は、お近くのホームセンターや園芸店、またはネット通販などで購入することができます。ガーベラは花弁の大きさや色・形・数の違いによってさまざまな種類があります。
【苗の選びのポイント】
ご自分が好きなガーベラの種類の種または苗を手に入れてください。ガーベラの苗は葉が多く、下の葉が黄ばんでいないもので、花のつぼみが多いものを選ぶとよいでしょう。害虫のチェックもしてください。
土(培養土)
ガーベラを栽培するための土は、市販の草花用培養土を使用します。ガーベラ用の土は、ホームセンターや園芸店、ネット通販などで購入することができます。
ガーベラ用の土をブレンドして作る場合は、培養土の他に赤玉土・腐葉土・パーライトなども用意してください。いずれも園芸店などで購入できます。
肥料
ガーベラ用の肥料は、草花用培養土に緩効性肥料と苦土石灰を混ぜて使用して、適宜、追肥を行っていきます。
地植えのガーベラにはパーライトを混ぜて水はけをよくすると、花がつきやすくなるのでおすすめです。春秋の開花時期に、ガーベラの株のまわりに化成肥料をあげるとよいでしょう。
鉢植えの際に必要なもの
ガーベラの根は地中に長く深く広がっていくので根詰まりしやすいため、鉢植えの場合は5号以上の大きなタイプの鉢を選ぶ必要があります。
横長のプランターもおすすめです。ガーベラの鉢は、湿気が溜まりにくく水はけがよい素焼きタイプが理想的です。
≪ポイント≫
- 【種・苗】苗の場合は状態をよく見て選ぶ
- 【土】草花用培養土がおすすめ
- 【肥料】緩効性肥料と苦土石灰がおすすめ
- 【その他】鉢植えで育てる場合は「大い鉢(5号以上)を」用意する
ガーベラの育て方のポイント5つ
ガーベラの育て方を5つのポイントに分けてご紹介していきます。
ガーベラの育て方は他の花に比べて比較的らくですが、それでも細かい注意点があります。
- 育てる場所や環境
- 土と肥料
- 水やり
- 植え替え時期
これらのポイントを参考にして、ガーベラを上手に育てていきましょう。
育てる場所・環境
まずはガーベラを育てる環境ですが、ガーベラは日当たりのよい場所が好きで、日が当たらないときれいに花が咲かない特徴があります。
ガーベラは南アフリカ特産なので、どうしても日光を好みます。庭や花壇に植えるときは、できるだけ日当たりのいい場所を選びましょう。
ガーベラを植木鉢で栽培する場合も、日当たりのよい場所へ置くように心掛けてください。だからといって、猛暑のときに直射日光に当て過ぎるとたいへんなことになります。そんなときは、半日陰の場所へ移動しましょう。その際は、風通しがよいところを選ぶようにしてあげてください。
土・肥料
ガーベラの根は深く地中深くまで伸びるので、腐葉土や堆肥を混ぜたふかふかとやわらかい肥沃な土を使い、花を咲かせるために肥料は絶やさないようにしてください。ガーベラは肥料が足りないと花が咲かない可能性が高い植物です。
育て方のポイントは、肥料切れに注意することです。ガーベラが開花しているときは、鉢植えの場合は2週間に1度程度の割合で液体肥料を与えるようにすしてください。地植えのケースでは、春と秋に化成肥料をまきましょう。
水やり
ガーベラの水やりは、午前中の早い時間がベストです。ガーベラは水を絶やしてはいけない花です。毎日の水やりを持続してください。
鉢植えのガーベラの土の表面が乾いていたら、水をたっぷりあげるようにしてください。水のやり過ぎはガーベラの根を腐らせるもとになりますので、植え方で水の与え方が変わるので注意が必要です。
土の状態をしっかりと確認してから水やりをおこないましょう。
基本は水やりの必要はありません。ただ、猛暑や晴れの日が続いたときなどは、ガーベラの株の状態をよく観察しながら水を与えるように工夫をしていくことが大切です。
ガーベラは大切な生き物です。常に状態をよく見ながら、大事に育てていきましょう。
植え替え時期
- 春・・・3月の中旬から4月中
- 秋・・・9月の中旬から10月の半ばまで
ガーベラの植え替えは、花が咲いていない時期におこなうように心掛けてください。
鉢植えの場合は、ガーベラの長い根が詰まってしまうことが多々あるので、ひとまわり大きい鉢に移し替えてあげましょう。
ガーベラを抜いたら、株のまわりの土をていねいに落としてあげてください。ガーベラの太めの根を、傷つけないようにやさしく植え替えをおこないましょう。土に近い位置にあるつぼみまで埋めてしまわないように、気をつけてください。
≪ポイント≫
- 育てる場所・環境:日当たりのよい場所に置く
- 土・肥料:肥料を絶やさないように
- 水やり:水を絶やさないようにする
- 植え替え時期:花が咲いていない時期に行う(3月中旬~4月、9月中旬~10月の半ば)
ガーベラの増やし方
美しいガーベラをもっと増やしていく方法をご紹介していきます。
ガーベラは株分けか種まきで、自分で増やしていくことができる植物です。ガーベラの育て方に慣れてきたら、増やしていく努力をしていきましょう。
お庭全体がガーベラの花畑になり、きれいな景観が広がるガーデンが楽しめます。
株分け
ガーベラは種から増やす方法が難しい花なので、初心者はなるべく株分けからおこなうようにしてください。ガーベラの株分けは植え替えの時期と一緒で春か秋です。
株分けも、ガーベラの花が咲いていない時期におこなうことが常識です。植え替えとともに株分けをすれば、ガーベラへのダメージが少なくて済むので一石二鳥でおすすめです。
- ガーベラの株のなかでも、茎が2、3本付いているものを選ぶ
- 傷つけないように注意をしながら抜く
- 土をていねいに落としたら、手で株を取り分けます。
(※手で分けられないときははさみやナイフを使ってください) - 芽だけ地上に出る位置で、苗を浅めに植えます。
- 植え替え後は、水をたっぷりと与えて、新芽が出るまで日陰に置いておきます。
- 新芽が出てから、日当たりのよい場所へ移動します。
種まき
ガーベラの種を採取する時期は、3月~5月、そして秋の9月~11月の花の季節が終わったあとです。
- 花が終わったら、そのままにしておきます。
- 花が枯れたあとの中心部分が綿毛になります。その綿毛の先にガーベラの種が付いています。綿毛ごとガーベラの種を抜きます。※綿毛はそのままでも発芽に影響はありません。
- 種はビニール以外の袋へ入れて、乾燥したら冷蔵庫や物置などの冷暗所に保管して腐敗しないように気をつけます。
種まきは4~5月頃で、底の浅い箱やポットに穴を掘ってまきます。薄く土をかけたら、乾燥しないように水を与えていきます。葉が2、3枚そろったら植え替えます。
ガーベラの種は発芽させるのが難しく、同じような花が咲かない可能性があるので注意が必要です。
ガーベラを育てるときの注意点
ガーベラを育てるときの細かい注意点をご紹介していきます。
ガーベラは育て方が簡単で比較的丈夫な花ですが、病気になったり害虫がついたりする恐れがあります。
以下の注意点を参考に、気をつけながら育てていきましょう。
害虫
ガーベラに限らず、植物には害虫がつきやすいので注意が必要です。ガーベラが注意すべき害虫は、ハダニとコナジラミです。
ハダニの対処
ハダニは0.2~0.8mmほどの虫です。ハダニを見つけたら、ガムテープで除去しましょう。もしくは水をかけても効果があります。それでも取れないほど大量に発生したら、薬剤を使用してください。
コナジラミとは、0.3mmほどの害虫です。28日周期で繁殖していくので、見つけたらすぐに薬剤を散布しましょう。
枯れた花や葉は早めに取り除く
ガーベラの枯れた花や葉は、なるべく早く処理してあげてください。枯れた花や葉を取り除いたガーベラにたっぷりの日の光が当たると、さらに元気に成長を続けてくれるからです。
ガーベラの花は付け根ごと取り除いてあげましょう。剪定の必要はありません。ただし種を採取するときは別で、そのまま放置しておきましょう。ガーベラの黄色く枯れた葉は、すぐに摘み取ってあげてください。
冬越しのやり方
ガーベラはあるていど寒さに強い植物なので、そのまま冬を越すことができます。
ただし寒冷地は別で、ガーベラを暖かい場所へ移動する必要があります。霜が張る場所も要注意です。軒下などに移してあげましょう。
ガーベラは水はけがよくないとダメージを受けてしまう植物なので、冬も引き続き湿気に注意しながら育てていきましょう。
上手に育てて美しいガーベラの花を咲かせよう!
ガーベラは水はけ・風通し・日当たりに注意した育て方をすれば、割と簡単に栽培できるお花です。
明るい太陽のようにぱあっと輝くガーベラは、赤や黄色・ピンクや緑・白と色とりどりの様子で、庭や鉢植えをカラフルに演出してくれます。
ガーベラは鉢植えとしても切り花にしても人気のお花です。きれいなガーベラをたくさん育てて、花壇やお庭を華やかに美しく飾っていきましょう。