冷蔵庫のアース線の取り付け方法と外し方!役割や必要な場所

アース線

アース線をご存知ですか?目にしたことはあっても、アース線の役割や必要性については詳しくない人も多いと思います。アース線は洗濯機などには多く見られますが、冷蔵庫にも必要な物なのでしょうか?アース線の役割や必要な場所、取り付け方などをご紹介します。

冷蔵庫のアース線について

焦げたアース線

アース線の役割

アース線は漏電が起こった時に、感電など二次災害を防止するためのものです。家電製品は長年使い続けていると部品などが劣化し、本来は流れないはずの場所に電気が流れることがあります。

また、配線が何かの事情でむき出しになってしまっている時、そこに水が大量にかかると水を通して電流が流れます。これらを「漏電」と言います。

漏電で流れてしまった電気によって感電や火災のような二次災害が起こりやすくなりますが、この電気を逃すための配線がアース線なのです。アース線があることで、漏電の際に感電や火災を防げることがあるのです。

冷蔵庫のアース線が必要な場所

漏電の原因は大量の水が影響するため、水気のある場所や湿気の多い地下室で使う家電にはアース線が必要となります。

水回りで使う主な家電製品は冷蔵庫や洗濯機などがあげられます。他にも電子レンジや水と一緒に使う家電といえばトイレで使うウォシュレットも該当します。

アース線を取り付けてはいけないところ

アース線は水気や湿気が多い所では必要なものですが、アース線を取り付けてはいけない場所もありますので覚えておきましょう。

  • 水道管
  • ガス管
  • 電話線や避雷針のアース

これらは感電や爆発の危険があるためアース線をつなげることが法令で禁止されています。

落雷時にも役立つ

感電防止になるのがアース線の役割ですが、それ以外にもアース線をつなぐメリットはあります。

例えば、落雷による多くの電流もアース線を通って大地に流れていくため、万が一落雷が起こった時、冷蔵庫の故障の被害を最小限にすることができます。

≪ポイント≫

  • アース線の役割は「感電」「漏電」や、それらによる「火災」を防止するためのもの
  • 「水気が多い場所」の家電はアース線を取り付ける必要がある
  • 「感電や爆発の危険がある場所」はアース線の取り付けが禁止されている
  • 「落雷による電気」もアース線で逃がす事が出来る

冷蔵庫にアース線の取り付け部分がない

コンセント

近年ではアース線の無い冷蔵庫が増えているのはなぜ?

水回りのキッチンで使う冷蔵庫もアース線の接続が必須の家電になりますが、近年ではアース線が付いていない冷蔵庫が多く販売されています。

その理由は、水気を避ける場所にコンセントが設置される家づくりになってきたことが考えられます。

また、近年の家電は昔のものに比べて絶縁対策も徹底されているため、漏電することが無くなってきていることも理由の一つでしょう。

取り付け先が無いところへ接続する方法

もともとアース線が付いていない製品には無理に取り付けなくても良いようです。

しかし水気の多い所で使う場合は、アース線を接続しておいたほうが安心に使うことが出来ます。また、引っ越し先にアース線をつなぐコンセントが無いという場合もあります。

アース付コンセントはホームセンターなどで数百円くらいで販売されていますが、有資格者によるアース工事が必要になります。

アース工事は家の近くの電気屋さんなどでも依頼でき、5,000円程度の費用が相場のようです。

冷蔵庫のアース線の取り付け方

ACコンセント

取り付け手順①.コンセントを確認する

冷蔵庫を設置する場所の近くのコンセントを確認しましょう。コンセントの下にアース用の端子が付いていることが多いです。

次に冷蔵庫コンセントの形状をチェックします。コードと一体化しているタイプか、コードの先にジョイントするタイプがあります。

取り付け手順②.アース端子のカバーを開ける

コンセントの確認をしたら、コンセント下部分にあるアース端子のカバーを開けます。ドライバーを使わないと開かないコンセントもありますので、マイナスドライバーでこじ開けるようにしましょう。

カバーを開けるとアースネジが出てきますので、ネジを緩めます。プラスドライバーを使うのであれば左に回していくと緩みます。

取り付け手順③.アース線を挟み込む

アース線の先の部分だけをアース端子にしっかりと挟み込んでいきます。アース線がアースネジにつなげられたら、再びネジを閉めます。プラスドライバーを使うのであれば右に回して閉めます。

取り付け手順④.カバーを閉めてコンセントを差し込む

最後にアース端子のカバーを閉めて、コンセントを差し込みます。アース線がコンセントから直接出ていない形状は、コネクタを差し込んでその上からコードを差し込みます。

コンセントにアース端子が無い場合

自分で取り付けられるのは、コンセントにアース端子が付いているタイプの場合です。冷蔵庫を設置する近くのコンセントにアース端子が無い場合は、有資格者によって有料でアース取付工事を依頼するようになります。

また、アース線が短くアース端子に届かない場合もアース取付工事をしなくてはいけませんので、冷蔵庫を購入した販売店や電気工事店に依頼しましょう。アース線をより長いものにに取りかえたい場合は、有資格者でなくても可能です。

アース端子の種類

アース端子にはいくつか種類があり、取り付け方法も異なります。前述で説明したような取付方法の種類が一般的ではあります。

ですが、最近ではカバーを開けるだけで差し込みできるようなアース端子が付いているコンセントのタイプも主流になりつつあります。この場合は、アース線の先を細めて押し込み、カバーをセットすれば完了です。

≪ポイント≫

  • アース線端子が有る・・・自分で取り付けることが可能
  • アース線端子が無い・・・業者や購入元などの資格を持った人に依頼する

冷蔵庫のアース線の外し方

コンセントにコードを差し込みう若い女性の手元

アース線の外し方は、接続の方法の逆の手順で行います。アース端子のカバーを開けたらアース線を抜けるタイプが最も簡単です。

アースネジを左に回してネジを緩めるタイプなどありますが、ネジがゆるんだらアース線を抜いて、最後にコンセントカバーをつければ良いだけです。

冷蔵庫のアース線について製造メーカーの説明

シャープの説明

シャープは設置環境によってアース線が必要になる長さが異なるということで、アース線の同梱はしていないそうです。

ただし、土間や洗い場のような床が濡れるところや地下室などの湿気が多い場所ではアースを必ず取り付けるように言っています。

「漏電遮断器」の設置が義務になっている場合も

また、漏電時の感電防止のためにはアース接続に加え、漏電遮断器を取り付けることも義務とされているので取り付けるようなります。

ただし、一般家庭のキッチンへの設置は直接水かかかるような場所でなければ、アース接続は不要とのことです。

アース線は同梱されていないため、必要な場合は冷蔵庫を購入した販売店やホームセンターなどで直径1.6㎜の銅線を購入するようにとのことです。

日立の説明

日立もまた、冷蔵庫に同梱はされていないものの、漏電や感電に備えてアースの接続を推奨しています。

特に、洗い場など水気の覆い所や、地下室などの湿気が多い場所に設置する際はアースをするようにして、購入は販売店で相談するようにとのことです。

パナソニック・三菱電機の説明

他にもパナソニック、三菱電機など大手メーカーのほとんどが冷蔵庫のアース接続については、シャープや日立と同じように、アース線の接続を推奨する内容となっています。

同梱はされていませんが、水気の多い場所や直接水がかかるところへの設置は必ず取り付けるようになります。そして、購入先は販売店やホームセンターなどで購入するのが一般的です。

≪ポイント≫

  • 冷蔵庫にアース線を同封していないメーカーが多い
  • どの冷蔵庫メーカーも「アース線の接続を推奨」している

最後に

電気工事士 ライセンス取得済 ファイル番号: 282010205 切り抜きをプレビュー 似た画像を検索 電気工事士

アース線の工事を依頼した場合の費用相場ですが、アース端子付きのコンセントに交換する場合は5,000~8,000円程度です。しかし、分電盤からアース線を引き込み、アース端子付きのコンセントを取り付ける場合は10,000~30,000円前後と費用もそれなりにかかることになります。

ですが、アース線の設置が必要な場所と言われている水気の多い所や湿気の多い地下の場合は、初期費用がかかっても安全のために接続するようにしましょう。

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