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しじみの旬はいつ?
しじみは産地によって収穫時期が違い、旬の時期は2種類に大別されます。島根県が主な産地の「土用しじみ」は夏が旬、雪が多く気温が低い北海道や滋賀県などが産地の「寒しじみ」の2種類です。
しじみの旬は産卵前に栄養を自身に蓄えるタイミング。ただし、旬だからといって全てのしじみが美味しいとは限りません。中には旬だけど「死んでいるしじみ」も混じっています。新鮮なしじみは、身に重厚感がでて殻の表面もツヤツヤになって形もふっくらとなっています!
しじみの旬と新鮮なしじみの選び方を熟知すれば、常に美味しいしじみを食卓で味わえるのでぜひ参考にしてください。
しじみの種類によっても旬の時期が違う?
旬の違うしじみを3種類紹介します。
ヤマトしじみは7月中旬から8月中旬
スーパーや市場で見かけるしじみは、ほとんどが土用しじみである「ヤマトしじみ」です。南西諸島以外、日本中の河口どこでも取れるポピュラーな国産しじみ。大きさも2㎝ほどと小ぶりで扱いやすいです。
そんなヤマトしじみの気になる旬は「盛夏」です!盛夏(せいか)とは夏で最も暑い時期のことで、7月中旬から8月中旬までの1か月間を指します。
旬のヤマトしじみは産卵時期に備えて栄養価が豊富に含まれており、夏バテに有効なミネラルが多く含まれています。
瀬田しじみ
滋賀県の琵琶湖・堅田・沖島で収穫できる「瀬田しじみ」。本来は瀬田川で多く収穫できるので瀬田シジミと名づけられましたが、今では琵琶湖での収穫が多いようですね。瀬田しじみは真っ黒なヤマトしじみと違って表面は明るめのブラウンに白い横線がいくつも伸びたデザインになっています。
サイズはヤマトしじみと同じく2㎝程度。瀬田しじみはヤマトしじみと違って旬の時期は1~4月の冬と春の境目になります。冬季に旬を迎えるしじみは「寒しじみ」と呼ばれ、重厚な身をつけ「しじみで最も美味しい」と評価が高いです。
ましじみ
本州・九州・四国、寒い地域の淡水でたくましく育つ「ましじみ」。瀬田しじみと並んで人気の「寒しじみ」です。旬の時期は1~4月。
他のしじみよりも平べったい形をしており、殻表面もあまりツヤがないので見た目はちょっと質素な感じがします。しかし、ましじみは大きさが4㎝もあり、ボリュームたっぷりの身を楽しめるしじみです。
旬のしじみの栄養素
しじみの栄養素は非常に豊富で、肥満や飲みすぎを気にする男性だけでなく美容に関心が高い女性にも効果的です!
亜鉛
亜鉛というと不足したら「味覚障害」になるイメージがありますよね?確かに味覚障害予防にも効きますが、亜鉛はそれ以外にも隠された能力があるのです。肌をきれいに保ったり、自然治癒力や病気に対しての免疫力を強める効能もあります。
また精力も付くので、仕事に対して前向きな気持ちで取り組めるようになるでしょう。妊活中・妊娠中の女性は体調を崩さないように、しじみを食べて亜鉛を摂取することがおすすめです。
鉄分
しじみには鉄分がたっぷりと含まれています。鉄分が不足すると貧血になったり疲労しやすくなります。またしじみに含まれるビタミンB12は、鉄分の吸収を促す効果があります。他の食品に比べて鉄分を多く摂取できるのはしじみです。
二日酔いとアンチエイジングに有効な「オルチニン」
昔からしじみといえば「二日酔いに効く」と言われてきました。アルコールに含まれる有害物質を分解してくれるからです。しかし、実はオルチニンの効能は二日酔いに効くだけではありません。オルチニンは肝機能を整えてくれるので、食生活の乱れや肌質の改善を行ってくれるとっても優秀なアミノ酸なのです。
また普通のアミノ酸と違って、オルチニンは単独で必要な場所へと向かう「遊離アミノ酸」。摂取すると肝臓へダイレクトに届いてくれるので即効性もあります。この即効性こそが「しじみは二日酔いに効く」といわれる所以です。
コハク酸
コハク酸はコレステロールの解消につながる栄養素です。コレステロールは主に肉類に入っています。肥満や脳梗塞、動脈硬化などに繋がる恐ろしい物質です。連日の飲み会で飲みすぎ食べ過ぎが気になる人はしじみでコハク酸を摂取しましょう!また、普段からあまり運動しない人にもおすすめです。
旬のしじみの選び方
冒頭でも伝えましたが、旬のしじみの種類=必ず美味しいしじみ、ではありません。旬でも死んでいれば栄養価も味も落ちます。どんなしじみであっても、元気なしじみを選ぶことが重要です。
ツヤツヤの殻
鮮度が良い旬のしじみを選ぶには、「しじみの殻」に注目してみましょう。殻の表面がちょっとテカるくらいツヤがあり、きれいな丸い形を描いていれば新鮮の証です。身は肉厚で歯ごたえがあり、お味噌汁に入れた時により濃厚な味が染み込みます。
逆にしじみの殻表面にツヤがなく白い模様がついている場合はすでにピークが過ぎています。白い模様は、しじみの身に含まれるカルシウムが排出された跡です。栄養価も少なく、歯ごたえもないでしょう。
重みがある
しっかりとした重みがあり、横に振った時に中から「カラカラ」と音がしなければ、そのしじみはまだまだ元気いっぱいのしじみです。やはり口にするなら、死んだしじみよりも活きの良いしじみがいいですよね!
また、しじみがどれだけ新鮮かを調べる方法があります。水に入れたりだしたり、おたまでちょっと刺激してしじみの反応を見てみましょう。ビックリして口を閉じたり、水をはいてきたらまだまだ新鮮なしじみです。
旬のしじみを使った簡単レシピ
自宅でできるしじみの簡単レシピを紹介します。
しじみの味噌汁
やっぱり外せないのがしじみの味噌汁!二日酔いにも効き、体の成長も促すのでお子さんがいるならぜひ作りましょう。材料と作り方は以下です。
材料
- しじみ:200g
- だし用昆布:5㎝ほど
- お酒:40㏄
- 味噌:20g
手順
- しじみを砂抜きしてきれいに洗う
始めにしじみの内部に隠れた砂を取り除きましょう。砂抜き方法は、バットとバット用のざるを使います。バット用のざるにしじみが重ならないように並べて塩水でひたひたにし、砂を取り除いてください。 - 昆布だしを作る
鍋に水とだし用の乾燥昆布を入れ、弱火で火にかけます。5分ほど火にかければ昆布だしの完成です。 - しじみを火にかけ灰汁を取る
昆布だしが完成したらしじみを鍋に入れ、中火で火にかけます。灰汁がでるので、おたまを使って小まめにとりましょう。 - 殻が開いたら調味料を入れる
しじみの殻が開いたら火が通った証拠です。調味料を入れて混ぜてください。味を好みで調整したら完成です。
ボンゴレビアンコ風パスタ
しじみを使ったちょっとおしゃれなパスタを作るのはいかがでしょうか?「イタリアンって難しいんじゃない?」と思われがちですが、実は材料はシンプルです。ボンゴレビアンコは白ワインを使いますが、今回は日本酒を使用し和食風にアレンジします。
材料
- しじみ※砂抜き済み:200g
- パスタ:200g
- 日本酒:100㏄
- にんにく:半粒
- 醤油:10㏄
- バター:適量
手順
- パスタを少し硬めに茹でる
始めに時間のかかるパスタを茹でましょう。表示された茹で時間よりも、1分早くお湯から取り上げてください。 - にんにくを軽く焦がす
鍋にバターを入れて弱火で溶かしたら、にんにくがきつね色になるまで火にかけてください。 - しじみと日本酒100cc程を絡ませる
砂抜きされたしじみを殻ごと入れて、にんにくとバターによく絡ませます。 - パスタと材料を乳化させる
その後パスタを入れます。パスタに味がしっかり乗せるために、材料を乳化させることが重要です。乳化のコツはあまり鍋を振らない、材料をかき混ぜないの2つ。鍋の中で水分が沸騰し始めたら乳化しやすい状態になるので、沸騰したら混ぜるを繰り返せば、パスタが濃厚な味わいになります。 - 醤油で香りづけ
鍋の中の水分がほとんどパスタに吸収されたら、最後にお醤油で香りづけです。醤油を鍋の上でさっと1周させます。焦げないように急いで鍋を振って全体になじませてください。
さいごに
以上がしじみの旬の時期と美味しく食べられる見分け方、自宅でできる簡単なしじみ料理でした。しじみの旬は一年に2回です。夏と冬でわかれており、夏のしじみは「土用しじみ」冬のしじみは「寒しじみ」と分けられています。土用しじみは「ヤマトしじみ」、寒しじみは「ましじみ」と「瀬田しじみ」です。その時旬のしじみの種類を覚えておくとよいでしょう。
旬のしじみは産卵前で栄養をたっぷりと蓄えており、二日酔い以外にも様々な効能が期待できます。体の調子を整えるだけでなく、発育にも効果があるため大人から子どもまで食べたほうがいい食品です。栄養たっぷりのしじみですが、貝類を苦手とする人も多くいますよね。特に子供は好き嫌いが激しいです。そこで、しじみをいつもより美味しく召し上がれる簡単レシピを紹介したのでぜひ参考にしてください。
家族の健康を維持するためにとても貴重なしじみ。この記事を参考に、ちょっとでも栄養価が高く、美味しいしじみを家族に食べさせてあげましょう。