目次
ヨーグルトを手作りする方法
準備するもの
- ヨーグルト:100g(または、粉状の種菌2包程度)
- 牛乳:1L
- スプーン
- 容器(牛乳1Lパックを使用しない場合)
ご自宅で自家製ヨーグルトを作る場合は、「粉状の種菌」を購入してそれを基に作る方法と、「市販のヨーグルト」をそのまま種菌にして作る二つの方法があります。
粉状の種菌を使用する場合
「ケフィアヨーグルト」や「カスピ海ヨーグルト」など、スーパーで乾燥した粉状の種菌が売られていますので、それを購入して使います。
市販のヨーグルトを種菌にする場合
どのヨーグルトでも大丈夫なので、ご自分のお好きな食べなれたヨーグルトを選んでください。小さなカップで売られているヨーグルトだと、牛乳1Lに対してちょうどいい種菌の量なので、便利です。
例えば「ラクトフェリン」「プロビオヨーグルト LG21」「プロビオヨーグルト R1」など、さまざまなヨーグルトがあります。こちらのヨーグルトであれば、どれでも大丈夫なのですが、稀に固まらないヨーグルトがあるので、その場合は食べないようにしてくださいね。
牛乳を使用する場合
市販されている牛乳を1Lをパックごと使います。濃厚な味のヨーグルトにしたい場合には乳脂肪分が濃い牛乳を、逆に低脂肪牛乳を使うと、あっさりした味に仕上がります。豆乳を使うと、豆腐のような独特なヨーグルトができるようなので、牛乳と豆乳を半分ずつ使ってみるのもおもしろいかもしれません。
ヨーグルトを種菌として手作りする方法
- 下準備として1Lの牛乳パックから牛乳を約100ccを取り出しておきます。
- ヨーグルトをすくうスプーンに、熱湯をかけて消毒しますが、出来ればお鍋で煮沸消毒をした方がより衛生的です。
- 牛乳の量に対して1割程度のヨーグルト100gを牛乳に入れて、パックの口をしっかりと閉じてからよく振って混ぜます。もしくは長いスプーンで丁寧にかき混ぜます。ヨーグルトを牛乳に入れたり、それをかき混ぜたりするときのスプーンは、必ず熱湯消毒したものを使うようにしましょう。
- 牛乳パックの口をしっかり閉じて、その上からクリップや洗濯ばさみを使って、開かないようします。
- 室温が20℃~30℃であれば、常温で1~2日置いて発酵させ、固まったら完成です。
発酵温度のポイント
発酵させる際、温度によって発酵時間は変わります。気温が低いと乳酸菌が増えにくくなるので、寒い時は牛乳を20℃~30℃まで温めます。目安は500wレンジの場合でおよそ1分です。
パックの内側にアルミが張ってあったり、牛乳パックが入らない電子レンジの場合は、熱湯消毒した別の容器に移し替えてから温めるようにしてください。
固まるまではなるべく動かさないようにするのがポイントです。元のヨーグルトよりややゆるめの仕上がりになりますが、冷やすと多少固くなります。
粉状の種菌でヨーグルトを手作りする方法
- 1Lの牛乳パックの中に、ケフィアヨーグルトやカスピ海ヨーグルトなどの乾燥した粉状の種菌を2包投入します。
- パックの口をしっかりと閉じてからよく振って混ぜます。もしくは熱湯消毒した長いスプーンで丁寧にかき混ぜます。
- 室温が20℃~30℃であれば、常温で1~2日置いて発酵させ、固まったら完成です。
季節で変わる手作りヨーグルトの発酵時間
手作りヨーグルトは室温で発酵させますが、温度によって発酵時間は変わりますので注意が必要です。
春・秋(気温が20~28℃のとき)
適温なので、そのままの状態で1日半~2日(約30~48時間)程置いて発酵させることができます。
夏(気温が25~35℃のとき)
そのまま置いた状態で1日~1日半(約24時間~36時間)で発酵します。暑過ぎる時は冷房の効いている部屋や涼しい場所に置いてください。
冬(気温が15~20℃のとき)
そのままだと気温が低すぎて乳酸菌が増えにくいので、容器や牛乳パックをタオルでまいて発酵させます。1日半~2日(約36~48時間)置いておきますが、最高で60時間を目安にしてください。
真冬(気温が15~20℃のとき)
容器をタオルなどで覆って保温したり、炊飯器や電気ポットなどの電気機器のそばに置く、保温用バッグに入れて置く、カイロを使うなどして、温度が低すぎない場所で発酵させます。1日半~2日半(約36~60時間)を目安に、最長で72時間かけて発酵させます。
ヨーグルトを手作りするときの注意点
賞味期限
賞味期限は1週間以内ですが、乳酸菌は時間が経つと減っていきますし、置けばく置くほど雑菌が入りやすくなるので、早めに食べるようにしてください。
発酵時間
季節ごとの発酵時間はあくまでも目安です。室内で発酵させますので、冷暖房を一日中つけっぱなしにしているかどうかなどの室温の環境で状況は変わります。
ヨーグルトの発酵の進み方ですが、徐々に固まっていくのではなく、発酵時のほとんどの時間が牛乳のような液体の状態で、完成する2時間前くらいから急に固まり始めます。
50度以上にしない
温度が50度以上になると乳酸菌が死んでしまいます。気温が高い日には作らないなど温度調整には気をつけましょう。
衛生面に注意する
牛乳パック以外の別容器で作るときは、容器やスプーンを熱湯消毒するなどの下準備をしっかりおこなって衛生面を保ってください。
電子レンジ使用の注意点
牛乳を電子レンジで温める際、温め過ぎると種菌が死んでしまいますので注意してください。
取り置きする
出来上がったヨーグルトを食べる前に、ヨーグルトから次回作る量の10%(1Lで大さじ7杯程度)を取り置きして、繰り返し作ることができますが、最長でも6回を限度としてください。
豆乳を使ったヨーグルトの場合は2〜3回が目安となります。
種菌の保管方法
種菌は、必ず冷蔵庫に入れて保管してください。
乳酸菌の相性
個人差はありますが、ヨーグルトの乳酸菌にも相性があります。2週間程度、実際に続けて食べてみて、合わないと感じたら別のヨーグルトに変えてみましょう。
ヨーグルトメーカーで手作りする
頻繁にヨーグルトを手作りしたいという方には、面倒な温度調整がいらない「ヨーグルトメーカー」をおすすめします。市販されているヨーグルトメーカーを使えば、温度調節にストレスを感じることもなく、ヨーグルトと種菌を混ぜてセットするだけで、一年中いつでも簡単に美味しいヨーグルトを作ることができます。
ヨーグルトを手作りするメリット
経済的
手作りで使う材料は牛乳と種菌だけ、しかも最初の種菌を丁寧に残しておくと、また使えるので経済的です。
新鮮
作りたてを食べることができるので、新鮮なうえに栄養が損なわれず美味しく召しあがれます。
無添加
市販のヨーグルトは増粘材を使用していますが、種菌から作るヨーグルトは無添加です。
好みに合わせる
豆乳や低脂肪乳、100%生乳などを使って自分好みのヨーグルトを味わうことができます。
手作りヨーグルトの効果
手作りのヨーグルトに限らず、ヨーグルトは牛乳に乳酸菌や酵母を入れて発酵させたものですので、腸内の善玉菌を増やし、乱れた腸内環境を改善させることができます。
免疫力アップ
腸内環境が整っていると、免疫機能がしっかり働き、病気のもとになる菌の感染を防いでくれます。
花粉症対策
腸の壁にある絨毛には、強い免疫細胞が多く集結していますので、ウイルスや細菌の侵入を防ぎ、アレルギー症状を緩和してくれる効果があります。
美容・ダイエット
腸内に老廃物があると、悪影響を身体に及ぼす毒素を排出します。代謝を良くして老廃物の排出が促進されることで、肌をきれいに保つことができ、美肌やダイエットに結びつきます。
「ホエー」と言われるヨーグルトを水切りした後に残る水分には、ビタミンやミネラルなど、栄養素が豊富に含まれています。捨てずにそのままかき混ぜて食べるか、スープやカレーなどのお料理に入れて使うようにしましょう。
最後に
特別な道具を準備しなくても、ご自宅で手軽にヨーグルトを手作りすることができることをおわかりいただけましたでしょうか?ヨーグルトは昔から食べられている発酵食品です。適度な温度で乳酸菌が増えると、その乳酸菌が排出した「乳酸」が牛乳の中のタンパク質に作用し、固まっていくというのが、ヨーグルトの原理です。
それでは皆さん、健康維持のためにもぜひヨーグルトを手作りしてよりよい善玉菌ライフをお送りください。