換気扇が壊れてしまうNG行為7選…その「つけっぱなし」が危険かも?

換気扇はキッチンや浴室の空気をきれいに保つ大切な設備ですが、使い方や日頃のお手入れを間違えると、故障のリスクが高まります。この記事では換気扇が壊れる原因となるNG行為を詳しく解説します。

換気扇が壊れる原因は意外と身近にある

換気扇の拭き掃除をしている主婦

油が飛び散ったキッチンや湯気で曇った浴室で、毎日何気なく回している換気扇。ふと気づくと音が以前より大きくなっていたり、吸い込みが弱くなっていることはありませんか?

実はそれ、換気扇が壊れ始めているサインかもしれません。

換気扇は私たちの生活で欠かせない設備ですが、日常のちょっとした行動が原因で、簡単にダメージを受けてしまいます。換気扇が壊れてしまえば修理や交換に数万円の費用がかかることも珍しくなく、生活にも大きな影響を与えます。

普段から壊れる原因を知り、避けることで、設備を長持ちさせましょう。

換気扇が壊れてしまう7つのNG行為

換気扇の寿命は?

換気扇を壊す原因は、普段の何気ない使い方や間違ったメンテナンスです。ここでは特に身近で、ついやってしまいがちなNG行為を一つずつ具体的に説明します。

1. 汚れたまま使い続ける

換気扇は台所の「肺」のような存在です。毎日空気を吸い込み、油汚れやホコリが次々と蓄積します。特に揚げ物や炒め物をすると、目に見えないほど細かな油が換気扇に貼り付きます。放置すると、わずか1ミリ程度の油膜でもファンはずっしりと重くなり、軸の回転バランスを崩します。

するとモーターは重さに耐えながら唸りをあげ、次第に大きな負担がかかっていきます。この状態が続くと、換気扇は異音を立て始め、吸い込む力が弱まってしまいます。さらに悪化すれば、ファンやモーターが完全に故障してしまう可能性もあります。

特にキッチンで使われるレンジフードのシロッコファンは、複雑な形状から汚れが溜まりやすく、放置するとすぐに機能が低下します。定期的に油やホコリを落として、換気扇の負担を軽くしてあげましょう。

2. 電源を入れたまま掃除をする

換気扇の掃除は大切ですが、「うっかり電源を切り忘れたまま作業をする」という人が意外と多くいます。換気扇はモーターや配線を使った電気設備なので、通電したまま掃除をするとショートや感電の危険性があります。

掃除中に誤ってスイッチを押してしまえば、回転するファンでケガをする可能性も否定できません。水や洗剤を使った掃除を行う場合、モーターや配線に水分が入り込むことで、故障の原因にもなります。

掃除を始める前は、必ず壁のスイッチをオフにし、可能であればブレーカーも切りましょう。コンセントタイプの場合は、掃除前に必ずプラグを抜いてください。こうした少しの手間で、安全性が大幅に高まります。

3. 潤滑油の代わりに別の油を使う

換気扇の回転が悪くなった時、つい手元にあった潤滑スプレーを吹き付けたくなることがあります。実はこれが、最も多い誤使用の一つです。

最近の換気扇には、潤滑油の注油が必要ない「密閉型ベアリング」が多く使われています。それ以外の機種でも、指定された専用グリスやモーターオイルを使用する必要があります。

一方、家庭用の浸透性潤滑剤(クレ556など)を使うと、一時的に滑りが良くなるように感じますが、本来のグリスを流出させてしまいます。さらにホコリを吸着しやすくなり、数日後には「キュルキュル」と不快な異音が発生し、逆に回転が悪化する場合があります。

潤滑油を使う場合は、必ず取扱説明書に記載された専用の油を選びましょう。

4. 換気扇を湿気や水滴が多い状態で放置する

浴室の換気扇は湿気がある環境で使用する前提で設計されていますが、あまりにも湿気や水滴が多い状態が長く続くと故障の原因になります。

特に入浴後に換気扇をすぐ停止すると、内部に湿気や水滴が残ったままになり、モーターやベアリングなどの金属部品が錆びやすくなります。錆が進行すると動作に不具合が生じ、回転が鈍くなったり異音がするようになります。

入浴後は最低でも20~30分ほど換気扇を回し続けて、内部をしっかり乾燥させることが大切です。こうすることで、換気扇の寿命を延ばすだけでなく、浴室全体のカビ予防にも役立ちます。

5. 空気の通り道をふさいで換気扇を回す

換気扇は室内の汚れた空気を外に排出するため、新しい空気が入る「給気口」が必要です。しかし、給気口が家具や荷物でふさがれていたり、窓やドアを密閉した状態で換気扇を動かしたりすると、モーターが無理に空気を吸い込もうと負荷が高まります。

このような状態が続けば、換気扇の吸い込みが弱くなり、最悪の場合、モーターの過熱や故障につながります。

給気口のない家の場合でも、ドア下部の隙間(アンダーカット)をふさがないようにするだけで十分な給気を確保できます。空気の流れを意識して、換気扇が無理なく動ける環境を作りましょう。

6. 普通の換気扇をつけっぱなしにする

換気扇の中には24時間運転に対応したモデルもありますが、一般的なキッチンや浴室の換気扇の中には、24時間稼働を前提としていない機種も存在します。そうした機種を長時間連続で使用すると、汚れが蓄積し、モーターやベアリングが劣化して壊れやすくなります。

特にキッチンなど油煙が多い場所では、連続稼働すると油汚れが短期間で溜まり、定期的な掃除が追い付かなくなることもあります。汚れが蓄積した状態で運転を続けると、換気性能が著しく低下し、結果として寿命も縮めます。

特別な連続運転機能を持っていない一般的な換気扇は、使用後にはこまめに電源を切ることをおすすめします。

7. 無理な分解や自己修理をする

換気扇の調子が悪いと、つい自分で分解して修理したくなるかもしれませんが、これは非常に危険です。換気扇の内部にはモーターや配線など複雑な部品が組み込まれており、専門知識がないまま分解すると、部品を壊したり配線を断線させたりする恐れがあります。

また、金属製のヘラなどを使って強引に汚れをこそぎ落とそうとすると、本体の塗装が剥がれ、そこから錆が広がる原因にもなります。

換気扇内部の修理や分解は必ず専門業者に任せ、日頃のメンテナンスも無理なくできる範囲に留めましょう。

換気扇が壊れる前に出るサイン

潤滑油を使っていない

換気扇は突然動かなくなるのではなく、多くの場合は故障する前に小さなサインが現れます。次のような症状が出ている場合は注意が必要です。

  • 換気扇から普段とは違う異音(キュルキュル、ゴーなど)がする
  • 吸い込む力が明らかに弱くなった
  • スイッチを入れても回り出すまでに時間がかかる
  • 運転中に振動が強くなった
  • 換気扇周辺から焦げ臭いにおいがする

これらの症状が見られたら、早めに掃除や点検を行いましょう。軽い症状の段階で手入れをすれば、大きなトラブルを防ぎ、交換や修理の費用を抑えられます。

まとめ

業者に頼むのも一つの手

換気扇が壊れる原因は特別なものではなく、日常のちょっとした行動に潜んでいます。特にキッチンの換気扇は油汚れの蓄積が、浴室の換気扇では湿気の残留が故障を招きます。使用環境や日頃の掃除頻度によっては、換気扇の寿命が10年未満になることも珍しくありません。

大切なのは、換気扇を意識的にいたわることです。少しの手間を惜しまないことが、換気扇だけでなく家全体の空気環境を改善し、暮らしの安全を静かに守ることにつながります。

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