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空き巣に入られたらどうすればいい?
空き巣被害は誰にでも起こりえます。もし自宅が空き巣に入られた場合、多くの人はパニックになり、何をすべきか判断に迷ってしまいます。
そんな時に誤った行動をとると、命の危険やさらなる被害拡大につながることもあります。被害を最小限に抑え、安全を確保するためには、まず何をしてはいけないのかを知ることが重要です。
この記事では、空き巣に入られた際に絶対に避けるべき行動と、被害に遭ったときの正しい対処法をお伝えします。
空き巣に入られた際に絶対避けるべきNG行動
空き巣被害に遭った時は、つい気持ちが焦り冷静さを失いがちですが、その状態でとってしまう行動には、思わぬリスクがあります。
ここでは空き巣被害直後に絶対にやってはいけない行動とその理由を具体的に解説します。
①家の中にすぐに入る
自宅が空き巣に入られたことに気づいたら、まず絶対に家の中に入ってはいけません。泥棒がまだ室内に隠れている可能性があります。
もし室内に侵入した場合、犯人と鉢合わせしてしまい、予測できない危険な状況に陥ることがあります。実際に泥棒が家の中で隠れていて、住人と遭遇したことによって凶暴化し、暴行事件に発展した例もあります。
家の中が気になっても、必ず警察が到着するまで外で待機しましょう。
②犯人に自分で立ち向かう
自宅に入った瞬間に空き巣犯と遭遇してしまった場合、動揺して自分で犯人を捕まえようとしてしまう人もいます。しかし、これは極めて危険な行動です。
空き巣犯は発見されることを恐れています。そのため見つかったことで動揺して逆上し、凶器を使った攻撃をしてくることがあります。
犯人に直接対抗するのではなく、冷静にすばやく外へ逃げ、安全な場所から警察に通報することが最も安全な行動です。
③散らかった部屋をすぐに片付ける
空き巣に入られた後の部屋は、引き出しやタンスが荒らされ、貴重品がなくなっていることもあります。多くの人が部屋の惨状を見て動揺し、「早く元通りに戻したい」と思い、つい片付けを始めてしまいます。
しかし、これは絶対に避けるべき行動です。部屋を片付けると犯人の指紋や足跡、髪の毛などの証拠が失われてしまう可能性が高まります。警察が現場検証を終えるまでは、どれだけ散らかっていても現場に触れないことが大切です。
④被害状況をSNSで発信する
空き巣の被害を受けると、ショックを受け、友人や知人に状況を伝えたくなることがあります。しかし、SNSを通じて安易に状況や写真を投稿するのは非常に危険です。
投稿した情報を犯人が見ている可能性があります。家の間取りや家財の位置、被害状況などが知られることで、再度狙われるリスクが高まります。さらに、旅行や外出のスケジュールなど個人情報がSNSに残っていると、次の被害につながる恐れもあります。
警察の捜査が終わり、防犯対策が整うまで情報発信は控えるべきです。
⑤カードや通帳の停止を後回しにする
財布や通帳、キャッシュカードが盗まれてしまった場合、「まだ大丈夫だろう」と後回しにするのは大きな間違いです。空き巣は盗んだものを短時間で悪用することがあります。
カードや通帳は不正利用されると、金銭的な被害が急速に拡大します。また、暗証番号が推測しやすい番号だった場合、銀行やカード会社から被害額の補償が受けられないこともあります。
被害が発覚したら即座にカードや通帳を停止し、不正利用を防ぐための行動を取る必要があります。
空き巣に入られた後にすぐやるべき行動
空き巣被害に遭った直後は動揺してしまうものですが、適切な行動を取ることがその後の被害を最小限に抑えるカギになります。
ここでは、空き巣被害が発覚した直後にすぐに行動すべき具体的な手順を詳しく解説します。
まず安全な場所から警察に通報する
空き巣被害に気付いたら、まずは自宅に入らず安全な場所まで離れ、速やかに警察(110番)に通報してください。通報時は動揺することもありますが、以下のポイントを意識して伝えると効果的に状況が伝わります。
- 自分の名前・住所・連絡先
- 帰宅した時刻
- 発見した時の状況(玄関が開いている、窓が割られているなど)
- 犯人を見た場合、その特徴(服装・性別・人数など)
通報後は警察が来るまで安全な場所で待機し、自宅には入らないようにしましょう。
警察とともに被害状況を確認する
警察が到着したら、警察官とともに室内へ入り被害状況を確認します。この際に必要以上に物に触れないよう注意しましょう。警察官からの質問には正確に答え、被害箇所やなくなった物品について、なるべく細かく説明することが重要です。
被害届を提出して「受理番号」を控える
被害の状況を確認した後は、警察の指示に従って「被害届」を提出しましょう。被害届を提出すると、正式に警察の捜査が始まります。また、被害届提出時に発行される「受理番号」は後ほど保険金の請求や手続きに必ず必要となります。必ず忘れずに控えておきましょう。
盗難品の確認とリスト作成を行う
被害状況の確認後は、警察官の指示に従い、盗難された可能性のある品物をリストアップします。品名だけでなく、特徴やメーカー名、型番など、可能な限り詳細な情報を記録しておくことが大切です。
次の品物は特に盗難されやすく、悪用されるリスクが高いため、優先的に確認しましょう。
- キャッシュカード、クレジットカード、通帳
- 実印や銀行印などの印鑑類
- 運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカード
- スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど電子機器
- 合鍵(自宅や車、職場など)
盗難品のリスト作成は後日、保険会社への申請や各種手続きにも役立つため、正確かつ詳しく作成してください。
金融機関やカード会社に緊急連絡を行う
盗まれた物が明確になったら、特にキャッシュカードやクレジットカードについてはすぐに金融機関やカード会社に連絡し、利用停止の手続きをしてください。不正利用を防ぐためには一刻も早い対応が不可欠です。
- 各金融機関の専用ダイヤルに連絡する
- 停止処理と再発行手続きを依頼する
- 通帳やカードの利用履歴の確認を依頼する
迅速な対応が金銭的被害を最小限に抑えるために極めて重要です。
空き巣被害の後に必要な手続きと再発防止策
空き巣被害の直後は緊急の対応が優先ですが、その後もやるべき手続きや再発防止策があります。ここでは被害発覚後、落ち着いた段階で進めるべき重要な手続きと再び狙われないための防犯対策について解説します。
保険会社に連絡して被害の補償を申請する
多くの方が加入している火災保険や家財保険には、空き巣による盗難被害を補償する内容が含まれている場合があります。
保険会社に速やかに連絡し、被害状況や警察で発行された被害届の受理番号を伝えて、保険金請求手続きを開始してください。保険の種類によって補償内容や申請方法は異なるため、契約書類を確認しながら手続きを進めることが重要です。
盗まれた重要書類や身分証を再発行する
盗難された物品の中に身分証明書や重要書類が含まれている場合、それぞれの再発行手続きも必要になります。身分証は犯罪に悪用されるリスクがあるため、すぐに手続きしましょう。
- 運転免許証は警察署または運転免許センターで再発行
- 健康保険証は勤務先や自治体の窓口で再発行
- パスポートは各都道府県のパスポートセンターで再発行
- マイナンバーカードは居住地の自治体窓口で再発行
書類再発行には本人確認が必要となるため、手続きの際は事前に必要書類や手続き方法を確認しましょう。
壊された場所を修理し防犯性を高める
空き巣が侵入した際、ドアや窓などが壊されているケースがあります。こうした被害箇所は、なるべく早く修理して家の安全性を確保することが重要です。
特に侵入経路となった鍵は、防犯性の高いディンプルキーなどに交換すると再侵入防止につながります。賃貸住宅の場合は、すぐに管理会社や大家さんに連絡し、対応を相談してください。
再び狙われないための防犯対策を行う
一度空き巣に入られた家は、「入りやすい家」として再び狙われるリスクが高まります。被害を繰り返さないためには防犯対策を強化し、侵入を難しくすることが必要です。
- 窓ガラスに防犯フィルムを貼り、簡単に割れないよう強化する
- 補助錠を取り付けて二重の施錠をする
- センサーライトを設置して侵入者を目立たせる
- 防犯カメラを設置し、録画機能を有効にする
- * 対策は複数の方法を組み合わせることでより高い効果を発揮します。
精神的なショックから回復する
空き巣被害に遭うと、金銭的な損害だけでなく精神的なショックも非常に大きいものです。「自宅」という最も安心できる場所が侵害されたことで、不安感や恐怖感が長引くことがあります。
一人で悩まず、家族や友人に相談したり、必要であれば専門家の心理的サポートを受けることも大切です。また、荒らされた室内を自分の手で片付け、日常を取り戻す行動も、心の回復につながります。
まとめ
空き巣被害は、思いがけず生活を大きく揺るがす出来事です。しかし、「自分は大丈夫だろう」という過信が被害拡大につながることも少なくありません。
日頃から緊急時の対応を家族で共有しておくこと、地域の犯罪情報に関心を持ち、防犯意識を高めることが何より重要です。防犯対策は事件が起きてからではなく、普段から取り組んでこそ最大の効果を発揮します。