目次
家電量販店で値引き交渉をすることは悪いことではない
家電量販店で家電製品を購入するとき、少しでも安く買いたいと思う人は多いでしょう。しかし、「値引き交渉をすると店員に迷惑ではないか」と不安になる人も少なくありません。
結論として、家電量販店で値引き交渉をすること自体は決して悪いことではありません。
家電量販店では価格競争が激しく、店側もお客さんが値引きを求めることを想定しています。ただし、どのように交渉するかによって、店員の印象は大きく変わります。
家電量販店の値引き交渉で避けるべき10のNG行為
家電量販店で値引き交渉をする際、店員の気持ちを無視した行動は逆効果になります。店員に嫌われると、本来なら可能だった値引きもできなくなってしまいます。
以下では、特に避けるべき交渉のNG行為を詳しく解説します。
①高圧的な態度で交渉する
値引き交渉をするとき、店員に対して強い口調や命令口調で接するのは絶対に避けましょう。店員も人間ですので、態度の悪いお客さんに値引きをしてあげたいという気持ちになれません。むしろ「この人には絶対に値引きしたくない」と感じ、交渉が難しくなってしまいます。
店員は、丁寧に接してくれるお客さんに対して値引きをしたいと感じるものです。礼儀正しく、謙虚な態度でお願いすることが交渉成功の基本です。
②購入意思がはっきりしないまま交渉する
本当に買うつもりがないのに、値引き交渉だけをするのはやめましょう。購入の意思が曖昧なまま交渉をすると、店員は真剣に取り合ってくれません。「安くなったら買うかも」といった曖昧な態度では、店員側も値引きを頑張る必要がないと判断してしまいます。
店員に「値引きしてくれたら、必ず今日買います」といったはっきりした意思を示すことで、店員も積極的に値引き交渉に応じてくれます。
③インターネットの最安値以下を要求する
インターネット上では、店舗よりも安い価格で家電製品が売られていることがあります。しかし、家電量販店には人件費や店舗運営費などのコストがかかっており、ネットの最安値を下回る価格は現実的に難しいことがほとんどです。
インターネットの最安値を理由に過度な値引きを要求すると、「無理を言うお客さん」として店員に悪印象を与えてしまいます。値引きをお願いするときは、他の家電量販店の見積もりなど、実際の店舗間での価格差を参考に交渉すると成功しやすくなります。
④指定価格商品にしつこく値引きを求める
家電量販店では「指定価格商品」という、メーカー側が販売価格を決めている商品があります。これらは、店舗が自由に値引きできない仕組みになっています。そのため、指定価格の商品に対して値引きをしつこく要求しても、店舗側はどうしようもありません。
こういった商品には値引き以外のサービス(ポイント還元や保証の追加など)を相談するほうが、お互い気持ちよく買い物できます。
⑤商品説明を聞かず、いきなり値段の話をする
商品について説明をしている途中で、いきなり値段の話を切り出すのは、店員のモチベーションを下げます。店員は商品の良さを伝えようとしているので、それを無視して価格交渉に入ると「商品に興味がないのかな」と思われ、値引きの提案を出しにくくなります。
まずはしっかりと商品の説明を聞き、興味や理解を示した上で交渉すると、店員も親身になって交渉に応じてくれます。
⑥「常連客だから」と値引きを迫る
家電量販店には、数え切れないほど多くのお客さんが毎日訪れます。そのため、自分が常連客であることを理由に特別な値引きを求めるのは、あまり効果がありません。
大手の家電量販店では、ポイントカードや購入履歴などがシステム管理されているため、店員が個人客を顔で覚えているケースは稀です。店員が覚えていたとしても、常連だからといって特別な値引きをする決まりもありません。
むしろ、「自分は特別な客だ」とアピールするような態度をとると、店員に悪印象を与えてしまいます。謙虚に交渉を進めるほうが、スムーズに値引きを引き出しやすくなります。
⑦店長を無理やり呼び出す
値引き交渉が思うように進まないからといって、「店長を呼んでください」と強引に頼むのは避けましょう。
店員は基本的に店舗のルールや範囲内で値引き対応を行っているため、店長を呼んだからといって状況が好転するわけではありません。逆に、店長を呼び出すことで店員は上司に迷惑をかけたくないという心理が働き、かえって値引きが難しくなってしまいます。
本当に店長クラスの人に相談したい場合は、「失礼ですが、もう少し権限のある方とご相談できますか?」と丁寧にお願いするのがベターです。
⑧無関係なおまけを要求する
購入する家電製品とまったく関係のない商品を「おまけして欲しい」と要求するのは避けましょう。例えば、洗濯機を買うのにイヤホンをおまけにつけて欲しいといった要求は店員を困らせるだけです。
家電量販店では、「延長保証」「ポイントの増量」「設置・配送料サービス」など、関連するサービスでの交渉のほうが実現性があります。無関係なものを求めるよりも、購入品に関連したサービスを相談することをおすすめします。
⑨他店と比較しすぎる
他の家電量販店と価格を比較して交渉すること自体は問題ありません。しかし、あまりにも頻繁に「他店ではもっと安かった」「他の店で買おうかな」といった発言を繰り返すと、店員は「この人はうちで買う気がない」と感じます。
お店側は、値引きをしても自分の店で購入してくれる可能性が低いお客さんには積極的に対応しません。比較する場合は、実際の他店の見積書や価格表を提示し、「こちらの価格に近づけられますか?」という形で具体的に相談するのが良いでしょう。
⑩嘘や根拠のない情報で交渉する
値引きを引き出すために「他店はもっと安い」「この商品はすぐにモデルチェンジする」など、事実と異なる情報を伝えるのは絶対に避けましょう。店員は業界の情報に詳しいため、嘘や根拠のない話はすぐに見抜かれてしまいます。
一度嘘がばれると、店員は「信用できないお客さん」と判断し、その後の値引き交渉にも応じにくくなります。値引き交渉は誠実であることが大切です。根拠のある情報を提示しながら交渉を進めていきましょう。
家電量販店で値引き交渉をうまく進めるヒント
家電量販店での値引き交渉は、やり方次第でスムーズに進めることができます。以下に交渉を成功させるためのポイントを詳しくご紹介します。
値引きしやすい時期を知る
家電量販店が積極的に値引き対応をしてくれるのは、主に決算期やモデルチェンジのタイミング、在庫処分セールの時期です。特に、3月の本決算や9月の中間決算は、各店舗が売上を伸ばすために値引きに前向きになる傾向があります。
また、新しいモデルが発売される前や在庫が余っている商品の場合も、値引きが通りやすくなります。こうした時期を狙うと、スムーズに交渉が進むでしょう。
複数の家電をまとめて買う
複数の商品を一度に購入すると、店側としても売上が確保できるため、より積極的に値引きを検討してもらえます。特に、冷蔵庫と洗濯機、エアコンとテレビといったセット購入の場合は、交渉の余地が広がります。
「まとめて購入するので、少しお値引きいただけますか?」という形で具体的に相談すると、店側も値引きの理由がはっきりして、応じやすくなります。
購入意思をはっきりと伝える
値引き交渉では、「買うかどうか迷っている」という曖昧な態度はあまり効果がありません。それよりも、「この価格になったら今日必ず買います」「予算内に収まれば今決めます」とはっきり意思表示することで、店員は交渉に真剣に向き合ってくれます。
明確な購入意思があると、店員側も「このお客さんのために値引きを検討しよう」という気持ちになりやすいです。
他の店舗の見積もりを提示する
他店と価格を比較して交渉することは、現実的で効果的な方法です。ただし、口頭で「他店は安かった」と伝えるだけでは信憑性に欠け、あまり効果がありません。
他店から出してもらった見積書や公式ウェブサイトの価格表など、具体的な根拠を提示することで、店員が上司に値引きを相談する際の材料となり、交渉を有利に進められます。
値引き以外の方法も提案する
値引き交渉が難しい場合でも、ポイントの上乗せ、延長保証の無料化、設置料・配送料のサービスなど、他のサービスでの交渉が可能な場合があります。
値引きが難しいと言われても諦めず、「値引きが難しいのであれば、ポイントを少し追加してもらえませんか?」などと提案することで、店舗側も検討しやすくなり、お互いに納得できる結果が得られます。
家電量販店での交渉マナー
家電量販店で値引き交渉をする際には、お店と自分、双方が気持ちよく取引できるように心がける必要があります。店員との良い関係が築ければ、結果として交渉も成功しやすくなります。
ここでは、値引き交渉で意識したいマナーを解説します。
丁寧な言葉遣いを心がける
店員も感情を持った人間です。横柄な態度や馴れ馴れしい口調は、店員に不快感を与えてしまいます。値引き交渉を行う際には、「大変恐縮ですが」「お手数ですが」など丁寧な言葉を使いましょう。相手への敬意を忘れず、誠実な態度で接することが大切です。
店員の説明をしっかり聞く
店員は、お客様に商品を理解してもらい、納得して購入してもらうために説明をしています。その説明を遮っていきなり値段の話をすると、「商品の良さに興味がない」と思われ、交渉がうまくいかなくなります。
商品説明を聞いて理解を示したうえで、「とても気に入りました。ただ予算が限られているので、少し値引きをお願いできませんか?」という流れで進めると、店員も積極的に協力してくれるでしょう。
無理な場合は潔く引く姿勢を見せる
店員が値引きを断ったり難しい顔をしたりした場合は、それ以上強引に要求しないことがマナーです。無理に粘ると「迷惑なお客さん」という印象を与え、かえって交渉が悪化します。
交渉が難しいと感じた場合は、「そうですか、わかりました。他に何かご提案いただける方法があれば教えてください」と柔軟な姿勢を見せることが重要です。
値引きを受けたら感謝を伝える
値引き交渉が成立したら、必ず店員に「ありがとうございます」と伝えましょう。感謝の言葉を伝えることで、店員もお客様に協力して良かったという気持ちになり、次回以降の交渉でもよりスムーズに進めやすくなります。
まとめ
家電量販店で値引き交渉を成功させるポイントは、「相手の立場」を意識することです。店員も人間である以上、嫌な態度を取られたり無理な要求をされたりすれば、不快に感じるものです。
交渉を単なる「値引き要求」と捉えるのではなく、お店と自分の双方が気持ちよく取引できる「コミュニケーションの場」として考えると良いでしょう。
また、どうしても値引き交渉が苦手な方は、店舗のポイントキャンペーンや決算期の特売など、交渉せずにお得に購入できる方法を選ぶのも賢明な手段です。