『世界で最も税金が高い国』ランキングトップ5 なぜそこまで高いの?日本はどれくらい?

近年、日本は徴収される税の多さで実質賃金が低いと感じる人が増えています。では、他の国の人々はどのくらい税金を徴収されているのでしょうか。本記事では、『世界で最も税金が高い国』をランキング形式でご紹介します。

税金の高さに貧困も…生活苦を感じる日本人

近年、日本では実質賃金が低いことに不満を持つ人が増えています。給料が上がっても、そこから引かれる税金や社会保障料などが非常に多く、手元に残る実際の生活資金が少ないからです。

また、物価高の影響も加わり、一昔前から給料は上がっているものの、その物価高に余裕を持って対応できるほどの手取り賃金はないため、より生活苦を感じる人が増加傾向にあります。

「現代の日本で生きるのは苦しい」と感じる日本国民ですが、他国では税金がどのような仕組みで徴収・使用され、またそれに対して国民はどのような感情を抱いているのでしょうか。

今回は世界の中でも最も税金が高いと言われている国やその理由、そして日本の税の徴収率は世界的に見て高いのか、低いのかをみていきます。

『世界で最も税金が高い国』ランキングトップ5

世界で最も税金が高い国を最新データをもとにランキング形式で紹介していきます。生活苦を感じている国民が多い日本は、上位にランクインしているのでしょうか。

第5位 オーストリア

オーストリアは消費税(付加価値税)の標準税率が約20%前後と非常に高いため、税金の高い国という印象を持つ人も多いでしょう。実際は生活に関する消費税は10%、文化的な施設の利用料や対象物は13%と、非常に細かく分かれています。

また、所得税が高いことも有名です。年収によって異なりますが、年収11,000ユーロ以上は25%〜55%の所得税がかかります。ただし、こちらは保険料などを差し引いた後の手取りにかかる税率です。

これほどまでに税金が高いと国民の不満は相当なものでは、と思われがちですが、実はオーストリアの幸福度は非常に高く、文化や教育にたくさん税金が使われているため、その使途に国民も納得しているようです。

第4位 フランス

ヨーロッパの中でもフランスは消費税が20%と非常に高く、所得も所得税に加えて社会保障関連税という税金が10%以上かかるため、多くの税金を徴収されていることがうかがえます。

幸福度も先進国の中では高いと言えないフランスですが、2018年には増税や生活費高騰などを理由にデモが起きた背景もあるので、日本も他人事ではありません。

しかし、社会保障制度は非常に充実しており、幼稚園から大学までの教育費は無償、医療保険は医療費の99%をカバー、年金の支給開始年齢も62歳とヨーロッパの中でも早く、こうした税金の使途には納得している国民が多いようです。

第3位 デンマーク

デンマークは所得税や労働市場税などを合わせると、55.9%という非常に高い税金が徴収されています。しかし、国民の多くはこの税率に不満を持つ人が少ないそうです。

なぜならば、デンマークは所得が増えても総合税率が55.9%を上限に超えないよう調整されており、これ以上に課税されることはないと法律で制定されているからです。国民としても「仕事を頑張ってもこれ以上、徴収されることはない」と理解している点は大きいのでしょう。

また、教育費や医療費、介護費は基本的に無償で、政府が国民から徴収した税金で賄っています。このように多くの税を徴収されても、しっかり国民に還元されているため、国民の理解を得られているのです。

第2位 日本

そして我が国・日本が世界でも第2位という重税大国であることが発覚しました。

日本は所得税に上限がなく、所得が高くなるほど累進税率が上昇する仕組みなので、年収が5,000万円を超えると実質55.945%まで徴収される税率が上がります。

さらに前述した税金に加えて、健康保険や年金保険料は14.75%も給料から引かれる計算になるため、実質的な手取り額は5割を切るという非常に苦しい生活を強いられている状況です。

徴収された税金が国民にしっかり還元されているかと問われると、多くの国民がその使い道に不満を抱いており、納得を得られているとは言い難いのが現状でしょう。

第1位 アルバ

オランダ王国の構成国であるアルバは、観光立国であるがゆえ、その観光業を支えるために国民への課税が重くのしかかっている現状です。

所得税の最高税率は58.95%に設定されており、加えて給料から社会保険料が天引きされています。消費税は約7%と日本に比べると控えめです。

ただし、アルバの所得税は高額所得層(年収約10万米ドル超)に適用されるものだといい、一般層への負担はさほど大きくないと思われます。

また、そもそもアルバの国民は富裕層が多く、生活水準も高いため、他の国に比べると所得税を多く支払える層が厚いとの意見もあるようです。

徴収された税金が国民の幸福度に反映されることが重要

いかがでしたか。他の国を見てみると、多くの税金が徴収されているからといって、必ずしも国民が不満を持っているわけではありません。なぜならば、政府が徴収した税金を国民が納得できる使途に補填し、国民が生活のしやすさを実感しているからです。

多くの税金や社会保障料を徴収するのであれば、日本でも国民が「生活に反映されている」「暮らしやすい」と思えるような使い方をしてほしいですね。

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