IHクッキングヒーターで絶対やってはいけないNG行為8選!事故や故障の原因とは

IHクッキングヒーターは火を使わないため安全と思われがちですが、誤った使い方をすると火災や故障につながります。実際に起きた火災事故の例を踏まえ、絶対にやってはいけないNG行為を詳しく解説します。

IHクッキングヒーターは本当に安全なの?

IHクッキングヒーターと調理器

近年、自宅のキッチンでIHクッキングヒーターを使う家庭が増えています。火を使わず、温度が一定以上になると自動で停止する安全装置が搭載されているため、多くの人が安全だと考えているでしょう。

しかし、IHクッキングヒーターでも使い方を誤ると火災や故障、やけどといったトラブルが起きる可能性があります。実際にIHが原因の火災も毎年報告されています。「うちはIHだから火災の心配はない」と油断せず、正しい使い方を改めて確認しましょう。

IHクッキングヒーターで絶対に避けるべきNG行為

ここでは、IHクッキングヒーターを使用する際に、特に避けるべき危険なNG行為を詳しく紹介します。どのような行為がなぜ危険なのか、具体的に確認しておきましょう。

1. 揚げ物を「揚げ物モード」以外で行う

IHクッキングヒーターを使った揚げ物調理中の火災事故が後を絶ちません。その原因の多くは、揚げ物専用のモードを使わず通常モードで油を加熱したことにあります。

揚げ物モードは油の温度を一定に保つために、自動的に温度を調整します。一方、通常モードでは油の温度を正確に管理できません。少量の油だと急激に温度が上昇して、油の発火点(約360℃)に到達しやすくなります。

IHクッキングヒーターで安全に揚げ物を行うためには、以下のポイントを必ず守りましょう。

  • 揚げ物専用モードを使用する
  • 取扱説明書で指定されている油の量を守る
  • 揚げ物中は絶対にその場を離れない

2. 調理器具以外の物をトッププレートに置く

IHクッキングヒーターのトッププレート上に置いて良いのは、IH対応の調理器具だけです。調理器具以外の物を置くと、予想外の事故につながります。

例えば、アルミ箔や缶詰、ガスボンベ、湯たんぽなどを誤って加熱すると、熱による爆発や発火の可能性があります。IHは磁力で鍋やフライパンを加熱しますが、金属製品がトッププレート上にあると、意図せず加熱されてしまうことがあるのです。

また、IH炊飯器など別の電磁調理器具を乗せるのも危険です。磁気の干渉により故障の原因となるため、絶対にやめましょう。

3. 空焚きをする、もしくはつけっぱなしにする

IHクッキングヒーターを空焚き状態にすると、鍋底が異常に高温になります。IHには空焚きを防止する安全機能が搭載されていますが、すべての状況で作動するわけではありません。鍋が赤熱するほどの高温になり、その状態で油を入れると瞬間的に発火します。

また、つけっぱなしの状態で放置するのも非常に危険です。温度が上昇し続け、自動停止機能が作動しないケースもあります。外出時やキッチンを離れる際は必ず電源を切るようにしましょう。

4. トッププレートの汚れ防止シートを使用する

トッププレートの汚れ防止シートは一見便利に見えますが、絶対に使ってはいけません。シートを敷くとIHクッキングヒーターの温度センサーが作動しにくくなります。温度が正しく検知できないと過熱状態が続き、最悪の場合、発火や火災事故につながります。

シートは使用せず、調理後に柔らかい布で早めに拭き取る習慣をつけましょう。

5. 金属たわしや強い洗剤で掃除をする

IHクッキングヒーターのトッププレートは強化ガラスで作られています。金属たわしや研磨剤入りのクレンザーなどでこすると、表面に細かい傷がつきます。この傷から割れたり、熱が均一に伝わらなくなって事故の原因になることがあります。

また、酸性やアルカリ性の強い洗剤を使うと、ガラス表面のコーティングが剥がれ、変色や劣化につながります。IHを掃除する際は、以下の点に気をつけましょう。

  • 中性洗剤と柔らかい布を使う
  • 直接洗剤をスプレーせず布に染み込ませる
  • トッププレートが冷めてから掃除を行う

6. 吸気口や排気口をふさぐ

IHクッキングヒーターの側面や背面には吸気口や排気口があります。ここをふさいでしまうと、機械内部の熱が逃げなくなり、内部が過熱して故障や火災につながります。

特に狭いキッチンや物が多い場所では、つい物を置いてしまいがちです。吸気口・排気口の周囲には何も置かず、熱がスムーズに排出されるようにスペースを確保してください。

7. 底が変形した鍋やIH非対応の鍋を使う

IHクッキングヒーターは鍋やフライパンそのものを直接加熱します。そのため、底が変形している鍋を使うと、IHと鍋底の接触面が安定せず、一部分だけが過熱状態になり、最悪の場合は鍋底が赤熱して火災につながります。

また、IH非対応のアルミ製や土鍋、耐熱ガラス鍋などを使用すると、鍋をIHが検知しなかったり、逆に予想外に加熱されたりする危険があります。必ず底が平らなIH対応の鍋を使い、調理前に変形や破損がないか確認しましょう。

8. トッププレートに強い衝撃を与える

IHのトッププレートは強化ガラス製で頑丈そうに見えますが、強い衝撃には弱いという性質があります。重い鍋を乱暴に置いたり、掃除のために上に乗ったりすると、トッププレートが割れたりヒビが入る可能性があります。

割れたりヒビが入った状態で使用すると、水分が内部に侵入して感電や故障のリスクが高まります。修理費用も高額になるので、トッププレートは丁寧に扱いましょう。

まとめ

キッチンで料理をする女性

IHクッキングヒーターは、便利で安全性も高い調理機器として人気がありますが、決して完全に安全というわけではありません。

多くの火災事故は、「安全だろう」という思い込みや誤った知識から起こります。IHの事故防止には、機器そのものの性能に頼るだけでなく、使う人の正しい知識や意識が不可欠です。

身近な人にも今回紹介した危険な使い方を伝え、日頃からお互いに注意し合える環境をつくることが、本当の安全につながるでしょう。

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