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親が亡くなった後に見つかる遺言書の取り扱いに要注意!
遺言書と聞くと「お金持ちの家庭にしか縁がない」と思う方もいるかもしれませんが、親が亡くなった後、遺品整理をしていたら遺言書が見つかったという話は珍しくありません。
いざ遺言書を目の前にすると、どのように扱えばいいのかわからず、うっかり誤った行動をとりがちです。
しかし、遺言書は公的な力を持つ重要証書です。誤った行動1つで遺言書の効力が失われてしまったり、トラブルに発展したり、場合によっては罰金を科される恐れもあるので気をつけましょう。
親の『遺言書』を見つけたときにしてはいけないNG行為4選
親が亡くなった後、遺言書を見つけたときにしてはいけないNG行為をまとめました。以下の行動は、さまざまなトラブルの原因になるので気をつけましょう。
1.封をしてある遺言書を開封する
遺言書は封筒に入っていて封がされているものもあれば、封筒に入っているけど封がされていないもの、そもそも封筒に入っていないものなど、状態はさまざまです。
もしも封をしてある遺言書を見つけた場合、絶対にその場で開封しないでください。封をしてある遺言書を勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料が科される可能性があります。
また、勝手に開封したことで親族から疑いの目を向けられたり、遺言書の効力が下がってしまう恐れもあるので気をつけましょう。
2.家族や親族に伝えず隠しておく
遺言書が見つかったことを家族や親族に伝えず、隠し持っておくことは避けてください。
「後で伝えようと思って忘れていた」というように意図的に隠したつもりはなくとも、家族や親族から見ると「わざと隠したのでは?」「何か自分に不都合なことが書かれていたから隠したのかも」と疑われてしまいます。
また、遺言書を隠す行為は相続欠格に該当します。相続人として遺言書に記載されていても、相続人の資格を失ってしまうので注意してください。
3.遺言書を破棄する
遺言書を勝手に破棄してしまうと、遺言書が無効になってしまうので絶対にやめてください。とくに遺品整理中は、多くのものを整理しなければならないので、遺言書だと気づかずに破棄してしまう事例もあるので注意が必要です。
さらに、遺言書を破棄する行為は相続欠格に該当します。こちらも相続人の資格を失う行為なので、破棄しないように気をつけましょう。
4.遺言書を勝手に書き換える
封を勝手に開ける行為は厳禁ですが、封がされていない遺言書を勝手に書き換える行為も相続人としての資格を失ってしまう行為なので、絶対にやめましょう。
また、親の遺言書を勝手に書き換えたと家族や親族に知られてしまった場合、今後の信頼関係が崩壊する危険もあります。もしも遺言書の内容に納得いかなくとも、こうした自分勝手な行為は絶対にやめてください。
親の遺言書を見つけたときにすべき行動
親の遺言書を見つけた際は、封を開けたり破棄したり、書き換えたりせず大切に保管し、以下の手順で手続きを進めましょう。
- 封筒を開けずに保管しておく
- 故人の居住地を管轄する家庭裁判所に検認の申立てをする
- 家族や親族などに連絡を取る
- 検認の申し立てに必要な書類を集めておく(家事審判申立書、故人の出生から死亡までの全ての戸籍、相続人全員の戸籍)
- 検認期日が決定したら、遺言書原本や印鑑、収入印紙などを持参して、当日に家庭裁判所に訪れる
必ず遺言書は家庭裁判所で検認してもらう必要があります。申立てをした後、検認期日に関する通知がきたら、当日に家族や親族で家庭裁判所へ赴きましょう。
公正証書遺言の場合は検認の必要はなし
見つかった遺言書が公正証書遺言の場合、遺言情報管理システムにデータベース化されているので、検認の必要はありません。遺言書に記載されている通りに手続きを進めてください。
- 遺言執行者を確認して、指定されている人に連絡を取り遺言を執行してもらう
- 遺言書に記載のある家族や親族に連絡を取る
- 遺言の内容を執行するために必要な書類を集める
- 遺言の内容に沿って遺産相続を進める
親の遺言書が見つかったら開封せず家庭裁判所に連絡を
親の遺言書が見つかったとき、焦ってうっかり開封してしまうと、罰金が科されたり、親族間でトラブルになる恐れがあります。遺言書は開封せずに保管し、家庭裁判所や家族、親族に連絡を取りましょう。