ジェットコースターが好きな人の心理6つ!恐怖が快感になる脳と心のしくみ

ジェットコースターが好きな人はなぜわざわざ怖い思いを楽しむのでしょうか。その理由は心理や体の仕組みに隠されていました。ジェットコースター好きの心理を徹底的に探ります。

ジェットコースターの「怖い」が「楽しい」に変わる理由

遊園地に行くと、必ずと言ってよいほど人気なのが絶叫系アトラクション。なかでもジェットコースターは、特に多くの人が並ぶほどの人気があります。しかし、絶叫系アトラクションが苦手な人から見ると、「どうしてわざわざ怖い思いをしたいの?」と不思議に感じることもあるでしょう。

実はジェットコースターに乗ると、脳内では興味深いことが起きています。急降下や急加速で感じる「恐怖」や「ドキドキ感」は、脳が一瞬で危険を感じ、興奮するためです。しかし、本当は安全だと脳がすぐに気づくため、恐怖は快感に変わります。これが「怖い」が「楽しい」に変わる瞬間の秘密です。

ジェットコースターで味わう独特の楽しさは、この心理的な変化に理由があるのです。

ジェットコースターが大好きな人の心理

ジェットコースター

ジェットコースターが大好きな人には、共通する心理がいくつかあります。ジェットコースターが好きな方はぜひ心当たりがないかチェックしてみてください。

① ドキドキ・ワクワクする刺激が好き

ジェットコースター好きな人が真っ先に求めるのは、やはり「刺激」でしょう。日常生活では味わえない急加速や急降下などの強い刺激が好きな人ほど、ジェットコースターを好む傾向があります。こういった刺激は脳内で「ドーパミン」という快感を生む物質を放出します。そのため、ジェットコースターに乗ることで快感や幸福感を感じられ、何度も乗りたくなるのです。

さらに、刺激が好きな人は、平凡で変化の少ない日常に飽きやすい傾向があります。ジェットコースターに乗ることで退屈さを一瞬で吹き飛ばし、非日常の感覚を手軽に味わうことができます。

② 恐怖を乗り越えたときの達成感が好き

ジェットコースターは楽しさと同時に、「怖さ」を感じるアトラクションでもあります。実はこの「怖さ」を乗り越えること自体が、好きな人にとっては大きな魅力なのです。

人間は恐怖を乗り越えると、自分の限界を超えた達成感を感じます。ジェットコースターを降りた後に感じる爽快感や「やり遂げた!」という気持ちが、再び挑戦したくなる原動力となります。これは自己肯定感や自信にも繋がりやすく、ジェットコースター好きは、この「達成感」を求めて何度も挑戦してしまうのです。

③ 大きな声を出して気分をすっきりさせたい

ジェットコースターでは、多くの人が思わず大きな声を出してしまいます。ジェットコースターが好きな人の中には、この大声を出すこと自体が楽しいという心理が働いています。

日常生活では、大声を出す機会はあまりありません。とくに人前で叫ぶことは通常、ためらわれるでしょう。しかし、ジェットコースターでは周囲も同じように叫んでいるため、人目を気にすることなく自由に声を出せます。これが日頃のストレスや疲れを発散させる良いきっかけとなり、乗った後には気分がすっきりするのです。

また、大声を出すことで肺や体の筋肉も活性化され、身体的なリフレッシュ効果もあります。

④ 恐怖や興奮を誰かと共有したい

ジェットコースターに乗るときは、友達や家族、恋人と一緒に乗ることが多いですよね。実は、恐怖やスリルといった強い感情を誰かと共有することで、相手との心理的な距離が一気に縮まることが心理学的にも分かっています。

この現象は「吊り橋効果」とも呼ばれ、怖さや緊張などを一緒に体験することで、相手への親しみや共感が生まれます。ジェットコースターが大好きな人の中には、ただ一人で乗ることを好む人よりも、「誰かと一緒に楽しみたい」と考える人が多いのは、この心理が影響しています。

共感した後に「怖かったね!」や「楽しかったね!」と感想を言い合うことで、さらに一体感が深まります。

⑤ 日常を忘れて非日常を体験したい

学校や仕事、家事などで毎日忙しく過ごしていると、「日常を忘れたい」「何も考えずにスカッとしたい」という気持ちが湧くこともあるでしょう。ジェットコースターが好きな人は、こうした非日常の体験を求めて乗っている場合も多くあります。

ジェットコースターに乗っている間は、ほかの悩みや考え事を一瞬で吹き飛ばしてくれます。とくに落下や回転、スピードといった非日常的な刺激が強烈なため、脳は一瞬で目の前の体験に集中します。これが現実逃避のような感覚を生み出し、心身ともにリセットできるのです。

ジェットコースターは、日常から解放されたい人にとって、手軽に非日常を味わえる特別な娯楽なのです。

⑥ 好奇心やチャレンジ精神を満たしたい

ジェットコースターが好きな人の特徴として、好奇心が強く、チャレンジ精神が旺盛であることも挙げられます。新しいジェットコースターが登場すると、すぐに試してみたくなるのは、「どんな動きをするのだろう?」「どのくらいスリルがあるんだろう?」という好奇心が刺激されるためです。

こういった好奇心は、人間が成長するための大切な要素でもあります。新しいことに挑戦することで、脳は活性化され、刺激を受けます。ジェットコースターを「挑戦」として捉え、その体験を通して成長や新たな発見を楽しんでいる人も多いのです。

また、世界一速いジェットコースターや最高落差のジェットコースターなど、挑戦しがいのあるコースターに積極的に乗ることで、自己満足や達成感を得られるという側面もあります。

ジェットコースターのスリルを生む「すごい数字」

ジェットコースターのスリルや興奮は、実際の数字で見るとさらに驚くべきものです。ここでは、世界でも特に話題のジェットコースターを、「速さ」「高さ」「重力」の3つのポイントで詳しく紹介します。

驚異的な「速さ」

ジェットコースターのスリルを最も強く感じる瞬間の一つは「速さ」です。世界最速のジェットコースターは、UAE(アラブ首長国連邦)の『フォーミュラ・ロッサ』で、最高速度は時速240kmにも達します。この速度は、一般道を走る自動車の最高速度の約2倍以上。日本最速の富士急ハイランドの『ド・ドドンパ』は、わずか1.56秒で時速180kmまで加速し、新幹線のトップスピード並みの速さです。

「速さ」が増すほど人間の体は「風圧」を強く感じるため、体感的なスピード感やスリルも一気に上昇します。

想像を超える「高さ」

ジェットコースターの魅力は、高いところから一気に落下する瞬間にもあります。アメリカの『キングダ・カ』は高さが約139メートルに達し、なんと40階建てのビルに相当する高さです。実際に頂上に達すると、地上の景色がはるか下に見え、一瞬の恐怖とともに強烈な浮遊感が味わえます。

また、日本では三重県のナガシマスパーランドにある『スチールドラゴン2000』が最高97メートルという高さで、国内最高峰の高さを誇ります。これは東京タワーの約3分の1に相当する高さであり、実際に乗ると、空に向かって昇っているかのような錯覚を覚えます。

強烈な「重力(G)」体験

ジェットコースターでは、高速での急加速や急降下、カーブの際に強い「重力(G)」が体にかかります。この重力が強いほど、身体に感じるスリルも大きくなります。

一般的なジェットコースターでは通常3~4G程度の重力を感じますが、中にはもっと強烈なジェットコースターもあります。たとえばアメリカの『タワー・オブ・テラー(※ジェットコースター型のライド)』は、瞬間的に最大6.3Gに達することもあり、これは戦闘機のパイロットが感じるような強烈な圧迫感に近い体験となります。

日本でも富士急ハイランドの『ええじゃないか』が、身体が何度も回転しながら最大約4.5Gの重力を感じさせるアトラクションとして知られています。

こうした数字を知ると、ジェットコースター好きの間では「次に乗ってみたいアトラクション」や「制覇したいコースター」の話題として盛り上がります。

まとめ

ジェットコースターに乗る女性

ジェットコースターが好きになる理由は、ただスリルを求めるだけではありません。実は、恐怖を感じる体験は、ストレス耐性や心の柔軟性を高める効果があることが知られています。

アメリカの心理学者によると、定期的に安全な恐怖を体験することで、日常生活におけるストレスや不安への耐性が向上すると言われています。ジェットコースターを楽しむことは、意外にも心理的な健康にもプラスの影響を与えているのです。怖いけれど楽しいジェットコースター。その心理には、人間ならではの深い理由が隠されているのです。

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