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ラップは毎日の料理で使う必需品
ラップ(食品包装用ラップフィルム)は、ご家庭で1本以上ストックしているのが大半ではないでしょうか。料理の温めのみならず、食品を冷蔵冷凍保存するときも使う便利なキッチンツールの1つです。電子レンジを使用したレシピなども多く公開されており、家庭の必需品と言っても過言ではありません。ほとんど毎日使うご家庭も多いでしょう。
頻繁に使用する食品用ラップですが、正しい使い方を知らない人や、考えたことがないという人も多いです。そのため、食品を温めるときすべての食品にラップをかけている人も少なくありません。
しかし、電子レンジで食品を温めるときにラップをかける理由は、熱効率を良くするのみならず、密封された容器の中で水蒸気を発生させ、蒸した状態にすることも理由の1つです。そうすることで、ふっくらしっとり食材を仕上げられます。
すべての食品にラップをするのではなく、温めてどのような食感に仕上げたいかによって、ラップをかけるものとそうでないものを分けることも大切なポイントです。
やってはいけないラップの7つの使い方
温めや保存など、いろいろな場面で活躍するラップですが、間違った方法で扱うと、料理の美味しさが半減したり、危険な事態を招く恐れがあります。ここでは、やってはいけないラップの使い方を紹介します。
1. ラップをぴっちり張った状態で電子レンジで加熱する
レンジで食品を温めるとき、器にラップをかけることが非常に多いですよね。そのとき、ラップをピンと張って器にぴっちりかけて温めていませんか。実は、この使い方は危険を伴います。
電子レンジは、対象食品に電磁波で圧をかけて食品を温めます。そのため、食品を入れた器にピンと張った状態でラップをかけると、ラップに必要以上の圧がかかって破裂する恐れがあるのです。器の中の食品によっては、ラップが破裂すると食品も一緒に爆発することがあります。庫内が汚れたり、最悪の場合発火に繋がる恐れがあるのでやめましょう。
代わりに、「ふんわりラップ」という方法を使いましょう。これは、ラップを余裕を持たせてかぶせることです。ただし、側面の部分は空気を逃がさないよう、容器にぴったり貼りつけることが重要です。この方法により、食品の乾燥を防ぎつつ、熱を保持することができます。
2. 油分が多い食品をラップに接触させて温める
揚げ物やカレーなどの油分が多い食品を温めるときに、ラップを使う場合も注意しましょう。
天ぷらや揚げ物などに直接ラップをかけて包んだ状態で電子レンジで温めたり、カレーを底の浅い器に入れて温めていませんか。この状態でラップをかけて温めると、両方ともにラップが食品に接します。油分が多い食品にラップが接触していると、加熱するとラップが溶けることがあります。
食品用ラップは、溶けても身体に害がある成分は含んでいません。しかし、熱効率が悪くなるので、油分が多い食品にラップを使用して温めるときは、できるだけ接触しないように底の深い器に入れて温めましょう。
3. 加熱後にパリッとさせたい食品にラップをかける
ラップをかけて食品を温めると、しっとり仕上がると前述しました。そのため、焼き物などのパリッとした食感を楽しみたい食品の加熱は、ラップせずに温めた方が美味しく仕上がります。
美味しい料理にラップをかけて温めたら、想像と異なる食感になったという事態を防ぐためにも、食品の種類でラップの使い分けを判断しましょう。
例えば、からっとした食感に仕上げたい揚げ物や炒めもの、焼いた料理などは、ラップをしないほうが良いでしょう。ラップで覆わず電子レンジで温めることで、料理の余計な水分を飛ばすことができます。逆に、しっとりとさせたい煮物や蒸し物などには、ラップをかけるのが適しています。
4. ガラス製耐熱容器に隙間なくラップをかける
ガラス製の耐熱容器に食品を入れて、ラップをかけて温めると、取り出すときに熱すぎて取り出せない、軽い火傷をしたことはありませんか。これは、ガラス製の耐熱容器に隙間なくラップをかけることにより、熱が容器にこもりすぎて、ガラスが過剰に熱くなるのです。
このトラブルを避けるため、ガラス製の耐熱容器に食品を入れて温める場合は、全体をぴっちりと覆うのではなく、一部分だけ隙間をつくってラップをかけることをおすすめします。それにより、適度に熱を逃がしながら温めることができ、ガラスが熱くなりすぎることを防ぎます。
5. ラップを外すときに手前から剥がす
ラップをかけて食材を電子レンジで温めた後、ラップをどこから剥がしますか。ラップを外すとき、自分の体のある方向(手前)から剥がすと、そこから高温の水蒸気が出てきて低温火傷を負う恐れがあります。このようなトラブル回避のため、電子レンジで加熱したあとは、自分が立つ方向と反対側からラップを剥がしましょう。
6. ご飯を冷ましてからラップをして保存する
炊きたてのごはんを美味しく冷凍保存したい場合、冷ましてからラップで包むのはNGです。ごはんが乾く前に凍らせ、ごはんに水分を残した状態をキープすることが大切です。
炊き上がったらできるだけ早く、「湯気ごと」ラップで包みましょう。ごはんに含まれる水分は湯気となって蒸発していきますが、炊き上がりをすぐに包めば、蒸発しようとした水分をラップの内側に留めることができて、解凍後のごはんがふっくら、やわらかくなります。
7. 開けた缶詰をラップして冷蔵庫に保存する
ツナ缶やトマトホール缶など、一度開けた缶詰の中身が余ったとき、缶にラップをして冷蔵庫に入れていませんか。これはNGです。一度開けてしまった缶詰は、生の食品と同じように取り扱ってください。
器に移しかえてラップをするか、ふたのある容器に入れて冷蔵庫で保存し、2日以内に食べきるようにしましょう。開けた缶のまま保存するのは、中身が変質する可能性があるため、おすすめできません。
ラップを上手に使って美味しく安全に
今回はやってはいけないラップの使い方を紹介しました。元々知っていた人もいれば、日々使っているからこそ知らなかった知識もあったと思います。
ラップは便利な反面、使い方を間違えると思わぬ事故や料理の味を損なう原因にもなります。食品を美味しく安全に食べるためにも、正しい知識を把握し、それを踏まえて上手にラップを使用しましょう。
また、環境への配慮から、必要以上にラップを使用しないよう心がけることも大切です。ラップの特性を理解し、適切に活用することで、より効率的で安全な調理や保存が可能になります。