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エアコンが冷えない原因について
エアコンが冷えない原因は、故障や寿命以外に様々な事が考えられます。どんな原因があるのか、詳しく確認していきましょう。
エアコンのフィルターにホコリが溜まっている場合
稼働中は室内の空気とともに舞い上がるホコリを吸い込んでいるので、フィルターがホコリで目詰まりしてしまい、通風が妨げられます。室内に送り出される涼しい空気の量も減るので、冷房が効きづらくなるのです。
室外機の前に物が置かれている場合
室外機の吸入口や排気装置の前に物が置いてあったりすると放熱が妨げられ、冷房が効きづらくなります。
室外機は共同住宅で狭いベランダなどに置かれることが多く周囲に植木鉢や収納ボックスなど不用品が放置されることがあります。これが冷房の効きを悪くする原因になります。
エアコンのガス管が破損している場合
長年の経年劣化で配管が腐食してガス漏れが起こることがあります。
雨ざらしの室外機の配管の傷みが原因となるだけでなく、室内にあるエアコン本体のガス漏れも考えられますので、両方の配管の点検が必要です。
また室外機が駐車場に近い場合など、車の接触があれば配管にひび割れが生じることもあります。
エアコンの冷媒ガスが漏れていると、急冷のモードにしてもなかなか冷えず、エアコンの機能が著しく低下します。
エアコンの冷房能力が部屋の広さに及ばない場合
12畳の部屋なのに8畳用のエアコンを使用するなど、製品の設定以上に部屋が広い場合にはエアコンが効きづらくなります。
また設定通りの使用をしていても、ドアを開けたり隣室との仕切りを外したりすればエアコンの設定以上の冷却力が必要になるので冷えなくなってしまいます。
そのほか、木造住宅は密封度が低く空気が外に逃げやすいので、コンクリート建築物よりも効きが悪くなります。隙間風と縁のないサッシの窓をしめ切ってエアコンを使っている木造住宅でも、コンクリート建築物より通気性が高いので冷房能力は下がってしまいます。
エアコンが故障している場合
風が出ていても送風のモードと変わらず室内が冷えないときの対処法をご紹介します。
フィルター清掃警告灯以外で「通常は作動していないランプが点灯」していれば故障を疑ってみましょう。スイッチを入れた後、勝手に止まってしまう場合も故障していることが多いです。
本体を触ってみて異常に熱を持っているときも無理に稼動させず点検してもらうほうが良いです。
エアコンが冷えない時の対処方法
エアコンが冷えない原因に応じてそれぞれの対処方法を紹介します。
エアコンにホコリが詰まっている場合
フィルターとその奥のファンの部分を掃除してホコリを取り除けば冷房の調子は戻ります。エアコンの調子に関係なく、シーズンごとにホコリを除去すると長期にわたって使用できます。
エアコンフィルターの掃除方法
フィルターを外す前に表面に掃除機をかけるようにすると、フィルターを外す際にホコリが大量に舞い上がることを防止できます。そして、掃除機をかけたらシャワーで洗い流します。
フィルターは非常に破けやすいので、強風で吸い取ろうとすると破損してしまうので注意が必要です。同様にシャワーも水圧が強いとフィルターが破けてしまいます。どちらも弱めにして全体にまんべんなくかけるようにします。
エアコン内部のローラーの掃除方法
エアコン内部のフィンやファンといったローラー周りの洗浄は、専用の「エアコンクリーナー」を使います。
ノズルから洗浄液を噴出してローラーに直接当てますが、液体はそのまま下に流れ落ちてくるので床や壁をビニールで覆うことを忘れないようにしましょう。
また洗浄後、十分に換気をして乾燥させないと「カビが生えてしまう」リスクもあります。洗浄後は内部が乾くまで送風状態を保ちます。
カビキラーはカビの菌を殺すので有効に思えますが、内部の金属部品を腐食させるおそれがあるので使わない方が良いでしょう。カビの胞子を吸い込まないようにマスクなどを使用することも重要です。
室外機の前に物が置かれている場合
室外機の周辺には物を置かないように気を付けましょう。室外機の形状の相違に注意して、「排気装置」と「吸入口」の前に置いてある物があれば移動させます。
一戸建ての家屋の裏庭など目の届かない場所にある室外機は、蔦などの植物が機内に侵入してファンに絡まっていることもあるので、動かす前にチェックして取り除きましょう。
室外機に異物が入ってしまった場合は、稼動時に異音がするので直ちに電源をオフにして異物を取り除くようにします。
室外機の掃除方法
雨ざらしの室外機は、排気口から入ったホコリやゴミが内部の床に積もっていることも珍しくありません。掃除機をかける前に表のカバーを外し、ほうきやブラシで下部を掃くようにします。
掃除機で吸い取る際は、小さな吸い取り口を取り付けた掃除機で内部のホコリをまんべんなく吸い取ってください。
エアコンの冷媒ガスが漏れている場合
ガス漏れは家庭で充填することはできません。エアコン専門業者に依頼してガス漏れの箇所を特定し配管に穴があれば塞ぎ、ガスを補充してもらうようにします。
業者が来たら他のエアコンもガス漏れや故障がないか、ついでに点検してもらうようにしましょう。冷媒ガスは徐々に抜けていくので、効率的な冷房効果を維持するためには定期的に充填することも必要です。
エアコンの冷房能力が部屋の広さに及ばない場合
この場合は、適切な範囲を冷却できるエアコンに買い替えることを検討しましょう。
エアコンの冷房能力よりも部屋の広さが優っていると、過剰な負担が機械にかかるので、故障しやすくなり寿命も短くなってしまいます。隣室とつながっている部屋は、エアコンを使用する際きちんと仕切りをして空気が漏れないようにします。
エアコンの故障の場合
業者に点検、修理を依頼することが一番です。業者が来るまではコンセントを外し、過剰な電流が本体に流れないように処置しておきましょう。
ガスエアコンの場合にはガスの元栓を閉めておきます。いったん業者に依頼すると決めたら、業者が来るまでは本体をいじらない方が良いです。
エアコンを効率的に冷やす方法
エアコンを使う際、ほんの少しの工夫で効率よく冷やす方法があります。エアコンの吹き出し口は上を向くようにして、できるだけ冷気が下部に溜まらないようにします。
扇風機を併用すると室内の空気が攪拌(かくはん)され、下部に溜まっていた冷気が部屋中を満たすことになります。また厚手のカーテンや発泡剤を窓に取り付けると、外部から高温が室内に伝播することを妨げる断熱効果があり効率的に冷却できます。
木造住宅の場合は冷気を逃がさないために、隙間がある窓など目張りをしたりビニールで覆ったりすると密封性が高まります。簾(すだれ)やスノコなどの遮蔽物を置いて、室外機が直射日光に当たらないようにすると冷却効果が上がります。
室内の湿度が高いと室温が下がりにくいので洗濯物など部屋干しは避けてください。金魚の水槽も蓋を開けたまま室内に置いておくと湿度が下がらず冷えにくくなります。
エアコンのクリーニングの基本料金
プロの業者にクリーニングを依頼すれば、効率も良くなり節電にもなります。複数のエアコンを一緒にクリーニングしてもらえば、一括で割引になることもあるのでお得です。
抗菌コーティングのサービスをしてくれる業者もありますが、一台につき2000円ほどの追加料金がかかります。以下にエアコンのクリーニングの基本料金を紹介しておきます。
- 壁掛形エアコン横幅90cm未満
- ¥10,000円から12,000円
- 壁掛形エアコン横幅90cm以上~150cm未満
- ¥15,000円から18,000円
- 壁掛形エアコン横幅150cm以上
- ¥20,000円から24,000円
なお自動掃除機能付きのエアコンの場合は、壁掛形エアコンのクリーニングの料金が15,000円~18,000円ほどになります。
冷房の効率や寿命をアップ
エアコンは使い方や維持管理方法しだいで冷房の効率も寿命も変わってきます。自宅のエアコンについて室外機の位置や環境など個別の状況を把握し、実効性のあるメンテナンスを怠らないようにすれば、効率的に部屋を冷やせて節電効果も期待できるでしょう。
また、家庭で手に負えないと判断した場合にはプロの業者に相談して、修理するか買い換えることをおすすめします。快適な生活を送るために最善の方法を選んでいただければ幸いです。