座禅にはどんなメリットがある?毎朝10分で心が穏やかになる生活習慣

公園で瞑想

座禅、あるいは坐禅という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。座禅とは、座った状態で禅を組み、瞑想や心を集中させることを指します。これは、古代インドで精神の安定や統一を目的とした修行方法の一つで、仏教では釈迦が悟りを開くための修行方法でもありました。では、座禅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

座禅のメリット

働く女性瞑想

修行方法のひとつとして知られる座禅は、ストレスが多い現代社会において多くのメリットをもたらします。

パソコンやスマートフォンの普及により、前かがみの姿勢を長時間とることが増え、呼吸が浅くなったり、体が痛くなったりする人も多いでしょう。座禅は、これらの問題を解消する効果的な方法のひとつです。

座禅では、姿勢を正して座り、静かに呼吸を繰り返します。ゆったりとした呼吸がリラックス効果をもたらし、体と脳を落ち着かせます。また、座禅を通じて穏やかな時間を過ごすことで、ストレスの原因となる情報から離れることができ、さらにリラックスできます。座禅では、自分自身を客観的に見つめ直し、思考の正確さを判断することができます。

座禅を習慣化することで、論理的な判断力が向上し、余分な情報を遮断して集中力を高める効果も得られます。あふれる情報の中で「自分にとって必要な情報だけを選択する」能力を養うことができるので、集中力や記憶力の向上にも役立ちます。

ただし、座禅のメリットを得るためには、正しい方法を知っておく必要があります。座禅の基本姿勢は胡坐(あぐら)ですが、この姿勢が苦痛な場合もあるため、体に悪い影響を与えないよう、正しい姿勢を知ることが大切です。

  • 心理的なリラックス効果: 姿勢を正してゆったりとした呼吸を行うことで、体や脳にリラックス効果をもたらす。
  • ストレス解消: 日常生活で受けるストレス情報から切り離され、穏やかな時間を過ごすことができる。
  • 自己客観視: 自分を客観的に見つめ直し、思考を外から観察することができる。
  • 集中力と記憶力の向上: 余分な情報を遮断し、必要な情報だけを選択する訓練ができるため、集中力や記憶力が向上する。
  • ホルモンバランスの調整: 座禅による腹式呼吸はセロトニンの分泌を促し、覚醒効果や睡眠の質向上する。
  • 体姿勢の改善: 正しい座り方を学ぶことで、長時間の前かがみの姿勢による体の痛みや不調を改善することが可能。

座禅の呼吸方法

座禅呼吸法

座禅の基本的な姿勢には、次の3つの要素が含まれます。

  • 体や姿勢を整える「調身(ちょうしん)」
  • 呼吸を整える「調息(ちょうそく)」
  • 心を整える「調心(ちょうしん)」

これら3つは互いに関連しており、姿勢を整えることで呼吸が整い、それによって心も安定するというのが禅の考え方です。

座禅中の呼吸方法は、腹式呼吸でお腹を膨らませるようにします。一定のリズムで呼吸を繰り返すことで、セロトニンと呼ばれる幸せホルモンの分泌が促進されます。

セロトニンは、朝日を浴びたときに分泌され、午前中には覚醒効果があります。また、夜にはセロトニンがメラトニンというホルモンに変化し、睡眠の質を向上させます。座禅の呼吸法を正しく行うことで、心身の調和とリラックス効果が得られます。

座禅のやり方

法界定印

まず、服装はゆったりしたものを選び、ネクタイやベルトなどの締め付けるものは外しましょう。場所は静かで落ち着いた環境を選び、照明を少し落とすと良いでしょう。

専用の座布団「座附」があれば理想的ですが、一般的な座布団を2つ使って代用することも可能です。大きめの座布団を下に敷き、もう一つを二つ折りにして上に置きます。

お尻が座布団の中央に来るように座り、お尻と両膝の3点に均等に体重がかかるようにします。足の組み方は、両足を太ももに乗せる「結跏趺坐(けっかふざ)」と、片足だけを乗せる「半跏趺坐(はんかふざ)」の2つがあります。初心者には半跏趺坐がオススメです。

手は「法界定印(ほっかいじょういん)」を作ります。右手のひらを上向きにし、左手をその上に置き、親指同士を軽く触れさせて人差し指で楕円を作り、足の付け根に置きます。目は軽く閉じ、腹式呼吸を行います。

また、禅寺では座禅会が開かれることがあり、参加することで正しい座禅の方法を学ぶことができます。

座禅の基本的な手順(おさらい)

  1. 服装の選択: 体を締め付けないゆったりとした服装を選びます。ネクタイやベルトなど締め付けるものは外しましょう。
  2. 場所の設定: 静かな環境を選び、少し照明を落として行います。
  3. 座布団の準備: 専用の座布団(座付)があれば好ましいですが、なければ2つの座布団を重ねて使います。
  4. 基本姿勢の取り方: 大きめの座布団を敷き、もう1つを二つ折りにして上に置きます。お尻の中心に座布団が来るようにして、お尻と両膝で三点支持を形成し、足を組みます。
  5. 足の組み方: 結跏趺坐(両足が太ももに乗る方法)または半跏趺坐(片足が太ももに乗る方法)のいずれかを選びます。初心者には半跏趺坐がおすすめです。
  6. 手の位置: 右手のひらを上にして左手をその上に置き、親指同士を軽く触れ合わせて楕円を作ります。これを「法界定印」と呼びます。
  7. 目の使い方: 目は軽く閉じるか、下を向いてぼんやりと見る程度に開けます。
  8. 呼吸の方法: 腹式呼吸を行い、お腹を意識しながら息を吸い込み、吐き出します。息は自然に長く、深く行います。

座禅は現代人に様々なメリットがある

座禅は、精神統一を図ることで精神的なメリットを得られます。また、正しい呼吸方法を習得することで、体にとって有益なホルモンが多く分泌され、身体的にもさまざまな効果をもたらすでしょう。

自宅で手軽に実践することもできますが、座禅会に参加して正しい禅の組み方を学ぶのもおすすめです。興味がある人は、まずは座禅会で体験してみると良いでしょう。

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