ステンレス弁当箱に危険性はない!ただし電子レンジは絶対NG

ステンレスのお弁当箱

どこか懐かしさを感じるステンレス弁当箱。最近はプラスチック製の可愛いデザインや、機能性の高い保温ジャーなどが増えてきてはいるものの、丈夫で洗いやすいとまだまだ根強い人気があります。ステンレス素材が有害だと不安を抱いている人もいるようですが、ステンレス弁当箱に危険性はありません。今回は「危険性はない!ただし電子レンジは絶対NG!」という点についてご紹介します。

ステンレス弁当箱に危険性はない理由

ステンレスのお弁当箱

なぜ、ステンレス製の弁当箱は危険だとか、ステンレス製品を使うと体に害を及ぼすなどと思い込んでいる方がいるのでしょうか?そんな話を聞いて不安に感じている方、ステンレス製の弁当箱は危険ではないので心配いりません。

ではどうしてそう思われているのか・・・それは、ステンレスは高温に熱すると「六価クロム」という有害物質を生成するからなんです。それが原因で「ステンレスの弁当箱は危険!」というイメージを持たれるようになったのではないでしょうか。

アルミ鍋やアルミ製品を使うと、体内にアルミニウムが蓄積されクロムが溶け出すなどの理由から、ステンレス弁当箱が危険と一部で言われているよようですね。

それと同じように、ステンレス製品を使うと中に含まれているクロムから六価クロムという物質が体内に入り、身体に悪影響を与える恐れがあると、その危険性を唱えている方もいるようです。

実際には、六価クロムを生成するには1,000℃に達する高温が必要なため、日常生活での調理で六価クロムが発生することはまずありえません。

ちなみに、1000℃と言えば、鉄が真っ赤になって柔らかくなるほどの温度です。キッチンのシンクや鍋にもステンレスが使われていることから、いかにステンレスが安心して使用できる素材かが分かると思います。

クロムが液体化して溶けることはまずないので、クロムの害を心配する必要はありません。

《 ポイント 》

  • ステンレス製の弁当箱は危険でないので心配いらない。
  • 身体に悪影響を与える六価クロムを生成するには1,000℃に達する高温が必要。
  • シンクや鍋にも使われているステンレスは安心できる素材。

ステンレス弁当箱を使う際の注意点

電子レンジで温めようとする女性

電子レンジは使えない

ステンレスは金属ですので、電子レンジは使用できません。恐らく電子レンジが使えないことが、ステンレス弁当箱の一番の難点でしょう。

万が一、電子レンジに入れて温めると、パチパチと音が鳴り発火する危険があるため注意が必要です。

金属であるステンレス弁当箱は、電子レンジから出るマイクロ波を吸収せずに反射してしまうため、いわば電子レンジ内で小さなカミナリが発生しているのと同じような状態になっています。電子レンジ自体が故障するだけでなく、発火や爆発が起きることにもなりかねません。

くれぐれも、「ほんの数秒なら大丈夫かも?」などと、安易に試したりすることは絶対にしないでくださいね。

アルミカップやアルミホイルは使えない

アルミカップやアルミホイルが長時間ステンレスに接触していると、その部分が錆びてしまいます。おかずに仕切りをしたいのであればシリコン製のカップにしましょう。

酸の強い食品を入れると変色する

また、酸の強い食品、例えば梅干しなどを長期間ステンレス容器に漬け込んでいるとステンレスが変色する恐れがあります。ただし、お弁当で使用する程度なら心配いりません。

《 ポイント 》

  • 電子レンジに入れて温めると、パチパチと音が鳴り発火する危険がある。
  • アルミカップやアルミホイルが長時間触れている部分が錆びる。
  • 酸の強い梅干しはお弁当で使用する程度なら心配ない。

ステンレス弁当箱のメリット

ステンレスのお弁当箱

ステンレス弁当箱は電子レンジにかけると発火する恐れがあり危険ですが、それ以外は危険なことはありません。ここからはステンレス弁当箱のメリットについて詳しくお伝えします。

錆びにくい

ステンレスとはどのような素材なのか、ご存じですか?ステンレス(stainless steel)の「ステン(stain)」は「汚れる」とか「錆びる」という意味、「レス (less)」は「~しない」「~のない」という意味です。

ということは、「ステンレス=錆びにくく汚れに強い素材」ということ。ステンレスは「鉄」に「クロム」と「ニッケル」を含有させた金属で、この混ぜ物が表面に強い膜を作るため、強度と耐熱性ともに優れています。

錆びにくいうえにとても丈夫な金属なので、よく使われている非常に身近な素材なのです。

丈夫で長く使える

ステンレスは軽くて丈夫な素材なので、うっかり落としても割れることはまずありません。なので、お子様が保育園や幼稚園に持参するお弁当箱として昔も今も人気があります。熱にも強く、変形もしないため劣化しにくいのが長く愛用できる理由でしょう。

色やニオイ移りが気にならない

プラスチック製の弁当箱に味の濃い味や色の料理を入れた場合、一度ニオイや色が付くとなかなか落とすのが大変ですよね。例えば、カレーやケデミグラスソースなど、洗ってもきれいにならないことが多々あります。

その点、ステンレス弁当箱は強力な膜があるため、色やニオイ移りを気にせず、お弁当箱に詰めることができます。

油汚れが落ちやすく洗いやすい

デザインに凝った今風の弁当箱に比べて、シンプルな作りのステンレス弁当箱はとても洗いやすく、プラスチック製のようにパッキンなどの手入れが面倒くさくないので助かります。

また、油分の多い料理を詰めてギドギドしていてもサッと洗えるのでお手入れがとてもラクです。
毎日使うものだから、清潔感を保ちやすい素材が良いのではないでしょうか。

食洗器を使って洗える

せっかく食洗器があるのに、弁当箱だけは食洗器が使えないとなると手間がかかってしまいますのね。ステンレス弁当箱は食洗器に入れて洗っても大丈夫なので、いちいち手で洗う手間が省けて助かることでしょう。

熱伝導率が良く、温めやすく冷却しやすい

熱伝導率が優れているため、暑い時期に冷えた弁当を持ち歩く人にはステンレス製をおすすめします。熱や冷気が伝わりやすいということは、炊きたてご飯を入れた弁当箱の熱を早く放出できます。

このように、冷蔵庫に入れると早く冷やすことができるし、反対に幼稚園や保育園で弁当を温かく保つ「保温庫」にも対応しているというのもメリットのひとつでしょう。

《 ポイント 》

  • ステンレス=錆びにくく汚れに強い素材。
  • 熱にも強く、変形もしないため劣化しにくい。
  • 強力な膜があるため、色やニオイ移りを気にせず使える。
  • 油分の多い料理を詰めてもサッと洗えるのでお手入れがとてもラク。
  • 食洗器に入れて洗える。
  • 炊きたてご飯を入れた弁当箱の熱を早く放出できる。

ステンレス弁当箱のデメリット

お弁当箱

電子レンジが使えないので温めるのが大変

ステンレスは金属ですので、電子レンジで加熱すると火花火災が発生する恐れがあり使用してはいけないということでしたね。電子レンジが使えないということは、弁当箱を熱々に温めてから食べるのは大変なことです。

ではどうやって温めたら良いのでしょうか。電子レンジは厳禁ですが、赤外線ヒーターによって食品の表面から温める「オーブンレンジ」や「オーブントースターで」あれば使用できます。

また、弁当箱から一旦中身を取り出して電子レンジで温めるなどの一手間をかけると、お好みの温かさに仕上げられます。

「酸」に弱い

ステンレスは錆びにくいのですが、強い酸を長期間あてていると腐食してしまうことがあります。
梅干しやレモンなど強い酸性の食品を詰めるときは、シリコンのカップに入れたりごはんにのせたりして、弁当箱に直接触れないようにする工夫が必要でしょう。

アルミカップやアルミホイルの使用は控える

アルミカップやアルミホイルをステンレス弁当箱に使用すると、触れた部分がサビの原因になってしまいます。アルミ缶やヘアピンなどをシンクに一晩置いておくだけで錆びてしまうことがありますよね。

これと同じようにステンレス弁当箱にアルミカップを使用するとサビが発生し、そこからサビが広がってしまうので注意が必要です。よって、アルミカップやアルミホイルではなく、バラエティ豊富なシリコンカップを使用することをおすすめします。

値段が高い

ステンレス製の弁当箱は他の材質のものより値段が高くつきます。プラスチック製の弁当箱であれば100均でも手に入りますが、ステンレス製となると最低でも2000円くらいはするでしょう。

流行のキャラクターなどが描かれたアルミ弁当箱に比べても、やはりステンレスは少し高めです。
考え方によっては、値段が高い分、丈夫で長持ちするので、どちらがお得かは選ぶ人次第でしょう。

デザインがシンプルすぎる

テンレス弁当箱の見た目の一番の特徴は、やはりそのシンプルさではないでしょうか。大人が持つと、落ち着きのあるシックなイメージですが、子供が幼稚園や学校で食べるお弁当箱としては人気があるとは言えません。

本当にシンプルなデザインが好きだという方におすすめします。また、ステンレス製弁当箱は、プラスチック製やアルミ弁当の弁当箱に比べて重ためです。

毎日持ち運ぶ弁当箱の重さは重要なポイントなので、無視するわけにはいきませんよね。お店では実際に手に取って重さを確認してから購入するようにしましょう。

《 ポイント 》

  • 電子レンジが使えないため、弁当箱を温めてから食べるのは大変。
  • 強い酸を長期間あてていると腐食する。
  • アルミカップやアルミホイルが触れた部分はサビの原因になる。
  • 他の材質のものより値段高い。
  • デザインがシンプルすぎて子供の弁当箱としては人気がない。

最後に

お弁当箱

いかがでしたでしょうか?ステンレス弁当箱に危険性はないことをおわかりいただけましたか?

ステンレスの弁当箱は錆に強く、耐久性抜群で汚れも落としやすいなどメリットがたくさんあって長く使いたい方にぴったりです。

その一方で、電子レンジで加熱することは絶対に避けなくてはいけません。メリットだけでなくデメリットを把握しておくのはとても重要なことで、安心して長期間使うために必要なのではないでしょうか。

今お使いの弁当箱のニオイ移りやパッキンなどの手入れが面倒に感じているようでしたら、この機会に買い替えてみてはいかがでしょうか。毎日使うものだからこそ、メリットいっぱいのステンレス弁当箱で楽しいランチタイムをお過ごしください!

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る