カット野菜のデメリットとは?安心して食べることはできる?

カット野菜

カット野菜は一度で食べきれる量を安く買えて、下準備や後片付けの必要がないなど大きなメリットがありますよね。いつでも手軽に野菜が摂れると人気のあるカット野菜ですが、その一方でデメリットとは何でしょうか?カット野菜は食べない方がいいなんて話もありますが、安心して食べることができるのかなど、カット野菜について詳しくお伝えします!

カット野菜のデメリット

カット野菜

スーパーはもちろんのことコンビニでも手軽に買えて、使い勝手の良いカット野菜ですが、防腐剤や保存料などの食品添加物が使われているのはデメリットだという口コミもあるようです。

実際に、カット野菜にはデメリットがあるのでしょうか?

価格が割高

一回で使いきれる分量が入って一袋100円前後で売られているカット野菜。

ワンコインで買えるので、一見安そうなイメージですが、キャベツ一玉、およそ1㎏が100円台で売られている時に、千切りキャベツ一袋100gのカット野菜はどうでしょう?

キャベツの外側の葉1~2枚が約100gなので、確かに普通の野菜に比べてカット野菜は割高というのはデメリットですよね。

消費期限が短い

カットされた状態で売られている野菜なので、丸ごとの野菜に比べて傷みが早く、消費期限は3日程度と短めに設定されています。

カットした切り口から細菌が増殖しやすく、栄養価も下がってしまうというデメリットがあります。カット野菜はできるだけ早く食べる必要があるでしょう。

次亜塩素酸ナトリウムのニオイが気になる

カット野菜を加工する過程で、殺菌料やpH調整剤などの食品添加物が使われています。これは細菌が増えるのを防ぎ、食中毒を予防するために必要な処理なのです。

次亜塩素酸ナトリウムの溶液に浸けたカット野菜から、塩素系のニオイがすることがあります。この次亜塩素酸ナトリウムは、野菜の殺菌消毒以外に漂白剤としも使われていますので、「カット野菜は食べない方が良い」と言われているのでしょう。

ですが、次亜塩素酸ナトリウムは国から食品添加物として認められているものなので、安全性は確かなようです。

そのままの野菜と比べて味は劣りやすい

シャキシャキ感を出すために添加物が使われてはいますが、どうしても味は自分で刻んだ野菜よりも劣ってしまいます。消毒剤と水で洗浄するため野菜の風味が薄くなり、中には水に溶けてしまう栄養素もあるようです。

カット野菜のメーカーや種類によっては、塩素系の殺菌料を使っていないものもありますが、見た目で判斷することはできないでしょう。

《 ポイント 》

  • 一袋およそ100gのカット野菜は割高。
  • 丸ごとの野菜に比べて傷みが早い。
  • 食品添加物の溶液に浸すため塩素系のニオイがすることがある。
  • そのままの野菜より風味が薄く、水に溶けてしまう栄養素もある。

カット野菜に使われている薬品は安全?

サラダを食べる女性

カット野菜はカットした切り口から細菌が増殖しやすいというデメリットがあるため、殺菌効果がない保存料は使っていませんが、ほとんどの場合、加工段階で食品添加物を使用しています。主な食品添加物は「次亜塩素酸ナトリウム」と「pH調整剤」です。

では一つずつ詳しく見ていきましょう。

次亜塩素酸ナトリウム

カット野菜についている菌を殺菌する目的で使用されるのが「次亜塩素酸ナトリウム」です。

殺菌剤として使われる食品添加物の安全性は高く、包装される前に水できれいに洗い流すため健康に悪影響を及ぼす心配やデメリットはありません。

pH調整剤

pH調整剤は、食品の酸性とアルカリ性を調整し、食品の酸化による変質を防ぐ「酸化防止剤」です。pH調整剤は保存料と思ってしまいますがそうではなく、カット野菜の切り口が変色しないようにし、風味の劣化を防ぐために使われます。

保存料は「菌の増殖」による品質の劣化を防ぐのに対して、酸化防止剤であるpH調整剤は「酸化」による品質の劣化を防ぐという大きな違いがあります。

《 ポイント 》

  • 次亜塩素酸ナトリウムは水できれいに洗い流してから包装される。
  • pH調整剤は「酸化」による品質の劣化を防ぐ。

カット野菜のメリット

野菜炒めを作っている

カット野菜のデメリットをお話しましたが、ここではカット野菜を使うメリットをいくつか紹介しましょう。

調理の時間が省けて時短になる

カット野菜の一番のメリットは、面倒な下準備や後片付けをしなくても食べられることではないでしょうか。

丸ごとの野菜を使った料理をつくる時、野菜を洗ったり、切ったりする下準備って手間がかかりますよね。それに使い終わったまな板や包丁を洗う後始末もしなければいけません。

それに比べてカット野菜は、皮や茎などが取り除かれカット済みの状態で袋詰されていますので、すぐに調理ができ、調理器具も洗わずに済みます。

野菜を切る必要がないのと、面倒な下準備や後片付けをせずに済むということは忙しくて時間がないときの時短調理にうってつけです。

生ごみが出ない

丸ごと野菜を買って、皮をむいて茎や芯を取り除くと出てしまうのが生ごみです。カット野菜は、その工程を全て終えた状態で袋詰されていますので、捨てるのはゴミ袋だけなので、特に生ごみの処理に困る夏場には助かりますよね。

手軽に野菜が食べられる

もやしや千切りキャベツ以外にも、最近ではレタスやニンジンといった単品野菜から、さまざまなレシピに合わせ複数の野菜が一緒にパックされたものが販売されています。

数種類の野菜をいちいち買い揃えなくても、野菜炒め用、煮物用、焼きそば用として使えるカット野菜を買うだけで簡単に調理に使えるのも大きなメリットでしょう。

サラダ用として売られているカット野菜にはレタスやキャベツ以外にも大根やニンジン、パプリカなど様々な野菜が入っているものもあり、バランスよく栄養が摂取できます。

一回で使いきれる分量にドレッシングをかけるだけでサラダが完成しますので、一人暮らしの食卓でも重宝しますよ。

いろいろな野菜を摂取出来る

カット野菜は便利なだけでなく、色々な野菜の栄養を摂取できるところも魅力でしょう。

数種類の野菜を同時に一度に食べようと摂取しようとすると、どうしても値段が高くついてしまいます。一人暮らしの方はそれを期限内に食べきらなければいけませんよね。

使い切れないような野菜を何種類も買うより、必要な分だけをカット野菜を買うようにすれば、その分出費を抑えることができるでしょう。

価格が変動しにくい

カット野菜は全国各地の農家と年間契約をして価格を決めているので、値段が大きく変動することはありません。気候による不作で野菜の価格が高騰しても、ありがたいことに常に一定の価格で販売されています。

カット野菜は工場で加工したものが、スーパーやコンビニに運ばれるので、丸ごとの野菜に比べて、高くなるというデメリットはありますが、調理時間が大幅に短縮できるなど、利用するメリットは大きいでしょう。

洗浄によって流れるのは水溶性のビタミンだけ

カット野菜は工場内でしっかりと洗浄します。しかも、野菜の汚れが残らないように丁寧に洗浄するため、その分栄養素もたくさん失われてしまいそうですよね?

ですが、洗浄することで流れ出てしまう栄養素は、水溶性ビタミンの「ビタミンC」「ビタミンB1」「ビタミンB2」だけです。

流れ出るといっても、その全てが失われるわけではなく、水溶性栄養素の2~4割程度が無くなるといわれています。食物繊維や脂溶性ビタミンは残っていますので、栄養価についてはそれほど気にする必要はないでしょう。

《 ポイント 》

  • 面倒な下準備や後片付けをしなくても食べられるので時短になる。
  • 数種類の野菜をいちいち買い揃えなくても簡単に調理に使える。
  • 出費を抑えながら色々な野菜の栄養を摂取できる。
  • 値段が大きく変動しないため、常に一定の価格で販売されている。
  • 洗浄によって2~4割程度の水溶性ビタミンが失われ、食物繊維と脂溶性ビタミンは残っている。

カット野菜が変色しない理由

カット野菜

野菜を切るとその切り口は時間とともに変色していきます。自分でカットした野菜は数時間から一晩で変色するのに、なぜカット野菜は変色が起こりにくいのでしょうか?

「カット野菜は漂白しているから変色しない」とか、「時間が経っても変色しないのでカット野菜は危険」というのをデメリットとして思い込んでいる人も少なくありません。

野菜が酸素に触れないようにしている

ポリフェノールや酸化酵素などが含まれている野菜をカットしたその切断面が空気中の酸素に触れることで、酸素と野菜の成分が化学反応を起こし酸化するのが原因です。

カット野菜が変色しないのは、野菜が酸素に触れないようにするために、袋の中に「窒素」を入れているからです。

カット野菜を梱包する際に袋の中を窒素で満たして密閉してあるので、酸素が遮断され変色を防いでいるのです。賞味期限内であれば、酸化して茶色に変色している部分を食べても健康に害はありません。

低温で保存するなど保存・包装を工夫する

低温で保存すると酵素の働きが急激に低下します。カット野菜を洗浄するときの冷水冷却や真空予冷装置を利用して、温度を一気に下げ野菜の呼吸速度を減らします。

低温状態にすることで変色を防ぎ傷みにくくし、出荷から流通、そして店頭に並べられ、変色していないカット野菜を購入できる仕組みになっているというわけです。

PH調整剤を使う

皮をむいた野菜やカット野菜の変色防ぐために、補助的に食品添加物が使われています。PH調整剤は、食品を適切なPHに調整することで、変色や腐敗を防ぐ働きをしています。

これは変色防止の他にも、野菜についた細菌を消毒して腐敗を遅らせる働きもあり、食品添加物の濃度が濃ければ濃いほど効果を発揮します。

《 ポイント 》

  • 袋の中に窒素を入れて野菜が酸素に触れないようにする。
  • 低温で保存して酵素の働きを急激に低下させて変色を防ぐ。
  • 食品添加物のPH調整剤が使われている。

最後に

サラダを食べる女性

カット野菜のデメリットについてお話しましたがいかがでしたでしょうか?

カット野菜は一回で食べきれる分量を、下準備や後片付けに時間を費やすこともなく手軽に食べられるとても便利な食材です。

一方で、カット野菜が変色せず、きれいな状態を保っているのは食品添加物のお陰でもあるわけです。もちろん、徹底した温度管理や工夫された梱包パッケージなどの影響も大きいでしょう。

カット野菜には防腐剤が使われているとも言われていますが、実際には防腐剤や保存料は一切使われていません。

しかし、製造の過程で殺菌剤や酸化防止剤が使われているので、「食品添加物を使用していない」とは言いきれないのも事実でしょう。

ですが、次亜塩素酸ナトリウムは一般的な食品添加物ですが、カット野菜の製造の過程で洗い流されており、商品に残っていませんので、安心して食べられるのではないでしょうか。

この記事を参考にして、野菜が食べたいと思った時は、消費者のニーズに対応したカット野菜を利用してみてはいかがでしょうか!

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