目次
米虫は冷蔵庫で死ぬ?
米虫とは
米びつのお米の中に黒い小さな虫がウジャウジャ!それは米虫です。米虫とは「コクゾウムシ」のことで、またの名を米食い虫と呼ばれています。
米虫はその名の通りお米に繁殖する虫で幼虫は約1mmで芋虫に似ていますが、小さいので見落とすことが多いです。
成長すると体調が2.1~3.5mm程で、黒いので一目で分かります。そして米虫の成虫がウジャウジャ歩きまわる姿は本当に気持ち悪いです。
ネットの口コミで「米虫は冷蔵庫に入れたら死ぬ」という書き込みがありましたが、本当に米虫は冷蔵庫で死ぬのでしょうか?
米虫は冷蔵庫で全て死ぬわけではない
実は、米虫を冷蔵庫で保存した場合、全ての米虫が死ぬわけではありません。米虫は15℃以下になると繁殖できなくなり、活動が止まります。
家庭用冷蔵庫の温度は2℃~5℃、冷蔵庫は米虫が成長できない15℃より低いので、米虫が増えることはありません。
ただし、長期間冷蔵保存をした場合、活動できなくなることで死ぬ米虫も出てきます。
米虫は-20℃~18℃で死滅する
米虫は-20℃~18℃に7~10日保存すると、卵や幼虫、成虫の全てが死ぬことになります。家庭用の冷凍庫はー20℃~-18℃程度ですので、冷凍庫で7日~10日保存しておくと米虫は完全に死滅します。
つまり、米虫は家庭用冷蔵庫では完全に死ぬことはありませんが、冷凍庫では死滅するということです。ただし、家庭用冷蔵庫や冷凍庫の場合、開閉が多いため温度変化に注意しましょう。
米虫はどこから来た?
お米を精米する際、成虫は除去されますが、お米に産卵された卵や小さな幼虫は除去されずに残ってしまうことがあり、お米に産卵したものを見分けるのは難しく、それが成長してまた多くの卵を産んで次々と増やしていきます。
米虫が増殖する環境
米虫はー15℃以下の冷蔵庫で死ぬことをお話しましたが、反対に米虫は23℃~25℃で繁殖が活発になります。
米虫はまるで像のような長い口を持っており、その口を使って米の中に卵を産み落とします。1匹のメス米虫から産み落とされる卵は300個~400個。
だからこそ米虫はあっという間にウジャウジャ大量発生するのです。
《 ポイント 》
- 米虫は冷蔵庫で完全に死ぬわけではない。
- 米虫は15℃以下で繁殖できなくなり、-20℃に7~10日保存すると卵・幼虫・成虫が全て死ぬ。
- 米虫の繁殖が活発になる温度は23℃~25℃。
米虫がわいたお米の対処法
米虫は冷蔵庫に入れれば死ぬというお話をしましたが、ここでは米虫がわいたお米を食べることができるのか?についてお話したいと思います。
結論から先に言いますと、基本的に虫を取り除けば食べることができます。米虫には毒はありませんので、万が一米虫や幼虫を食べてしまっても健康には害がないとされています。
米虫を取り除く方法
冷蔵に入れる以外で米虫が死ぬ方法は水につけることです。小さな虫をピンセットなどで一つずつ取る作業は大変ですし時間もかかりますが、水につければ簡単に取り除くことができます。
水に浸けて虫を浮かせる
米虫が繁殖したお米を水に浸けると、米虫の死骸や卵が孵化して空洞になったお米が浮いてきます。または、ザルに米虫が繁殖したお米を入れ、水道水をかけて少しずつ水洗いすると米虫が浮いてきますので浮いてきた米虫やお米を取り除きます。
再度、お米を水に浸け、お米をかき混ぜて米虫や空洞になったお米が浮いてこなければOKです。
もし、浮いてきたら、浮いてくる虫がいなくなるまで、お米を水に浸けて米虫や空洞のお米を取り除くことを繰り返します。虫が浮いてこなくなったら食べることができます。
米虫を取り除く注意点
お米は長時間水に浸けていると水を吸収してしまいます。米虫をとるためにお米を水に浸ける際は少しずつ水に浸けて作業しましょう。
アレルギーをおこす可能性もある
ただし、人によってはお米の中の卵や幼虫を食べるとアレルギーを起こす場合があります。
お米の量が多いと捨てるのはもったい無いと思うかもしれませんが、アレルギーになる可能性を考えると食べずに処分することをおすすめします。
アレルギーが気にならない方は説明した対処法で食べましょう。
《 ポイント 》
- 米虫には害は無いので取り除けば食べることはできるが、アレルギーを起こす可能性があるので食べないことをおすすめする。
米虫は冷蔵庫に入れないと増えていく
米虫は15℃以下で繁殖できなくなり、-20℃~-18℃で死滅します。つまり、米虫を冷蔵庫で保存した場合、死ぬのではなく繁殖や活動ができなくなるということですが、反対に、米虫が繁殖や活動しやすいのはどんな環境でしょうか?
米虫の寿命と産卵
米虫の寿命は温度や湿度やエサによって異なりますが、通常20℃~30℃の環境で2ヶ月~7ヶ月生存するようです。
また、23℃~25℃で繁殖が活発になり、一匹のメスから200個~300個産卵し、環境などの条件があえば400個以上産卵することが可能です。
つまり、たった一匹の米虫がお米に入っただけでも米虫は大量に増えていくことになるのです。
米虫が生活する最適な温度は28℃前後、湿度は60~80%です。日本の夏は米虫の生活環境としても繁殖環境としても最適です。
米虫を繁殖させない保存方法
米虫の繁殖と止める方法、冷蔵庫では完全に死ぬわけではない理由などを説明しましたが、ここでは、お米に米虫を繁殖させない方法をご紹介します。
冷蔵庫で保存する
米虫は5℃以下の環境では繁殖することや活動することはできません。家庭用冷蔵庫の温度は2℃~5℃ですので、お米に米虫が侵入したり繁殖するのを防止するために、5℃以下の冷蔵庫で保存しましょう。
お米をタッパに入れて冷蔵保存
お米を袋ごと入れるスペースが無い場合、蓋つきタッパーやチャック付き保存袋、ペットボトルなどにお米を小分けにして冷蔵庫で保存しましょう。
5℃以下であれば野菜室でもOKです。また、お米は購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
風通しの良い場所で保存
冷蔵庫にお米を保存するのが一番おすすめですが、冷蔵庫の中にお米を保存するスペースが無い場合は、風通しの良い明るい場所で保存しましょう。
米虫は乾燥と光が苦手です。高温多湿の環境は米虫の繁殖を助けます。また、高温多湿で保存したお米は味が落ちますので避けましょう。
虫よけや脱臭剤を使用する
虫よけや脱臭効果のある米びつや、お米専用の防虫剤を入れましょう。お米の匂いは米虫を誘導しますので脱臭も重要なポイントです。
《 ポイント 》
- お米は冷蔵庫で保存する。
- お米をタッパに入れて冷蔵保存。
- 風通しの良い場所で保存する。
- お米用の虫よけや脱臭剤を使用する。
最後に
米虫は冷蔵庫では完全に死ぬことは無いということを説明しました。
米食い虫は「コクゾウムシ」ですが、それ以外にお米を食べる虫に「ノシメマダラメイガ」があります。ノシメマダラメイガの体長は7~8mmで15℃以下で成長スピードが落ち、10℃以下で成長を止めることができますので、家庭用の冷蔵庫でもノシメマダラメイガは駆除できます。
コクゾウムシもノシメマダラメイガも冷蔵庫で保存することで繁殖を防止できますが、容器の中に結露ができるとカビが発生する可能性があります。
結露は温度差で発生しますので、冷蔵庫からお米を出し入れする際はできるだけ素早く行い、温度差が発生しないよう注意しましょう。