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愚痴ノートとは
「愚痴ノート」とは、その名の通り「日頃の愚痴を書きつづるノート」のことです。
「愚痴日記」として利用している方もいるようですが、人に愚痴を聞いてもらう代わりに思いのたけを文章にして愚痴ノートにつづることで、ストレス発散や感情を落ち着かせて整理する効果が期待できます。
殴り書きでもかまいません。職場でイライラしたこと、人間関係で腹が立ったこと、納得がいかないことや、悔しい、妬ましい、淋しいなど、感情が揺さぶられた時はそれを愚痴ノートに書きこむことで、ストレスがスッと薄れていくのが実感できるでしょう。
また、心の中の動きを記録として残すことができるので、後々読み返してどう解決したかなど参考にできますし反省する材料にもなります。
そんなわけで今回は、感情が高ぶったときや落ち込んだ気持ちになった時のためのノート術、「愚痴ノート」について、さまざまな観点からご紹介します。
《 ポイント 》
- 愚痴ノートに書き出すことによってストレス発散や感情を落ち着かせる効果がある。
愚痴ノートの効果
嫌なことがあったときには、愚痴ノートに思いのたけを書きつづると次のような効果が期待できます。
ストレス発散になり心が晴れる
愚痴ノートの最大のメリットは、ストレスを発散し解消できることです。運動をしたりお酒を飲んだりと、ストレス発散方法は人それぞれですが、イライラしたときに愚痴ノートに書き込んでいくと、いつの間にか心が落ち着いて軽くなっていることでしょう。
頭の中が整理できる
感情が高まった状態のままでは思考をまとめることは難しいですよね。なぜ自分がイライラしたのか、ストレスの根本的な原因は何かなど、書きながら自然と自問自答することもあるでしょう。
気が付くと思考まで整理されて、冷静に対処できる状態になっていることも大いにあり得ます。愚痴を吐き出すことによって冷静さを取り戻してくると、自分の気持ちに向き合える余裕が生まれるので、解決法やヒントがひらめくのかもしれませんね。
記録することで目標の再発見ができる
今、この瞬間の感情をずっと覚えておきたいと思っても難しいものです。それを愚痴ノートに書いて残しておけば、後から自分の過去を見返すことができるので、新たな気付きに繋がることもあります。
また、感情を記録しながら自分と向き合う時間を作り、自分で自分に問いかける習慣をつくることで、漠然としていた将来の目標ややるべきことがはっきりしてくるでしょう。
愚痴や不満を話す相手を必要としない
ついつい愚痴や不満を誰かに話すことでストレスを発散したくなりますが、これはおすすめしません。独り言では済まないので、愚痴を聞いてもらう相手が必要になりますが、吐き出す側は良くても愚痴や不満をきかされる側はたまったものではありません。
なので、自分の都合のよい時間に好きなだけ書き込める愚痴ノートはいいアイデアと言えるでしょう。
《 ポイント 》
- ストレスが発散され心が軽くなる。
- 心に余裕が生まれ解決法やヒントがひらめく。
- 漠然としていた将来の目標ややるべきことがはっきりする。
愚痴ノートの書き方
愚痴ノートは、今感じている感情を手持ちのノートに書き出すだけです。感情にまかせて書いてかまいませんが、いくつかコツがあるのでまとめてみました。
感情が揺さぶられたときに気兼ねなく書く
回数や書式、字のサイズにこだわらず、気が済むまで愚痴ノートに書き込みます。ネガティブ、ポジティブどちらでも、自分の感情にまかせて書く事をおすすめします。誰にかに見せるわけではありませんので、正直に心の中を全部さらけ出してしまいましょう。
日記のように書いてもよい
愚痴ノートは、日記の延長と思ってかまいません。わざわざノートを買って準備する必要はありませんが、常に書くようにしたいのであれば、それ専用の愚痴ノートを作っても良いでしょう。
少しだけで間に合う方は、手持ちの手帳のページの端っこにメモ代わりに、ほんのちょっと愚痴を書き残すだけでもいいのではないでしょうか。
パソコンの「メモ」も活用できる
最近は仕事でも勉強でもノートや手帳を使わずに、パソコンひとつで全てを行っている方もいるようです。愚痴ノートは手書きのノートでなければいけないわけではなく、形式は問いません。
イライラしたことを胸の内にしまっておくのではなく、目に見えるようにすることに意味があるので、日頃使い慣れているものであれば、ワードでもエクセルでも何でもいいのです。
愚痴だけでなく「楽しいこと」も書いてよい
愚痴がない日は、楽しかったことを書いても面白いですね。愚痴を文字にしてストレスを発散させる一方で、楽しかったことを文章にして残しておくと、後々幸せな気分を思い出せるという効果があります。
《 ポイント 》
- 自分の感情にまかせて書く。
- 日記の延長と考えてわざわざ愚痴ノートを準備する必要はない。
- 形式は問わず、ノートでなくてもワードでもエクセルでもOK。
- 楽しかったことを書いてもよい。
愚痴ノートのアプリもある
人間関係や将来への不安など、私たちはストレスを溜めてしまいがちです。そんなときは、愚痴ノートに限らず、忙しい毎日でもスマホで手軽に感情の記録ができるアプリを活用してみましょう!
心のイライラを誰にも知られることなく、アプリを活用して気持ちを切り替えましょう。
「嫌なことノート」
嫌な出来事の「日時」「重要度」「相手」「内容」「対策」を5秒程度で簡単に記録できるアプリなので、電車での移動時間や休憩時間などのスキマ時間に記録できる手軽さが魅力です。
日時は自動入力、内容や相手は過去の履歴から簡単に再入力できます。嫌なことの発生件数を自動でカウントしたり、相手や内容を色分けして表示する機能も搭載されています。
また、「日付」「重要度」「未対策」などの条件で簡単に検索が可能です。
「ニコニコログ」NikoNikoLog
ニコニコログには、感情や出来事を日記形式で残せる「タイムライン機能」と「カレンダー機能」があります。1〜2週間程度続けると、その週どんな感情で過ごしたのかカレンダーを見ながら把握できるので、自分を客観視するのに役立ちます。
また、個人だけではなく家族や友人数人でグループを作り、タイムラインやカレンダーを共有できる機能もあります。
「気分ログ日記」KibunLog
感情の詳細なデータを記録して後々活かしたい方におすすめのアプリです。アプリを開くと当月のカレンダーが表示され、「今とっさに頭によぎった考えは?」をタップして感情を記録します。さまざまな機能がある中で特に注目したいのが、記録できる感情の豊富さです。
「誇り」「幸せ」「感謝」「癒やし」、または「無気力」「イラッ」「悲しい」「不安」「怒り」「落込む」などネガティブな感情まで多数あり、その中から自分の感情に一番近いものを選びます。
「エモ日記」
気分をメモする感情日記アプリです。
1日1回記録することでデータが蓄積され、週ごとや曜日ごとの平均を出してくれる分析機能を活かすと「〇曜日には気分が下がりやすい」など、自分の感情を知ることができるでしょう。
《 ポイント 》
- 5秒程度で簡単に記録できる「嫌なことノート」
- 感情や出来事を日記形式で残せる「ニコニコログ」
- 感情の詳細なデータを記録して残せる「気分ログ日記」
- 1日1回記録することでデータが蓄積されていく「エモ日記」
愚痴を口から言うデメリット
ここでは愚痴ノートに愚痴を記入することではなく、愚痴を口から言うデメリットについてご紹介します。
イライラが増す可能性がある
愚痴を言うことで、ストレスの原因を思い出し嫌な記憶が蘇ってしまい、逆にイライラが増すこともあるようです。
また、愚痴を聞いてくれている相手の反応によっても、不安が助長してしまうこともあるでしょう。話を軽く聞き流していたり、説教されたりと自分が期待していた回答ではない場合、余計イライラが増すかもしれません。
聞く相手にとってストレスになる
愚痴が多すぎて長々と話したりすると、相手に嫌な印象を持たれてしまいます。あまりにも自分勝手な内容だと、相手は愚痴を受け止めきれなくなり煙たがられてしまいます。
相手の愚痴も聞かなくてはいけない
愚痴を聞いてもらったかわりに、相手の愚痴を聞いてあげるのは当然のことですよね。自分自身のイライラにプラスして、相手の不満や不安も吸収しなければいけないわけです。
相手が望む対応をしようと気を遣うとかえってストレスがたまり、これがマイナス効果を生み出してしまうかもしれません。
愚痴を言っても何も変わらない
人に愚痴を話すとその時はスッキリしたような気分になるかもしれませんが、ある意味無駄なことかもしれません。なぜなら、愚痴を言ったとしても何も変わらないからです。
建設的な内容ならともかく、愚痴をこぼすことに自分の時間と相手の時間を費やすのはもったいないことなので、貴重な時間をもっと他のことに有効に使いましょう。
自分の評価を下げる
人に愚痴を言うことで、どのように周りから見られているのかを考えてみましょう。人間関係に関わる愚痴をこぼすということは、きっと他の人にもいろんな愚痴を話しているかもしれないと思われる可能性があります。
周りから「信頼できない人」と思われてしまうと、ビジネスパートナーや先輩、後輩など、自分の周りにいる人との信頼関係が揺らいでしまうかもしれません。
誰に伝わるかわからない
軽い気持ちで口にした愚痴が、人や会社の悪口ととらえられて、それが本人や上司に伝わったとしたら信頼関係の継続が難しくなってしまいます。しかも、他の人の悪意により愚痴そのものが湾曲して伝えられたら取り返しのつかないことになってしまいます。
言葉は言霊になる
ネガティブな気持ちで人に話すと、その時はスッキリしたとしても今度はその言葉の一つ一つが言霊になって自分に降り掛かってくるような気持ちになることがあります。
昔から「言霊(ことだま)」という言葉がありますが、愚痴や悪口にはそういうマイナスパワーがあるようです。マイナスなことばかり発言している人は、人生そのものがマイナスに向かっていくと言われています。
《 ポイント 》
- 嫌な記憶が蘇ってしまい、却ってイライラする。
- 聞く相手にとってストレスになるし、相手の愚痴も聞かなくてはいけない。
- 愚痴を言ったとしても何も変わらない。
- 自分の評価を下げ信頼関係が揺らいでしまうかもしれない。
- 悪口ととらえられてそれが本人や上司に伝わる可能性もある。
- 愚痴や悪口にはマイナスパワーがある。
最後に
ストレスを発散したいとき、愚痴ノートに書くことの効果や書き方について解説しました。いかがでしたでしょうか?目に見えないマイナス感情をそのまま放置して蓄積させるよりは、上手に発散させたほうがいいですよね。
愚痴ノートの効果を把握して書き方をマスターできると、問題の中心部分を自分の力で分析できるようになり、次第に解決策が見えてくるかもしれません。そして、この愚痴ノートは書いたときより書いた後の方が、過去にどんな感情だったのか振り返ることができます。
この記事を読んで、興味がわいてきたら一度試してみてくださいね。