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パジャマは“雑菌の温室”?臭いが生まれる仕組み
毎日清潔なはずのパジャマが臭くなってしまうのは、寝ている間に汗や皮脂をたっぷり吸い込んでいるからです。
人は睡眠中に200~500ml、コップ1~2杯程度の汗をかきます。この汗や皮脂がパジャマに付着すると、それをエサに雑菌が増殖します。この雑菌が出す排泄物が、あの嫌な臭いの原因なのです。
また、パジャマの素材によって臭いの残りやすさは異なります。特にポリエステルなどの化学繊維は水をはじく性質(疎水性)があり、皮脂汚れが残りやすいため、より臭いが強くなることがあります。
こうした臭いを防ぐためには、日常的にしてしまいがちなNG行動を避けることが大切です。次のセクションで、その詳しい内容を見ていきましょう。
パジャマが臭くなる10のNG行動
パジャマが臭くなる原因を理解したところで、多くの人が無意識にしてしまっている「パジャマが臭くなる行動」を具体的に解説していきます。
①毎日同じパジャマを着続ける
意外にも多くの人が、毎日同じパジャマを着ています。しかし、毎晩パジャマに蓄積される汗や皮脂は、時間とともに雑菌のエサとなり、臭いを引き起こします。
特に夏場や暖房を使う冬場は寝汗が増えるため、同じパジャマを繰り返し着ると臭いが強まります。毎日同じパジャマを着る場合、臭いは日を追うごとに強くなります。最低でも2着以上のパジャマをローテーションしながら使用することが重要です。
②寝汗をかいたパジャマをそのまま放置する
睡眠中にたくさんの汗をかいたパジャマを、翌朝そのまま洗濯せずに置いておくと、汗に含まれる水分や皮脂が酸化し、雑菌の繁殖を加速させます。
特に湿度の高い環境で放置すると、雑菌がより早く増殖し、生乾き臭の原因になるモラクセラ菌が発生しやすくなります。朝起きたらすぐ洗濯するか、最低でも風通しの良い場所で一時的に乾かしてから洗濯しましょう。
③休日に1日中パジャマで過ごす
休日にリラックスして1日中パジャマで過ごす人も多いですが、これはパジャマが臭くなる大きな原因のひとつです。
パジャマを長時間着続けると、汗や皮脂が蓄積するほか、食事をした際の食べかすやホコリが付着します。これが雑菌の栄養源となり、臭いやカビを引き起こします。休日でも朝起きたらパジャマから着替え、リラックスウェアなど別の服を着用しましょう。
④柔軟剤を多く使いすぎる
柔軟剤はパジャマをふんわりさせますが、実は使いすぎると逆効果になります。柔軟剤が繊維の表面に膜を作ってしまい、水分を吸収しにくくなります。
その結果、汗や皮脂汚れがパジャマに残りやすくなり、雑菌が繁殖して臭いが強くなります。適量の目安は「キャップ1杯以下(5kgの洗濯物に対して)」と覚えておきましょう。
⑤洗剤の量を間違えてしまう
汚れを落としたい気持ちから、洗剤を多めに入れてしまう人もいますが、実はこれも臭いの原因です。洗剤が多すぎるとすすぎ残しが発生し、残った洗剤が雑菌の栄養源になります。
逆に洗剤が少なすぎると、皮脂汚れがしっかり落ちず、これも雑菌繁殖の原因になります。洗剤はパッケージの表示通り正確に測り、適量を使いましょう。
⑥洗濯したパジャマを洗濯機に入れっぱなしにする
洗濯が終わってから干すまでの時間が長くなるほど、パジャマに雑菌が繁殖しやすくなります。
洗濯機内の湿気が多い環境では、約2時間放置するだけでモラクセラ菌などの雑菌が数倍に増殖します。この雑菌が、生乾き臭を引き起こす原因になります。洗濯後はできる限り早く干すようにし、遅くとも30分以内を目安にしましょう。
⑦脱いだパジャマを密閉したカゴに入れている
脱いだ直後のパジャマを、通気性の悪い密閉型の洗濯カゴやバッグに入れてしまうと、汗や湿気がこもり雑菌の温床になります。特に夏場や湿度の高い日は、半日も密閉した状態が続くと悪臭が発生します。脱いだパジャマは通気性の良いカゴやメッシュ状のバッグに入れ、なるべく早く洗濯しましょう。
⑧濡れた体のままパジャマを着る
入浴後、体がまだ十分に乾いていない状態でパジャマを着るのもNG行動です。水分と体温により湿った状態が長く続くと、雑菌の繁殖が急速に進みます。
特に襟元や脇などは体温が高く湿気がこもりやすいため、臭いが強くなります。タオルやボディドライヤーを使い、体表面の水分をしっかりと取り除いてからパジャマを着用しましょう。
⑨パジャマを着たまま食事や喫煙をする
パジャマのまま食事をすると、食べこぼしや油汚れが付着し、雑菌のエサになります。また、パジャマを着たまま喫煙すると、タバコの煙がパジャマに付着し、強い臭いが残ります。
食事や喫煙はパジャマとは別の服装で行いましょう。万が一パジャマを汚してしまったら、その日のうちに洗濯をすることが大切です。
⑩洗濯槽の掃除を怠る
洗濯槽の汚れやカビは意外と見落とされがちですが、これもパジャマが臭くなる大きな原因です。洗濯槽の汚れが衣類に付着すると、雑菌やカビ菌が繁殖し臭いを引き起こします。1ヶ月に一度を目安に洗濯槽専用のクリーナーを使い、洗濯槽内部を清潔に保つようにしましょう。
パジャマの臭いを簡単に消す方法
パジャマが臭くなってしまったとき、普通に洗濯するだけでは臭いを取りきれないことがあります。その場合には以下の方法を試してみてください。
酸素系漂白剤でつけ置きする
酸素系漂白剤を40〜50℃のぬるま湯に溶かし、パジャマを30分から1時間程度つけ置きします。
酸素系漂白剤には液体と粉末の2種類がありますが、軽い臭いの場合は液体タイプが使いやすく、頑固な皮脂汚れには発泡作用が強い粉末タイプがおすすめです。つけ置き後は通常通り洗濯しましょう。
クエン酸やミョウバンを使って臭いを消す
加齢臭など皮脂の臭いには、クエン酸やミョウバンをすすぎのときに入れると効果的です。洗濯機の柔軟剤投入口にクエン酸小さじ1杯、またはミョウバン水30ml程度を入れてすすぐことで、皮脂が原因のアルカリ臭を中和し、消臭効果を発揮します。
素材に合った洗い方をする
ポリエステル素材は皮脂汚れが残りやすいため、より念入りな洗濯が必要です。40〜50℃のぬるま湯でつけ置きをしたり、抗菌機能のある洗剤を使ったりすると効果的です。
パジャマを買い替える場合は、皮脂や臭いが残りにくい綿や竹レーヨン、銀イオン加工の繊維などを選ぶこともおすすめします。
まとめ
パジャマの臭いは、実は日常の小さな行動の積み重ねで防ぐことが可能です。洗濯や干し方に工夫を加えることはもちろんですが、睡眠前に軽くシャワーを浴びて汗や皮脂を洗い流すことでも、臭いは大幅に軽減できます。
また、睡眠中に寝汗を抑えるために、寝室の温度を適切に調整するのも効果的です。パジャマの臭いを防いで清潔感を保つことは、質の高い睡眠をもたらし、心身の健康維持にも繋がります。