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北枕で寝てはいけないと言われる2つの理由!
1.亡くなった人が寝る方向のため縁起が悪い
仏教の創始者とされている釈迦は、上の写真のように亡くなった時は頭を北側に横向きになっていたという言い伝えがあります。そのため仏教では、亡くなった時に釈迦と同じように北側に頭を向けることで、極楽浄土に迎えられるという考えが生まれました。
この考えによって亡くなった人を北向きに寝かせるようになり、「北枕=亡くなった人」という縁起が悪いイメージが定着し避けるようになったのでしょう。
2.昔の日本家屋では北側からの隙間風が厳しかったため
昔の日本家屋は木造が多く、気密性が低いことから戸締りをしていても、北側から冷たい隙間風が入る構造でした。そのため夜寝るときに、北側に頭を向けることで冷たい空気にさらされるため、風邪を引きやすかったとされています。
このように、北枕は冷たい北風により風邪を引きやすいため避けるようになったという言い伝えも存在しています。
風水では北枕は良いとされている!
北枕は避けるべきという考え方は昔から日本では定着していますが、現代ではあまりこだわっている人は多くないでしょう。
また風水においては、日本の言い伝えとは対照的に「北枕はよい」と考えられています。風水では『北』という方角は縁起がよいとされ、さまざまな運気上昇の期待ができるからです。
- 健康運アップ:北向きは頭を冷やし、足元を温める「頭寒足熱」となり、地の巡りをよくする効果が期待できます。
- 金運アップ:風水では北側にはお金を蓄える気があると考えられているため、入ってきたお金が貯蓄できることで金運アップの効果も期待できます。
また海外では北枕は縁起がよくないという認識はなく、例えばインドでは同じようにお釈迦様が亡くなった向きに由来していましが、考え方は日本と異なり「北=縁起のいい方向」とされています。
眠りをよくする向きはある?
言い伝えとは関係なく、眠りをよくする向きとは存在するのでしょうか。快眠を妨げないためのポイントとしては以下の通りです。
- ドアと窓は風の抜け道のため、ドアと窓の直線上は避けるのがよいでしょう。
- 眠りが浅いと人の気配や屋外の音で目が覚めてしまう可能性があります。枕を置く方角には、ドアや窓がないほうがおすすめです。
- より良い睡眠を得るためには、寝具選びも大切です。敷布団・掛け布団・枕の種類などは長期間使うとへたりが生じ首や肩、腰などを痛める原因にもなります。定期的に見直しましょう。
他にも睡眠の質を上げる習慣として次のことを参考にしてください。
- 胃の中に食べ物が残っている状態では消化のために胃の働きが続き浅い眠りになりやすいので夕食は就寝3時間前までに済ませましょう。
- お風呂は寝る直前より2時間前に入るほうが、体の中心の温度である「深部体温」が下がり熟睡できると言われています。
- スマホやパソコンの放つブルーライトが太陽の光に近い性質のため、脳が時間を誤り覚醒作用が働くこともあります。睡眠前の使用は避けたほうが質の良い睡眠につながるでしょう。
北枕は縁起が悪いというのは日本独自の忌み事
ご紹介したように北枕は縁起が悪いというのは日本独特の考え方や風習です。そのため寝室の方角や環境によっては北枕がベストである場合は気にしないほうが得策でしょう。
むしろ方角を気にするより、快眠できる環境づくりを重視するほうが、睡眠の質も上がることでさまざまなメリットを得ることができるのではないでしょうか。