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料理酒とみりんは原材料が違う
料理酒の原材料
料理酒は米、米こうじ、食塩などを原料とした醸造調味料で、分かりやすく言うと「日本酒に塩や酢を加えたもの」です。塩分含有がないため酒税がかからず、酒類の販売許可がない店舗でも取り扱いすることができます。
みりんの原材料
みりんは、蒸したもち米、米麹、焼酎、アルコールを原料とした仕込んだもろみを、ゆっくりと熟成させ、搾ってできるほんのり甘みのある調味料です。
みりんには「本みりん」と「みりん風調味料」「みりんタイプ調味料」があります。「本みりん」は料理酒と同じでアルコールが13%程度含まれているため、醸造酒に分類されます。
一方、「みりん風調味料」はアルコールが含まれていないもので、本みりんの風味に近づけるように糖類やうま味調味料などの成分を加えたものです。そしてもう一つ「みりんタイプ調味料」というのはアルコールは含まれていますが、料理酒のように食塩が入っています。
そのため、「みりんタイプ調味料」は酒類に含まれず酒税がかからないことから、酒類販売許可がない店舗でも取り扱うことができます。塩分が入っている分、本みりんと同じ使い方をするとしょっぱくなるので気を付けましょう。
料理酒とみりんの役割の違い
料理酒の役割
- 魚や肉の生臭さを消す
- 素材を柔らかくする
- うま味を閉じ込めコクや旨味をプラスする
- 味をしみ込みやすくする
みりんの役割
- まろやかな甘みや旨味を引き出す
- 照りやツヤをプラスする
- 煮崩れを防ぐ
- 肉や魚の臭みをおさえる
- 加熱すると香りづけに役立つ
気を付けたいのは、すべての効果があるのはアルコールが含まれている本みりんとみりんタイプ調味料です。煮崩れを防いだり臭みを抑える効果はアルコール成分の働きのため、アルコール成分が含まれていない「みりん風調味料」には臭み消しなどの効果は期待できません。
料理酒とみりんの使い分けのポイント
料理酒と本みりんはどちらもアルコールを含むため『素材の臭み消し』など似たような役割もありますが、違いを簡単にまとめると
- しょっぱさがあり、食材を柔らかくするのが料理酒
- 甘味があり、照りやツヤを出すのがみりん
です。繰り返しになりますが、みりん風調味料にはアルコールが含まれていないため臭み消しの効果は期待できません。
料理酒とみりんは代用できる?
みりんがない場合は「料理酒+砂糖」
塩が加えられている料理酒と、糖分が加えられているみりんなので、料理酒に砂糖を加えればみりんの味に使づけることができます。味を見ながら少しずつ砂糖を加えてみましょう。
また、臭みを消したいときは料理酒がなくても本みりんを使えば臭みを消すことはできます。しかし、原材料や製造方法が違うため、同じ味に仕上げるのは難しいです。
清酒しかない場合は「清酒+塩」
料理酒は清酒に塩や酢が入った物なので、清酒に塩を加えれば料理酒の代用ができます。下味をつける時や料理に塩味をつけたいときは、清酒だけではなく塩を加えると良いでしょう。
素材を柔らかくするだけならワインで代用できる
素材を柔らかくしたいときに料理酒もみりんもない場合、白ワインはその役目を果たしてくれます。少量の代用であれば可能ですが、量が多くなるとワインはブドウの酸味が強いため、料理の味が全く変わってしまいので注意も必要です。
料理酒もみりんも加熱が必要!
みりん風調味料は例外ですが、アルコールがはいっている料理酒と本みりん、みりん風調味料は加熱でアルコールを飛ばすことが必要です。砂糖や塩、酢、しょうゆ、味噌などのいわゆる和食の基本調味料の「さ・し・す・せ・そ」と使う時は、一番最初に入れてアルコールを飛ばしましょう。