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保冷材が再利用できる理由
日本で出回っているほとんどの保冷材の中身は、約98パーセントの水と高吸収性ポリマーという成分、防腐剤と形状安定剤が含まれています。高吸収性ポリマーというのは、水を吸収して固める特質があり、紙オムツの吸水で使われているものと同じ成分です。
また、災害のときに使われる土嚢にも、高分子ポリマーが使われているなど、様々な分野で活用されているものです。ですので、触るだけでは特に害のないもののため、注意点を守れば再利用ができます。
保冷剤の再利用方法5選
①消臭剤
保冷材に含まれている高吸収性ポリマーは、におい成分も吸着できると言われています。市販の消臭剤に使われていることもあり、再利用には消臭剤として活用できます。
保冷材を常温に戻しておいて、袋の端をハサミでカットします。中身をお好きな容器に移すだけで、保冷材を再利用した消臭剤の完成です。
容器は使わなくなった空き瓶を利用したり、お気に入りの容器や100円ショップで購入できる器などを使えばインテリアとしても楽しめます。トイレ、玄関、シューズボックスなど臭いの気になるところで活躍できます。乾燥して水分がなくなってきたら交換の時期となります。
②芳香剤
消臭剤として利用できる保冷材に、せっかくであれば、アロマオイルで香りづけをすると、芳香剤としても使えます。消臭剤と同じ手順で容器に入れ、好きなアロマオイルを3~5滴たらしてみましょう。
香りが無くなってきたと感じたら、繰り返しアロマオイルを足して使えます。臭いが気になる場所には柑橘系やウッディの香り、寝室などはリラックスできる香り、など置く場所によってアロマオイルを使い分けると良いですね。
③ホットパック
袋のまま40度くらいのお湯で湯煎すると保冷が温まり、顔のホットパックやアイマスクとして使えます。温度は自分の肌にあてた時に、気持ちが良いと感じられる程度にして、やけどには注意しましょう。温めすぎたり、電子レンジを使用したりすると、中身が破裂する場合があるため、温めすぎないように気を付けてくださいね。
④虫よけ対策
保冷材の中身だけを、お皿などに置いておくと、水分が蒸発して数日すると乾燥してきます。この水分が蒸発するという性質を利用して、虫よけ効果のあるアロマオイルを一緒に使うと、虫よけ対策にも使えます。
消臭剤と同じように保冷材の中身を瓶などに入れ、そこへ、虫よけ効果が期待できるミント系のアロマオイルを5滴くらいたらします。水分と一緒に虫よけ効果のあるミント系の成分が、蒸発することで虫よけ対策ができます。
⑤植物の水やりやオアシス代わり
解凍した保冷材を袋から出し、鉢植えや植物の周りに置き、その上に土をかぶせておきます。すると、水を含んでいる吸収性ポリマーから、徐々に水分が土の中に溶けていき、保水材のような役割をしてくれます。
2,3日は乾燥から植物が守られるため、1泊2泊の外泊時などに便利な活用法です。砂漠を緑化する活動でも、これと似た方法がとられていることもあり、植物の成長にダメージが与えられることはないそうです。
また、切り花でつくるフラワーアレンジメントで使う緑色の吸水スポンンジ、オアシスのように使うこともできます。お好きな容器に入れた保冷剤の中身に、切り花をさしてください。保冷材は時間が経つと乾いてくるため、オアシスと同じようお水を足しながら使ってください。
保冷剤を再利用する際は誤飲に注意
誤飲に注意
少量の誤飲であれば自然に排出されるとのことですが、多量な誤飲は水分を吸収し喉に詰まって窒息することもあります。特に小さなお子さんやペットのいるご家庭は、気を付けて下さい。
日本製の保冷材にはほとんど使われていないようですが、高吸収性ポリマーの中で「エチレングリコール」という有毒物質が使われている製品もあったようです。この成分を誤飲すると、嘔吐や吐き気、意識障害、過呼吸、腎不全などの症状のでる危険がありますので、誤飲には十分に注意してください。
排水溝などに流さないようにする
水を吸収する特質により、排水溝に流してしまい、排水溝の中に保冷材の中身がとどまってしまうと、水を流すたびに高吸収性ポリマーが水を吸ってしまいます。膨張して排水溝が詰まる可能性があるため、排水溝や水場などで、中身をそのまま流したりするのはやめましょう。
まとめ
保冷剤の中身で、消臭剤が作れたり、植物の水やりの代用ができたりするのは意外ですね。アロマオイルを使えば、好みの香りの芳香剤が簡単に作れますし、旅行の時の水やりにも便利です。
捨ててしまうのであれば、いろいろ活用したいですね。ただし、誤飲には十分気を付けて使いましょう。また、捨てる際も排水溝などには決して流さないよう注意して下さいね。