コーンスターチの代用と使い方!片栗粉との性質の違い

「片栗粉」は唐揚げの衣や料理のとろみをつけるのによく使われています。しかし、プリンやカスタードクリームなどお菓子のレシピでは、材料に「コーンスターチ」が使われ、片栗粉はあまり見かけません。片栗粉とコーンスターチには、いったいどのような性質の違いがあるのでしょうか。コーンスターチの代用になるものについても見ていきましょう。

コーンスターチとは

コンスターチ 代用

片栗粉とコーンスターチの性質の違いの前に、まず「でんぷん」について見ていきましょう。

でんぷんについて

植物は光合成によって水と二酸化炭素から主たるエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)と酸素を作り出します。作られたグルコース分子は結合して高分子化され、根や幹、種子、果実に蓄えられます。これが「でんぷん」です。

米や小麦といった穀類や馬鈴薯(ジャガイモ)など私達が普段食べている食品にも「でんぷん」が含まれています。そのなかでもトウモロコシを原料としたでんぷんのことを「コーンスターチ」といいます( starch=でんぷん)。片栗粉は馬鈴薯(ジャガイモ)のでんぷんのことです。

でんぷんの特徴

でんぷんに共通する特徴としては、水を加えて加熱することで粘性が増大し糊化、つまり「糊(のり)」状になることが挙げられます。

水溶き片栗粉で料理にとろみをつけたり、コーンスターチを使ってカスタードクリームのもっちりとした食感をつくったりすることも、でんぷんの糊化を利用。加熱したものを冷却すると、徐々に粘性を失いゲル化(流動性を失い、固体状になったもの)するのが特徴的。

しかし、原料となった植物の種類により糊上になる温度や状態など、でんぷんの性質はかなり異なります。料理等に使う場合には、それぞれの特性を活かした使われ方がされています。

コーンスターチの様々な用途

コンスターチ 代用

またコーンスターチと一口に言っても、トウモロコシの品種によってでんぷんの性質は異なり、用途も工業用から食品用まで様々です。

工業用でんぷんとして

トウモロコシのなかでもアミロース(でんぷんを構成する分子の種類のひとつ)の含有量が高い品種からつくられたでんぷんは、他のでんぷんに比べて加熱しても糊化しにくい性質があります。

しかし糊化したあとの粘度安定性に優れ、接着力も高いため段ボールや製紙など工業用として利用されることもしばしば。

工業用に使われるコーンスターチはバイオ燃料の原料としても知られており、食料価格が爆発的に高騰した2007年~2008年の世界食糧価格危機の原因のひとつともされています。

食品用でんぷんとして

逆にアミロース含有量が低いトウモロコシから作られたでんぷんは、片栗粉に比べて糊化温度が高く粘度が低いものの、冷めても安定しています。そのため、フランス料理のソースやカスタードクリームなど食品用としてよく使われています。

これらには小麦粉が使われることも多いですが、小麦粉に比べてコーンスターチはダマになりにくく、トロリとした滑らかな食感になるため、料理や作る人の好みにあわせて使い分けされています。

また、食品用コーンスターチはビールの副原料としてもよく使われているのをご存知でしょうか?ビールはまず、細かく砕いた麦芽に温水を加えて加温し、麦芽に含まれる酵素の働きででんぷんを糖化して糖化液を作ることから始まります。

けれども、このときにコーンスターチを加えると、糊化する温度や酵素の活性温度の違いで作られる糖の種類が異なってくるため、麦芽のみのビールよりもスッキリとした風味のビールをつくることができます。

コーンスターチと片栗粉の性質の違い

コンスターチ 代用

それでは片栗粉とコーンスターチにはどのような性質の違いがあるのでしょうか。まず、この二つは粒径(粒の大きさ)、糊化温度、粘度、粘度の安定性、膨潤度(液体を吸収したときの膨らみ方)などの物理的特性が大きく異なり、料理にもはっきりと違いが現れます。

食感の違い

食感の違いは唐揚げや竜田揚げにするとよくわかります。片栗粉を使用した唐揚げは衣がザクザクでふわっとした食感になり、冷めるとやや油っぽくなります。

一方、コーンスターチを使用した唐揚げは衣がサクサクとして硬く、冷めてもあまり油っぽくなりません。このことは、でんぷんの粒径と膨潤度が関係しています。片栗粉の粒径(㎛)は15~120、コーンスターチは6~30。

つまりコーンスターチの方が粒の粒子が細かく、衣が薄くつくため、油で揚げると油切れのよい、サクサクとした食感になるのです。

また、膨潤度は片栗粉が5.9なのに対してコーンスターチは3.5。この膨らみ方の違いにより、片栗粉を使用した衣はソフトな歯ごたえになり、コーンスターチを使用した衣は硬くなるのです。

とろみの違い

あんかけなど、料理にとろみをつけるのには片栗粉がよく用いられますが、このとろみもでんぷんの粘度や糊化温度によって違ってきます。粘度(RVU)の最大値は片栗粉はコーンスターチの2倍以上、糊化温度は片栗粉が55~66℃、コーンスターチは65~76℃です。

このことから、料理にとろみをつけたいときは片栗粉の方が少ない分量できる上、低い温度でも糊化することがわかります。また、片栗粉で作ったあんは無色透明ですが、コーンスターチはやや白濁します。

粘度安定性の違い

コーンスターチは片栗粉よりも粒子が細かくそろっているため、糊化した後の安定性が良く、冷えても粘度があまり変わりません。一方、片栗粉は冷えると粘度が落ちるため、片栗粉でとろみをつけた料理はやや水っぽくなってしまいます。

このためコーンスターチは、その特性を活かしてカスタードクリームやプリン、ブラマンジェなどの冷菓に多く用いられています。

コーンスターチの代用

片栗粉や小麦粉は料理によく使いますが、コーンスターチは使う機会があまりないため、常備しているご家庭は少ないのではないでしょうか。そのような場合は、片栗粉や小麦粉、米粉がコーンスターチの代用になります。

パンを作るとき

一般的にパンは強力粉という、グルテンの含有量が高い小麦粉で作ります。グルテンとは粘りと弾力が強いたんぱく質のこと。パンを作る際、この強力粉の一部をコーンスターチにすることで粘りが減り、ふわふわとした食感のパンになります。

この場合は片栗粉または米粉がコーンスターチの代用になります。特に米粉はもちもちとした食感も加わり、美味しく仕上がるのを覚えておくと良いでしょう。

 カスタードクリームを作るとき

カスタードクリームを作るときにはコーンスターチを使うことが多いですが、小麦粉を使っても美味しくできます。小麦粉はコーンスターチに比べてでんぷんの粘度が若干低めですが、でんぷんの他にグルテンも作用するためもっちりとした食感を実現。

また、小麦粉を使用したカスタードクリームはクリームパンやシュークリームを作る際によく使われます。

チーズケーキを作るとき

スフレタイプのチーズケーキを作る際にもコーンスターチを使うことがあります。あのふわふわの食感は生地にメレンゲを加えて膨らませることでできますが、メレンゲは焼いた後すぐにへこんでいきます。

このため、コーンスターチなどでんぷんを混ぜてそれを防いでいるのです。この場合、コーンスターチの代用としては小麦粉または米粉がいいでしょう。味も膨らみ方も、コーンスターチを用いたものと遜色ありません。

でんぷんの特性を知って料理に活かそう

コンスターチ 代用

片栗粉やコーンスターチ、小麦粉や米粉など、でんぷんはその種類によって様々な特性があります。料理にとろみをつけたいときは片栗粉、カスタードクリームにはコーンスターチというように特性を活かして使い分けることができれば、料理の幅はさらに広がるでしょう。

また料理によっては代用することも可能です。ぜひいろいろと試して料理の幅を広げてみてください。