目次
古い灯油の処分方法
余ったポリタンクの灯油を処分してくれるところを4ヶ所紹介します。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドなど灯油の販売店には、古くなった灯油の引き取り義務が課せられています。持ち込み先は、必ずしも購入したガソリンスタンドでなくても構いません。
しかし、セルフのガソリンスタンドでは対応できないこともありますし、地域によっても対応が変わるので、問い合わせてから持って行くと良いでしょう。
ホームセンター
ホームセンターで購入した場合は、購入店に持ち込めば処分してくれるのが一般的です。店によっては、購入した灯油でなくても引き受けてくれます。まずは問い合わせてみましょう。
回収業者
粗大ごみ回収業者の中には、灯油も回収してくれるところがあります。メリットは自分で持ち込まずに済むことです。
灯油販売店
灯油を配達してもらっている家庭であれば、その販売店にお願いするのが手近な方法です。このときも引き取りに来てくれるので楽ですね。
古い灯油の間違った処分方法
思わずやってしまう古い灯油の処分方法を挙げてみました。皆さんは、こうした行動は控えてくださいね。
ビニール袋に入れて家庭ごみ回収の日に出す
灯油は危険物に該当します。ビニール袋に入れて、家庭ごみ回収の日に出すのは控えましょう。袋が破れて他のごみに染み込んだところに火が点くと、火事が起こるかもしれません。
古新聞やぼろきれに染み込ませて家庭ごみ回収の日に出す
ビニール袋がだめなら、古新聞やぼろきれに染み込ませて捨てるのは良いだろうと考える人もいるかもしれません。床にこぼしてしまったくらいの少量であれば構いませんが、大量の場合はやはり火事が起こるリスクがあるので危険です。
川に流す
生態系に悪影響が出る可能性があるため、川や海に流すのは止めましょう。環境犯罪として取り締まられる可能性も否定できません。
地面にまく
除草剤として使う方法もありますが、土中の生物を殺してしまったり必要な植物を枯らしてしまったりもします。臭いでも近所に迷惑をかけるので、止めるのが賢明です。
下水に流す
下水に灯油を流すと、下水道施設に尋常でない被害をもたらすリスクがあります。下水道管の清掃作業が始まれば多額の税金が使われることになります。その上、通行止めにして作業を行うことになれば、渋滞が起きるなどの2次被害が起こる可能性も考えられるでしょう。
また、流れた灯油に火が点くことは考えにくいものの、可能性はゼロではありません。万が一火事になれば、爆発事故につながります。
灯油の正しい保管方法
灯油を保管するときは、次のことに気をつけて変質を防ぎましょう。
色がついたポリ容器に入れる
灯油を入れる入れ物は、ポリ容器が一般的ですよね。昔は白色が主流だったものの、飲料水用のポリ容器と区別するために他の色が付けられました。関西圏では青色、関東圏では赤色がメジャーです。濃い色を付けると紫外線からの影響を抑えて、劣化を遅らせることがわかっています。
直射日光が当たる場所を避ける
ポリ容器に色が付いているからといって、直射日光の当たる場所での保管は劣化を早めます。日当たりの良いベランダなどに置く人が多いですが、少しでも日に当たらないよう、コンテナに入れるなどの工夫をしたいところです。
冷暗所に保管する
車庫などの冷暗所に置くのがベストです。室内に置くときは、涼しい玄関などが良いでしょう。
雨水が当たらない場所を選ぶ
蓋のわずかな隙間から雨水が浸入してしまう可能性はゼロではありません。雨水が混ざった灯油をストーブに使うと故障の原因になるので、気をつけてください。
周囲に火気がない場所を選ぶ
灯油はガソリンとは違い、液体そのものに引火することは基本的にありません。それでも高温になる場所に保管していて引火点に達した灯油は、ガソリン同様の引火危険が生じます。火気や火花が起きる器具から遠ざけて保管することが大切です。
風通しの良いところに保管する
灯油は揮発しやすく、発生した蒸気は空気より重いので、低所に溜まりやすいです。風通しの良いところに保管することで、引火のリスクを抑えられます。
残った灯油を使い切る理由と古い灯油の見分け方
なぜ残った灯油は使い切る必要があるのか、古い灯油のチェック方法と共に説明します。
残った灯油を使い切る理由
オイルが酸化しやすいことは良く知られているように、灯油も長期保管で酸化します。また、長い間入れておいたポリ容器から可塑剤が溶け出し、灯油を変質させます。
変質した灯油をストーブに使用すると、ストーブの芯にタールが付着し、着火できなくなったり消火できなくなったりすることがあるので注意が必要です。ストーブが故障する可能性もあるでしょう。さらに不完全燃焼が起きて一酸化炭素中毒になるリスクも潜んでいます。
また、灯油を入れっぱなしにしておいたシーズンオフ中のストーブを倒してしまうと、灯油がこぼれる可能性があります。処理が大変になり、火災リスクが高まるので、入れっぱなしは止めましょう。
古い灯油の見分け方
秋口など、ストーブシーズン初めに購入した灯油が余ったら、ストーブを使わなくなる春先に処分するのがベストになります。灯油は時間が経つと黄色、そして茶色に変色していきます。
それほど時間が経っていなくても、薄黄色になった段階で処分しましょう。また、酸っぱい臭いになっているときも同様です。
灯油の性質
劣化の有無を確認する上で、正常な灯油の状態を知っておくことが大切です。
常温では自然発火はしない
灯油の引火点は40~60度です。直射日光に当たるところで保管していたからといって、この温度に達することは基本的にありません。
無色または淡紫黄色
正常な灯油の色は、無色または淡紫黄色です。灯油と軽油は似ていますが、灯油のほうが薄い色をしています。
臭いがある
石油製品ならではの独特の臭いがします。くさいと感じる人が多数派かもしれませんね。
水に溶けない
オイルなので、水と混ざっても分離します。
水より軽い
水と混ざったときは、多くのオイルと同様に浮きます。
硫黄分が少ない
灯油は硫黄分が少ないため、燃焼時の臭いが少ないです。
まとめ
灯油は、液体そのものは着火しにくく、燃焼時の臭いが少ないことで、家庭用燃料として普及してきました。扱いやすい石油製品ですが、安全とは考えないことが大切です。
シーズン明けにもったいない、買いに行くのが面倒といった理由で、前年の灯油を使いたくなるかもしれませんが、使用前に変質していないか確認してください。変質していたら、適切な方法で処分しましょう。