目次
レーヨン素材の洗濯方法
まず、レーヨンの洗濯における基本的な注意点を解説していきます。失敗を防ぐ上でとても重要な部分になりますので、目を通しておいてください。
洗濯絵表示を見る
レーヨン素材の洋服を洗濯する際、必ず洗濯絵表示の確認をするようにしましょう。レーヨンは非常に水に弱い素材です。水洗い不可と書かれているのであれば、ドライクリーニングに出さなければなりません。
また、水洗い可と書かれている場合であっても濡れタオルで優しく叩きながら汚れを落とすようにするなど、できるだけ洗濯機は使わないようにすることをおすすめします。
汚れがひどくなかなか落ちない場合は洗濯機を使っても構いませんが、その際は必ずおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使用するように心掛けてください。
色柄物は注意
色柄物を洗濯する場合、不用意に行ってしまうと染料が溶け出して色移りを引き起こしてしまうので注意が必要です。
そのようなことを避けるためにも、中性洗剤の原液を目立たないところに数分間つけたあと、白い布を当てるなどしてあらかじめ色移りしないか確認することが大事です。もし色落ちがあった場合は、その衣服だけ分けて洗濯するようにしましょう。
洗濯機のコースはできるだけ弱く、中性洗剤で優しく、30℃以下の水で洗う
レーヨンはとても水に弱い素材です。洗濯機を使うときは、刺激を与えないようできるだけ弱いコースで洗うようにしてください。
そして先ほども述べたように、洗剤は中性洗剤を使う、水の温度は30℃以下にするなどの配慮が必要です。通常の洗濯洗剤は弱アルカリ性です。弱アルカリ性の洗濯洗剤は色落ち、型崩れ、縮みの原因になってしまいます。
また、まだ暖かいお風呂の残り湯などの使用は避け、水道水を使うようにしなければなりません。30℃以上のお湯もまた、色落ちや縮みの原因になってしまうからです。
必ずネットに入れる
洗濯機の中では、たくさんの衣類たちが絡み合って摩擦が引き起こされます。レーヨンに摩擦を与えるのは厳禁なのでそのまま投入するのではなく、必ずネットに入れるようにしましょう。
その際、きちんとたたんで型くずれのないようにしてください。汚れがある場合はその面を外側にして、汚れが落ちやすいようにしておきましょう。
脱水はNG
洗濯機の脱水は、洗濯機の弱いコースを選んでいたとしても衣服に与えるダメージが大きいです。レーヨンを洗濯している場合は、基本的には脱水はNGと考えておきましょう。脱水行うとしても10秒程度で止めるのがレーヨンを綺麗に洗濯するコツになります。
レーヨン素材の手洗い方法
レーヨンの洗濯はなるべく洗濯機を用いずに手洗いで行うのが理想です。手洗いを行うことで洗濯機を利用するよりも短時間で洗濯を終わらせることができるため、レーヨンに優しいです。では、手洗いを行う場合はどうすればいいのでしょう。
用意するもの
レーヨンを手洗いするのに必要なものは
- 洗面器
- 大きめのバスタオル(できれば2枚)
- おしゃれ着用の中性洗濯洗剤
- 平干し用のネット(100円均一で購入可能です)
です。早速レーヨンを手洗いする場合の方法を解説します。
優しく洗う
レーヨンは水に大変弱い素材です。洗濯機を利用する場合も同様ですが、手洗いをする場合も布と布を強く擦りつけるのは生地が傷んでしまうので絶対に避けてください。せっかくの手洗いも意味がなくなってしまいます。
また、揉み洗いもレーヨンにダメージを与えてしまうため避けるようにしましょう。手洗いするコツはまず、中性洗剤を溶かした水の入った洗面器に衣服を入れ、30秒ほど優しく押し洗いをします。これだけで十分汚れを落とすことができます。洋服のダメージも抑えられますよ。
しっかりすすぐ
すすぎにもきちんと気を配りましょう。洗剤の泡を残すことなく洗い流すためにも、何度か水を変えながらすすぐことが大事です。泡がなくなるまですすいだら、大きめのバスタオルで挟んでしっかりと水分を取ります。
この時もぎゅーっとレーヨンを押してしまうと生地の傷みの原因になってしまいます。バスタオルの間にレーヨンを挟んだら、優しくポンポンと叩くようにしてレーヨンの水分をバスタオルに吸わせるようにしてください。
手洗いは2分以内に
レーヨンを手洗いする時に強く意識しなければならないのがレーヨンが水に浸かっている時間です。水分を含んだ状態が長い時間続くのは、水に弱いレーヨンにとってあまり良くありません。
押し洗いからタオルドライまで2分ぐらいで済ませるのが理想です。レーヨンの手洗いは手際よく行うようにしてください。
中性の洗濯洗剤を使用し、30℃以下の水で洗う
洗濯機でレーヨンを洗濯する場合と同じですが、レーヨンを手洗いする場合も中性の洗濯洗剤を使用し、30℃以下の水で洗濯するようにしてください。
優しく手洗いしても、洗剤やお湯のせいで色落ち、型崩れ、縮みが起きてしまえば本末転倒です。中性の洗濯洗剤の中でもおしゃれ着用の中性洗濯洗剤なら、レーヨンへのダメージをさらに抑えることができますよ。
レーヨン素材の干し方と注意点
洗濯が終わった後にもいくつか注意点があります。最初に干し方について解説していくので、しっかりと内容を理解して実践するようにしてください。
大きなしわをしっかり伸ばす
レーヨンはしわがつきやすい素材です。手洗いした場合でも洗濯機で洗った場合でも脱水が終わったらまずしわを伸ばすことを徹底しましょう。大きなしわは衣服を優しく上下に振ることで伸ばすことができます。
陰干しと平干し
レーヨンはとてもデリケートです。ダメージや色褪せを防ぐためにも、直射日光を避け、風のよく通る場所に陰干しをするよう心掛けてください。
そして、干す際はなるべくハンガーを使わず平干にするのが、型崩れや縮みを防ぐという意味でも好ましいです。100円均一には平干し用のネットが販売されているので、購入するだけで平干しがすごく楽になります。
また、平干しをする時には小さなしわを伸ばすように意識しましょう。干す前に一手間加えるだけで仕上がりが綺麗になりますよ。
どうしても平干しする場所がないという場合には、型くずれや縮みを防ぐためにもできるだけ良質なハンガーを使ったり、ハンガーを2本利用して平干しに近い形で干したり工夫をする必要があります。
アイロンは生地がしっかり乾いてから
アイロンがけにも十分注意が必要です。レーヨンに水を含んだ状態でアイロンをかけるのもダメージを与えてしまう原因になります。アイロンをかける際には、生地がしっかり乾いたのを確認してから行うようにしてください。
そして、実際にアイロンをかける際は温度を130℃~160℃の中温にし、薄い色の当て布をしながら滑らせるようなイメージでアイロンをかけるようにしましょう。
一定の箇所にアイロンの熱を与え続けたり、設定温度を高温にするのはレーヨンが固まってしまい、生地がテカる原因になってしまうので良くありません。
また、スチームアイロンは水蒸気が発生してしまいます。水分でダメージを与えることになるので、アイロンをかける際は必ずドライでかけるようにしてください。レーヨンの繊維に沿ってアイロンがけを行うのも仕上がりを綺麗にするコツです。
レーヨン素材の保管方法
続いて、正しい保管方法についてですが、レーヨンの洋服を保管する際には湿度と虫食いに注意しなければなりません。湿気を含んだまま保管してしまうと、生地の傷みや縮みの原因にもつながります。
また、繊維が柔らかいレーヨンは虫食いに遭う可能性が高く、予防を怠ると穴が開いてしまいます。収納ケースにしまう際にはしっかり乾燥させた上で、さらに乾燥剤を一緒に入れるようにしておいたほうがいいでしょう。
そして、防虫剤も忘れずに入れなければなりません。防虫剤は虫食いだけでなく黄ばみを防ぐ効果もあるので、保管には欠かせないアイテムです。また保管する前に一度洗濯を行うことで、虫食いの発生を抑えることもできますよ。
レーヨン素材の特徴
レーヨンは人類が初めて作った化学繊維であり、長い歴史があります。さらっとした肌触りが特徴で古くから衣服の素材として使われ、その優しい着心地は長い間人々に愛されてきました。
また、光沢もあり、シルクとよく似ているので、シルクの代用にレーヨンが使われることもしばしばです。さらに繊維が柔らかく、独特のドレープ性も持っているため、チャイナドレスなどのドレスの素材として非常に適しており、実際にドレスの製造にはレーヨンが広く用いられています。
その他にもニットやブラウス、女性の下着など、ありとあらゆる衣服に用いられていますが、その理由として着心地の良さと華やかさを合わせ持った唯一無二の特徴があるということが挙げられます。
そして、その華美な見た目に反して価格が安く、環境にも優しいという特徴もあります。ポリエステルなどの石油化学合成繊維とは違って、木材パルプのセルロース繊維質から作られている再生繊維なので、エコの観点からもレーヨンはとても重宝されています。
しかし、天然の原料を使っていることでメリットがある反面、デメリットもいくつか存在します。まず吸湿性があり、水に弱いというデメリットがあるというのは前述している通りですが、水に弱いとシミもできやすく、縮みも簡単に起きてしまいます。また摩擦にも弱く、シワにもなりやすいので丁寧に扱わなければなりません。
まとめ
レーヨン素材の衣服はデリケートである反面、非常に魅力的な特徴がたくさんあります。粗雑に扱っているとすぐに傷んでしまい、せっかくの魅力が台無しになってしまいます。長く付き合っていくためにも、洗濯や保管の際は注意点に気を配り、優しく取り扱ってあげなければなりません。今回ここで述べたことをしっかり頭に入れながら、大事に着続けてあげましょう。