目次
使い捨てカイロの正しい捨て方
自治体のゴミの分別に要注意
使い捨てカイロの捨て方として自治体のゴミの回収に出す場合、自治体によってゴミの分別や捨て方のルールが異なるので、お住まいの自治体に必ず確認してから捨てるようにしましょう。
例えば、東京23区だけでも区によって「不燃または燃やさないゴミ」「不燃ごみ(金属類)」「金属・ガラス・陶器ゴミ」というふうに分類方法が分かれます。
神奈川県では横浜市や川崎市は「燃えるゴミ」として分別されていますし、埼玉県では、さいたま市は「燃えるゴミ」なのに川口市は「不燃ゴミ」となります。これは各自治体が所有しているゴミ処分施設の違いによるものです。
また、使い捨てカイロの外袋と中身を分けて捨てる自治体もあります。
例えば、外袋に「プラ」マークがついているものはプラスチック製容器包装として分別し、その中身は金属として不燃ごみに分別されます。
このように、使い捨てカイロの捨て方はさまざまですのでお住まいの自治体に確認しましょう。
使い捨てカイロを捨てる時の注意点
使い捨てカイロの捨て方で、「使い捨てカイロが生ゴミの水分と反応して熱くなった…火事になった…」という噂がネットで出ているようですが、使い捨てカイロが原因で火事になることは無いとされています。
とは言え、用心するにこしたことはありませんので念のためすることをご紹介いたします。
安全な捨て方
- カイロは完全に冷めてから捨てる
- 熱が冷めたカイロをビニール袋に入れ、袋の中の空気を抜いてから、しっかり口を閉じて捨てる(酸素にふれないよう袋の中の空気を抜いて捨てる)
- 大量の使い捨てカイロを捨てるときはお住まいの自治体に捨て方のルールがあるか確認する
- 暖房器具の側に捨てない
使い捨てカイロは火事にならないといわれている理由もご紹介いたします。
火事の心配は無い理由
- 使い捨てカイロの一般的な最高温度は60度~70度程度で、物が燃える温度ではない
- 一度冷たくなった使い捨てカイロは二度と熱くならない
- 使い捨てカイロは酸素と鉄が錆びる熱を利用して熱を出しているので、発火する温度にはならない
- 使い捨てカイロの外袋は水に溶けない。万が一、袋が破れて水分が入っても化学反応をおこし発火するようなことは無い
- 自治体によって使い捨てカイロを「燃えるゴミ」に分別しているところが多数あり、火事の恐れがあれば「燃えるゴミ」に分別することはない。
未使用の使い捨てカイロの捨て方
未使用の使い捨てカイロは、袋が破けて空気に触れていないのであれば、次の年の冬使用することになったとしてもだいたい問題なく使用できます。
未使用の使い捨てカイロは使用期限が過ぎていたとしても、酸素に触れたときに発熱することがありますので必ず袋を開け、完全に冷め切ってから捨てましょう。
使い捨てカイロは捨てずに再利用しよう
使い捨てカイロの成分は、水・塩類・鉄分・活性炭・バーキュライトになります。この中の鉄分が急速にサビることによって発熱します。そのため、完全に錆びてしまうと、二度と発熱できず、カイロとしての再利用は不可能となりますが、他の方法で再利用することができます。
使い捨てカイロの捨て方を知るのも大切ですが、再利用を知って活用するのは最もお勧めです。またゴミを減らすこともできますのでぜひ再利用しましょう。
消臭剤として再利用
靴やブーツや下駄箱の臭い取りに使えます。使い捨てカイロの中の活性炭という成分は、実は脱臭剤にも使われている成分で活性炭の細かい穴が嫌な臭いを吸い取ってくれます。
しかも、袋の中で錆びてしまって酸化鉄となってしまった鉄分ですが、こちらも脱臭効果があり、脱いだ靴やブーツのなかにそのまま入れて一晩放置すれば嫌な臭いが消臭されます。
除湿対策として再利用
活性炭やバーミキュライトには細かい穴で水分を吸い取る効果があります。また、鉄分は空気中の水分に反応して水分を吸収する効果があります。
そのため、湿気が多い場所において除湿することでカビの繁殖を防ぐ効果もあります。除湿効果・消臭効果を活用してクローゼットやタンスにも置くことをお勧めします。
ガーデニングとして再利用
バーミキュライトは土壌改良用の肥料として、観賞用植物の保湿土としてよく使われています。
また、鉄分が土に含まれることによって野菜等の栄養化が増します。つまり、使い終えたカイロの中身をガーデニング用の土に混ぜることによって植物が元気になります。
なかには「使用後は花壇との肥料としてお使いください」と銘記された使い捨てカイロもあるようですが、それ以外の製品の場合、成分に塩類が含まれているため塩害を引き起こす原因にもなります。できるだけ塩分を取り除いてから使用することをお勧めします。
塩分の取り除き方
- 洗面器などに水を張り、カイロの中身を水の中に入れて混ぜ合わせ、しばらく放置する。
- 珈琲のフィルター(ろ紙)などを使って、洗面器の水とカイロを分ける。
使い捨てカイロを水に混ぜることで塩分が水中に溶け出し、「ろ紙」でこすことによってカイロの中身がとりだせます。
脱酵素材として再利用
脱酵素材は、鉄が酸化する時に空気中の酸素を吸収するため、カビや害虫、油脂の変質などを防止することができますので、食品の包装や衣類関係で利用されています。
お米の長期保存に活用
使い捨てカイロと衣類圧縮袋を使って白米の保存期間を延ばす方法があります。
使用するもの
- 白米(未開封のお米)
- 使い捨てカイロ
- 衣類圧縮袋
- つまようじ
- 除菌用品(除菌スプレーまたは除菌シートなど)
- ガムテープ
手順
- お米の袋の外側を除菌スプレーまたは除菌シートを使ってきれいに拭きます。
- お米の袋の両側に出ているビニールがひらひらした部分をガムテープで止めます。切り取らずにそのまま圧縮袋に入れると密封する際に隙間ができたり圧縮袋を傷つけたりジッパーに挟まる可能性があります。
- お米の袋全体につまようじを刺して穴を開けます。穴は2cm~3cmほどの間隔をあけて袋全体にまんべんなく刺しましょう。これはお米の中の酸素をできるだけ外に出して空気の通りを良くすることが目的です。
- 穴を開けたお米を衣類圧縮袋に入れます。
- 使い捨てカイロを軽くふって発熱が始まる状態にし、つまようじで穴を開けたお米の袋の上に使い捨てカイロを置きます。
- 衣類圧縮袋の空気を抜いて圧縮します。カイロはしばらく発熱していますが、しっかり密封していれば熱が冷めて冷たくなります。もし、いつまでたっても冷たくならない場合はしっかり圧縮されずに酸素が残っている可能性があります。圧縮袋に空気が残っている場合はしっかり空気を抜きましょう。
- しっかり密封し使い捨てカイロが冷たくなったら完了です。あとは湿気のない場所に保管しましょう。
NPO法人に回収してもらう
地球環境ネットワークの一環で「鉄の資源材」として使い捨てカイロの中身を使う運動がおこなわれています。ただし、誰でもが利用できるわけではありませんので活動しているNPO法人に条件などを確認しましょう。
そのまま捨てるのはもったいない使い捨てカイロです。カイロとしての役目を終えた後でも、脱臭剤・除湿財などに再利用・リサイクルすることによってゴミを減らすことができます。
http://park16.wakwak.com/~jnet/k-kairo.html
使い捨てカイロの成分と効果
使い捨てカイロの捨て方で燃えないゴミに分別している自治体が多いのは中身を知ると納得できると思います。
使い捨てカイロは、中身の鉄分を急速に酸化させることによって熱を発生させています。言いかえれば、粉状にした鉄を急速にサビさせることにより熱を発生させているわけです。これがカイロが温かくなる原理です。
通常、鉄製品は時間をかけゆっくり酸化してサビますので、使い捨てカイロのように熱を発生することはありません。
鉄粉
カイロが暖かくなる原理は、鉄を粉状にすることによって急速に酸化させることにより熱を発生させます。鉄が粉状でないとカイロはなりたたないのです。
水
水によって鉄の粉の酸化を促進する効果があります。カイロがすぐに熱くなるのは水のおかげです。
塩類
塩類は鉄の粉の酸化を促進する効果があります。塩類はカイロにはかかせないものとなります。
活性炭
活性炭には表面に無数の穴があいていて、この穴に空気をたくさん取りこめることができます。鉄の粉と活性炭を混ぜることにより鉄の粉の酸化を促進させることができます。
バーミキュライト
バーミキュライトとは小さい穴がたくさん開いた鉱物の一種で、高い保水力があります。カイロにはかなりたくさんの水が含まれていますが、中の粉を触った時サラサラしているのはバーミキュライトの表面の小さな穴に水分を取りこんで保水材の役目をしているからです。
まとめ
使い捨てカイロの捨て方や再利用の方法はいかがでしたでしょうか?
昔は、使い捨てカイロといえば寒い冬に使用するものでしたが、近年では夏でもクーラーの効いたお店、オフィスで女性の冷え性防止や自律神経失調症から使い捨てカイロを使用する例が増えてきました。
つまり一年中使用されるということは、いつでもゴミとして捨てられることとなりますが、できる限り再利用することを心がけましょう。