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慢性便秘症とは
便秘とは明確な定義はないものの、便の回数が週3回より少ないこと、排便の時に痛みや出血があること、軟便や便の量が少ないこと、腹痛・残便感が伴うこと、などがあげられます。
そして、その便秘のために、何らかの治療が必要な状態を「便秘症」といい、便秘症が1~2ヶ月以上続くことを「慢性便秘症」と言います。便秘症は放置しておくと、だんだん悪くなることが多く、いったん良くなっても、再発することが多い病気と言われています。
慢性便秘症は子供の患者も多い
慢性便秘症は高齢者に多い病気とされていて、大人の病気と思われがちですが、慢性便秘症の子供も珍しいことではありません。
子供の慢性便秘症の割合は、10人に1人、またはそれ以上と考えられています。子供が慢性便秘症になりやすいのは、離乳の開始や終了の時期、トイレットトレーニングの時期、学校へ通いだした時期が始まりやすいと言われています。
また、硬い便をすると肛門が切れて痛い思いをしますが、小さな子供は、痛い思いをすることで、次の排便を我慢してしまうことが多くみられます。便を我慢すると、そのまま大腸に便が残り、残った便は水分が吸収されるため、ますます硬い便となり、さらに強い痛みを伴うことになります。
そして、便が腸にとどまる状態が長く続くことで、便意に対しても鈍感になってしまい、腸に長くとどまることでよりいっそう便が硬くなる、という悪循環が生じます。幼児のトイレットトレーニングで便秘が始まった場合は、便秘の症状が落ち着いてから無理なく再開するようにしましょう。
便秘をしないための工夫
生活習慣の見直し
- トイレに行きたくなったが我慢せずすぐに行くようにします。またゆとりのある時間に、トイレに座るように習慣づけます。
- 負担にならない程度の散歩や軽い運動を行いましょう。
- 早寝早起きなど規則正しい生活を心がけましょう。
食事に注意
腸の動きを活発にするために、食物繊維が効果的です。野菜、海藻、豆類、果物、イモ類に多く含まれていますので、バランスの良い食事を3食摂るようにします。また、朝食後は大腸の運動が最も活発になるので、ゆっくりと朝食をとれるような生活にして下さい。
十分な水分摂取
十分な水分が摂れないと、便が硬くなり、便のかさが少なくなり、腸の中で便が移動しにくくなりますので水分を摂取することを心がけて下さい。朝起きてすぐに水をコップ1杯飲むと、腸が刺激され動きがよくなると言われています。
長引く場合は病院へ
便秘をしないための工夫をしても、完全に改善されない場合は、病院へ行き医師に診察をしてもらいましょう。便秘症と診断された場合は、下剤などのお薬の治療が必要と言われています。
また、便秘症はきちんと治療をしないと悪循環を繰り返すことで、腸が異常にふくらむ「巨大結腸症」や、おもらしが続く「遺糞症」という病気につながる可能性もあるそうです。
子供の便秘においては、便秘以外に体重が減少、身長が伸びないなどある場合は、他の病気の可能性もあるため注意が必要とのことです。
単なる便秘と軽く考えないで
便秘は長引けば長引くほど、悪循環となり、治療が必要な便秘症になることもあります。便秘症と診断されたら治療は早く始めたほうが、後の経過もよくなります。
また、さまざまな原因が絡み合って起きている便秘もあります。便秘が長引く場合は、原因については自己判断せず、病院で適切な診断と治療を受けることが大切です。