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春の旬:フキノトウとタケノコ、菜の花
フキノトウやタケノコなどの山菜、菜の花などは、店頭に並ぶだけで春を感じさせてくれます。フキノトウやタケノコにはナトリウムの排泄を促し、血圧上昇を予防するカリウムが豊富に含まれています。
フキノトウを刻んで油で炒め、味噌とみりん、砂糖を混ぜて作った味噌だれで味付けした「フキノトウ味噌」は、ご飯のお供だけでなく酒の肴にもピッタリです。
タケノコはアクを抜いて適当な大きさに切り、刻んだ油揚げ、薄口醤油、酒を炊飯器に入れて普通にご飯を炊くだけで春を感じさせてくれる美味しい「タケノコご飯」ができます。
黄色い蕾がかわいらしい菜の花は抗発がん作用や免疫賦活作用で知られるβカロテンやミネラルが多く含まれています。菜の花はシンプルにおひたしにして、辛子マヨネーズでいただいてみましょう。ほろ苦い菜の花にツンとした辛みが絶妙です。
夏の旬:トマトとナス、ズッキーニ
夏野菜の代表ともいえるトマトとナス、そしてズッキーニ。中でもトマトに多く含まれるリコピンは、生活習慣病の原因となる活性酸素を減らす働きがあります。
トマトと玉ねぎ、セロリ、キュウリ、赤ピーマンをざく切りにしてミキサーにかけ、塩、こしょう、オリーブオイルで味付けしたものを冷蔵庫で冷やしたスペイン料理の「ガスパチョ」は、食欲が落ちる暑い時期にも食べやすく、栄養も満点です。
ナスにはポリフェノールの一種である「ナスニン」が含まれ、これは強力な抗酸化作用を持っています。近年店頭でよく見かけるようになったズッキーニも、夏に多く収穫される野菜です。味わいは淡白で、βカロテンやカリウム、ビタミンCが豊富です。
ナスとズッキーニをグリルして、ちぎったレタス、くし切りにしたトマトと一緒にお皿に盛り、バルサミコ酢で作ったドレッシングをかけたグリルサラダにすれば野菜がもりもりと食べられます。
秋の旬:カボチャとサトイモ、キノコ
秋は収穫の季節。甘く実ったカボチャはβカロテンやカリウム、そして繊維質が豊富です。繊維質は便秘の予防や改善に役立ちます。
煮物や天ぷらなど、調理法はいろいろですが、薄切りにして耐熱皿に並べ、塩・こしょうをふり、粉チーズ、マヨネーズをかけてオーブントースターで表面に焼き色がつくまで焼いた「マヨネーズ焼き」は手軽にできるうえ、おつまみにもピッタリです。
サトイモはカリウムの他、コレステロールの生成を抑制する成分が含まれており、動脈硬化を予防する効果が期待できます。皮をむくのが面倒くさいサトイモも、洗って皮ごと蒸し器で蒸した「きぬかつぎ」にすればねっとり、ホクホクした食感を楽しめます。
秋の味覚・きのこは種類によって成分が多少異なりますが、総じて食物繊維が豊富です。きのこを使った料理では「松茸とハモの土瓶蒸し」が有名ですが、ハモが手に入らない場合には、鶏モモ肉を使っても美味しくできます。
冬の旬:アンコウとワカサギ
冬は魚介類が美味しい季節。なかでも寒さで身が締まったアンコウは鍋物に最適です。アンコウの身には糖質や脂質の代謝を促すナイアシンや貧血に効果があるビタミンB12が、肝には血液をサラサラにしてくれるEPAやDHAが豊富です。
あん肝が手に入ったら、血管と薄皮を取り除いて酒に浸け、ホイルに包んで蒸し器で蒸せば居酒屋メニューの定番「あん肝の酒蒸し」が出来ます。
寒い冬の風物詩・ワカサギ釣りに出かけたらぜひ天ぷらを作ってみましょう。ワカサギは骨まで丸ごと食べられるので、タンパク質やカルシウムを手軽に摂ることができます。揚げたワカサギを漬けダレに漬けた「南蛮漬け」もまた、美味です。
旬のものをいただくということ
「食」は健康の基本です。
旬の食材は栄養価に富み、美味しいだけでなく健康や美容に大きな効果があります。また、春の七草や土用の丑の日、お月見、お正月などの伝統的な行事とも深くかかわっているため、季節を感じるとともに、文化にも触れることができるのです。
旬の食材を毎日の献立に取り入れて、健康的にすごしましょう。